SMM、求められているのは議論すること。権威を信じないこと。

Posted by IHayato
Jan 07 2010

ループスコミュニケーションズの斎藤さんの「大企業はなぜソーシャルメディアを恐れるのか? – in the looop」
マイクロソフトのクマムラゴウスケさんの「大企業がソーシャル メディアに踏み込まないわけ」

という二本の素晴らしいポストに触発されて僕も。大したことは言えませんが、補足的に。


「大企業がソーシャル メディアに踏み込まないわけ」
どちらかというと、いわゆる “大企業” といわれるトコロの中のヒトの意見を交えて、企業規模の大小関係なく、企業のソーシャル メディア活用における議論が、もっと活発になってくれれば…、と思っていたりもする。

何よりも僕はこの点に共感します。というのも、ソーシャルメディアマーケティング(SMM)は「ケースバイケース」が大原則だと考えているからです。

恐れるべきは、斎藤さんやゴウスケさんのような、声の大きい方々の言葉を盲信してしまう方が出てくることです。ソーシャルメディアは中身のない権威を剥奪する一方、新たな権威も生んでしまいます。彼らの言うことは勿論正しいです。が、あなたとあなたの企業にとって正しいとは限りません。勿論、僕の言葉だってその例外ではありません。僕はこのブログを読んでいる方々に対して、常に疑念を抱きながら読んで欲しいとすら思っています。

実は、この点は既にゴウスケさんが語っているところでもあります。重複を承知で、僕からも賛同の意を。

Loud Minority の意見と真偽を見極めるリテラシー 

要は、ソーシャルメディア上で、何か新しい方法論であったり意見が出てきたときには、ちゃんと、その情報の本質をしっかりと、自分なりに見極めなくてはならないし、ソレを的確に判断するためのリテラシーは、必ず持っていなくてはならないのではないかと思うわけで。そして、何よりも一歩引いて冷静に、その情報を精査していくというコトが非常に重要なのかもしれない。
(中略)

“ひょっとしたら、今あなたが信じ、実践しようとしている、その情報は、ただ単に新しモノ好きなヒトが、脊髄反射的に “コレはすごい!” と言って、その真偽や本質を見極めずブログに書いただけのモノなんじゃないですか?”

(中略)

今、ソーシャル メディアの世界の中で情報を発信している人たちは、決してあなたのコンサルタントでもなければ、ましてや中の人でもない。つまり、乱暴な言い方をすれば、(あなたにとって) 無責任な発言だったりもするのだ。

権威を忌み嫌いましょう。あの人が言っているから正しい、という判断は危険です。ソーシャルメディアの適用はケースバイケースです。開かれた選択肢の中から、自分に合ったものを見つけ出しましょう。広大なパーティ会場の中で、あなたは何をするか、という話なんです。権威をぶち壊す力を持つ道具を手に、新たに生まれたスターを盲信するのは愚かです。

一方で、権威は刻一刻と確立していきます。それは誰の責任でもありませんし、止めることもできません(お陰様で、最近は僕自身もちょっとした権威になりつつあるくらいです…)。権威となった人間には、謙虚さが求められますし、傲慢になった時点で多分その人は終わりでしょう。ソーシャルメディアのスターの一人、ザッポスCEOのトニー・シェイが「謙虚さ」を最も大事にしている、という話には学ぶところが多いです。

ソーシャルメディアマーケティングはケースバイケースです。特に戦術レベルでは、多くの場合、他社の真似をすることは不可能です。ソーシャルメディアでは「あなた自身」であることが求められますし、他人になろうとすれば破綻するのみです。

ちなみに、思想家のクリシュナムルティ(1895-1986)はこんな言葉を残しています。

他の誰かのようになろうとしたり、理想とする自分を達成しようと努めるのが、全ての矛盾、混乱そして争いの主要な原因の一つである。

SMMの鉄則は「飾らないあなた自身であること」あなた自身の答えが求められているのです。(クリシュナムルティBOTはフォローする価値ありですよ。)

あなた自身の答えを見つけるためには、議論は役立つでしょう。他人の知識を巻き込んで、考えを発展させましょう。そしてあなたの答えは、他の誰かにとっても有益なのです。これがソーシャルメディア時代の知のあり方です。是非「あなたの立場から」ソーシャルメディアを巡る議論に参加してもらいたいと思います。正解が無い世界では、どんな意見も価値を持つのですから…。

3 Responses

  1. [...] オープンな会話は誰かを傷つける?ソーシャルメディアの「罪」 Posted by hayato Jan 08 2010 昨日起こった「議論の連鎖(斎藤さん、クマムラゴウスケさん、僕、イケダノリユキさん)」や、最近お会いしたエッジの効いた方々との会話などから感じたこと。 [...]

  2. 風観羽というブログをかいております、ta26(twitter名SeaSkyWind)と申します。
    ソーシャルメディアの動向には日頃から大変興味を感じており、イケダハヤトさんのブログは楽しく拝見しております。今回のエントリーの『権威を忌み嫌いましょう』という一節は、ちょうど私自身の最新のブログエントリーと同根のご指摘と感じて、大変共感しました。組織で考えるのではなく、個人で考えることを促進する意味でも、ソーシャルメディアの尚一層の浸透が望まれるところだと思います。よろしければ、私のブログエントリーもご参照下さい。
    http://d.hatena.ne.jp/ta26/20100108
    http://d.hatena.ne.jp/ta26/20090910

  3. hayato says:

    風観羽さん、コメントありがとうございます。

    非常に良い記事ですね!WEB2.0ツールの導入に関する考察は大変参考になりました。
    ソーシャルメディアの登場で、権威というものの様態が変わりつつあると感じています。情報が自由に手に入ることで形のない権威は崩れ去っているようですが、やっぱり人は愚かなのか、新しく生まれた権威を盲信する傾向があるようにも感じます。
    (偉そうな言葉ですが、それは例外なく、僕自身にとっても問題です。権威あるマーケターの言葉は、やはり盲信してしまいがちです。)
    ソーシャルメディアは「嘘の付けない社会」を実現しますが、そうした明るい未来の実現には、我々一人ひとりが情報の真価を見定める必要があるのでしょう。ソーシャルメディアの登場で、新たな衆愚に陥ってしまうのか…難しい問題です。

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