インテルの戦略についての新聞記事見てうちの上司が嘆いていたことから得られた気付き。
ご存知、インテルは「Intel Inside」というメッセージを推進しています。彼らの主力製品はいわゆる「CPU」で、どちらかと言えばB2C商材としての側面が強いものです。なので消費者にブランドメッセージを伝えていくことは、十分利益に繋がる合理的な選択です。
一方、僕の所属する会社は完全なB2Bの半導体メーカーです。「組み込み用半導体」と呼ばれるようなチップを主力商品としています。インテルはこの分野ではほとんど力を持っていません。「組み込み用半導体」は、文字通り電子機器・家電には必ずといって良いほど組み込まれている製品です。例えば冷蔵庫、カーナビ、携帯電話…あらゆるものに入っています。が、基本的にB2Bビジネスなので、うちの会社を始め、多くの組み込みメーカーはブランディングにそこまで力を入れていません。
ここ最近、インテルは「組み込み」市場への進出を掲げています。これ、恐ろしいのは消費者がいずれ「Intel Inside」の冷蔵庫やカーナビを求めるようになるであろうこと。上司もここに危機感を感じていました。
従来、インテルの主力製品はパソコンなどの高度なスペックの商品をターゲットにしていました。しかしテクノロジーの発達・要求スペックの向上で、インテルの製品が採用される裾野は広がっています(実際にAtomはカーナビに入ってきています)。近い将来、本当に「Intel Inside」の冷蔵庫が出てきてもおかしくはないです。携帯電話にインテル製のCPUが入ってくる日はもっと近いでしょう。
こうなってくると「Intel Inside」のシールは、ブランド力を持たない組み込みメーカーにとっては、驚異的な存在になります。何せ、消費者がインテルが入っている製品を求めてしまうのですから。うちの会社の半導体が入っている製品には「どこのメーカー?中国とか?」なんて印象を抱かれかねないのです。
半導体業界に限っていえば、要求スペックの向上は、B2B企業をB2C企業に変貌させる力学を持っています。実際にQualcommなんかはかなりSnapdragonをプッシュしていますし。いざB2Cのフィールドで戦わなくてはならなくなった時、うちのようなB2Bの組み込みメーカーはインテルやQualcommに対しては相当なハンデがあるでしょう。
かといって、ブランド戦略にお金をつぎ込む、といった経営判断は難しいわけで…。そこでこそ、顧客や潜在顧客と中長期的な関係を築くことができる、ソーシャルメディアマーケティング(SMM)が有効になってくるのです。が…SMM戦略を実行できる組織もリテラシーも予算があるわけでもなく…問題は根深いです。
