Facebookが「F8 Developer Conference」の基調講演で重要な発表をしました。その中の一つが、ソーシャルグラフ(ソーシャルメディア上の人間関係)をオープン化する、という話。これはかなりインパクトがありそう。
Facebook’s Open Graph Personalizes the Web
・Facebookは外部サイトとアプリに対して、ユーザーのソーシャルグラフをオープンにした。あなたが一度も利用したことがないようなサイトにまで、あなたのソーシャルグラフが反映される。
・例えば、CNNのようなサイトに行くと、あなたの興味関心に沿った情報やサービスが提供されるようになる。もちろんそれは特別な許可なしに。
・ウェブがあなた向けにカスタマイズされ、より便利になる可能性は高い。ただし、プライバシーの懸念は大きい。
読み違えているところは無いか不安ですが、こんな話です。ウェブがパーソナルなものになる、そんな未来を予感します。
Mashableがプライバシーの懸念についての記事も書いていますね。こちらも合わせて。
Facebook Open Graph: What it Means for Privacy
また、斉藤さん(@toru_saito)がFacebook関連で興味深いデータを紹介されています。広告関係の方は要チェックな話です。
Facebook/ ニールセン共同調査。広告に友人ファン情報を付与すると,購入意思が4倍に
「通常広告」では,記憶10%,メッセージ認知4%,購入意思2%にとどまっているが,「広告下部にファンになっている友人情報を追加」すると,記憶16%,メッセージ認知8%,購入意思8%と大幅にアップすることがわかった。
また「通常広告とともに,友人がファンになったフィードが組み合わされる」とさらに強力で,記憶30%,メッセージ認知13%,購入意思8%と,特にブランドや広告への認知が高まる効果が確認された。
Facebookがソーシャルグラフをオープン化すれば、広告下部に友人情報が追加されている「Ad with Social Context」の実装はさらに容易になるのではないでしょうか(技術的に可能ですよね?)。
私たちが目にするウェブ広告の多くに、ソーシャルメディア上の友人・知り合いのレビューや感想が表示される日も近いのかも。
ノートPCの広告の下部に、友人が価格コムで書いたレビューが表示される。新刊本の広告に、友人のAmazonレビューが表示される…なんてイメージです。もちろん「友人」は幅広い意味での友人です。同じ嗜好を持つ人、という言葉でも良いでしょうね。そしてこれをプライバシーの問題と取るか、便利だと思うか、難しいところです。
ソーシャルグラフがあらゆるウェブサイト/アプリケーションに反映されれば、よりウェブはパーソナルなものになるでしょう。ウェブがソーシャル化する、と言ってもいいのかも知れません。
日本にはFacebookが普及していないとはいえ、これは日本のウェブにも関わる大きな変化だと思います。ここからFacebookの普及が始まる可能性もあるのかも。引き続き動向をウォッチします。
(解釈が間違っているところがあったらご指摘願います)
<追記>
TechCrunchに詳報あり。
ウェブはソーシャルが当たり前になる、その中心はFacebook―f8カンファレンスのMark Zuckerbergのキーノート
われわれがオープングラフで目的とするのは、ユーザーがウェブのどこへ行こうと、そのユーザーのソーシャルグラフが即座に呼び出せ、それに基づいてユーザー体験をカスタマイズできる機能です。
(中略)
私のアイデンティティーはFB内の情報に限定されなくなりました。ウェブ全体のさまざまな情報から私のアイデンティティーが構成されるようになりました。このソーシャルグラフ、すなわち私と私が関心を持つ人々/物事との関係性、は将来、ウェブにとってハイパーリンクと同じくらいの重要性を持つことになるでしょう。
<追記2>
TechCrunchに追加記事あり。
Zuckerberg 曰く: “Web全体が最初からすみずみまでソーシャルである状態を作りたい”
Webはこれまでのような、単なるハイパーリンクの集まりではなく(Googleのような検索エンジンはこのことに依拠しているが)、ソーシャルコネクションの集まり、好きや嫌いの集まり、符号化され機械可読となったインタレストの集まりになってほしい、とFacebookは考える。”オープングラフを活用することによって、ユーザがWeb上のどこに行っても、訪れたその瞬間からソーシャルな体験ができる状態を作り出したい”、彼はそう言う。
TechCrunchを訪れたら、Facebookのフレンドたちが”like”した記事をすべて読める。Amazon.comへ行ったら品物について同じことができる。こんな空想が、いずれ現実になるのだ。Open Graphは桁外れに大がかりな仕掛けだ。
Facebookはついに次世代ウェブの主導権を握ったのではないか?
おそらくこれから「Facebookの独裁」に対する懸念が大いに語られるだろう。事実、懸念はある。しかし同時にFacebookが適切に行動するなら、ウェブの諸要素の関連性が今よりも高まり、ずっと便利になる可能性も十分にある。もちろん、未上場の会社が持つにはいささか異常なほどの権力ではある。われわれはFacebookがその責任を正しく認識し、悪をなさないでくれるよう願うものだ。
Tech Waveにも湯川さんが解説を書かれてますね。
【解説】Google時代の終焉宣言するFacebook新戦略【湯川】