
photo credit: Andrew Michaels
現在全社的な「ソーシャルメディアガイドライン」を提案しようと画策しています。
とはなんぞやという話ですが、インターネット、特にソーシャルメディアを利用する上での禁止事項や推奨事項をまとめた行動規範が「ソーシャルメディアガイドライン」です。
海外では策定している企業は多く、半数以上が策定(ソース紛失)、Intelなどのように公開している企業も多くあります。
日本ではまだまだ一般的ではなく、公開されていて近いものはブックオフのブログガイドラインくらいでしょうか。みずほ総研なんかはコンサルもやっているようですが、まだまだ浸透はしてなさそう。
しかしながら、デジタルネイティブ世代が続々と入社するにつれて、またあらゆる年代でもソーシャルメディアを利用するのが一般的となるにつれて、ガイドラインの必要性は日々高まっていると考えています。
さて、ガイドラインの一番の目的は「社員の不用意な情報発信を防ぐため」です。簡単に言えば「炎上」を防ぐため。
ソーシャルメディアが一般的になり、結構な割合の社員がmixiやブログ、レビューサイトなどで何らかの書き込みを行っているはずです。その割合は日々高まっていることも確実で、現にうちの人事の偉い人(50代後半!)もmixiを始めて積極的に記事を書いている、なんて話を聞きました。
うちの会社はある程度規模も大きいですし、良識のある人間がほとんどだと思います。が、やっぱりネット上のリテラシーには一般常識とは微妙に乖離があります。例えば河野太郎議員のブログでありましたが、「無断でコメントを削除し、コメント欄を閉鎖する」と言った行為が、ネット上での情報発信では絶対にやってはならない行為だと知っている「常識人」がどれだけいるでしょうか。ガイドラインを通して全社員に「へー、ネットじゃこういうことは嫌われるんだ」ということを知ってもらうのが、ガイドラインの一つの目的です。
加えて、万が一社員の書き込みが原因で「炎上」や情報漏えいが起きてしてしまった時、しっかりとガイドラインを制定していれば「弊社は原因となった行為を明確に禁止しており、厳正な処分を執り行った」という説明責任への手助けにもなるでしょう。
社員の不用意な発言による経営リスクがどれだけあるか、については「炎上」という言葉が人口に膾炙している割には、まだまだ認識されていないように思います。しかもそれは残念ながら、高いリスクを抱えている大企業ほど。
うちの会社は「業務上のソーシャルメディアの利用を禁止している!」という反論をなされるかも知れませんが、プライベートタイムにこそ炎上リスクは顕在化します。また業務上の利用を完全に禁止するのも不可能です。ソーシャルメディアガイドラインを策定することで、業務時間内利用禁止と言うスタイルは崩すことなく、プライベートの時間のリスクを統制することが可能です。
そしてもう一つの目的、それは社員に適切な情報発信を促すことで、ブランド力向上を狙うことが出来ます。
例えば技術者のコミュニティなどで、社名や身分を明らかにして有用な書き込みを行えば「やっぱりあの会社の人はすごい」ともなるでしょう。ガイドラインには、必要に応じて社名を明らかにすることが可能であることを明記し、社員の行動にオーソリティを与えるのが良いでしょう。社名を明らかにしてもいいのに、二の足を踏んで匿名で書き込むことで「損」をしている、と言った事態もまま見受けられます。例えばオルタナティブ・ブログでは多くの方が社名を明らかにせずに書いてます。
それでもやっぱり社名を出すのは心配だ、ということならガイドラインに社名を出すのは推奨しない、という旨を書くのも良いでしょう。重要なのは「やってはいけないこと」「やっていいこと」を明確にすることですから。ブランド力向上はあくまでおまけ程度です。
さて、ここまで説明しても「今だってそんなガイドラインの無いけど全然大丈夫だし…」と言われるかもしれませんが、それも間違いです。
くり返しになりますが、これから入社してくる世代は情報発信をすることに何の違和感も持たないデジタルネイティブ世代です。自由な彼らですから、守秘義務情報なんかも“クローズドと信じる”mixiに書いてしまいかねません。また同じことは既にいる社員にも言えます。「mixiは友達しか見てない」という信念の下、友人へのプライベートなメールと同じノリで会社の情報を書いてしまうことがないとは言い切れません。
さぁさぁ是非ともソーシャルメディアガイドラインを策定するべきです!
…という話を上司にしようと考えています。まだロジックが甘いですかねぇ。改めて、大企業は新しいことをするためのハードルが高いです。