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(本)ドラッカー論文集「すでに起こった未来」—日本画と日本人の考察が面白い

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実はほとんど未読だったりするドラッカーの本を読んでいます。


今回手に取った論文集で面白かった「日本画に見る日本」を読書メモとしてご共有。

日本画に見る日本

・日本は全体の意思に個人を合わせる国。しかし日本の芸術を見ると、その大きな特徴は個人主義。欧米では、ヘレニズム、ロマネスク、ゴシック、ルネサンスなどすべて特有の形式があったが、日本がは様々な流派が存在し、多様性があった。

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(芦雪:猛虎図)

・日本画は動物画では世界一である。西洋には動物を描く画家はあまりいない。日本ではほとんどすべての画家が動物を描く。

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(芦雪:牡丹孔雀図屏風)

特に鳥の絵は、「純粋に喜ぶ」という日本人の特性をよくあらわしている。盆踊りで無邪気に喜び、宴会の席でこどもっぽく遊ぶ能力。

・一方で、それでもなお、人間を包み込む窮屈な社会、人間を支えてはくれるが強い規律の要求を伴う社会と、自立性を要求する競争的な個人主義との継続的な二極性がある。

・18世紀の日本画家は個人主義的でありながら、ほとんどが流派に所属し、流派に所属しない画人は奇人あつかいされた。

同じ画家が装飾的な作品を描くことがもあれば、簡素な絵を描くこともある。矛盾しているように見えるが、日本では二極性の問題に過ぎない。

日本には二極が共存する。そこにあるのは対立ではなく、北極があれば南極もあるという、二極性による緊張。私の知るかぎり、これは日本でしか見られない。

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・18世紀の高僧白隠は、達磨の絵を描くのにどれだけの時間を要したかを聞かれ「十分と八十年」と答えたという。西洋では「技術を磨く」のに八十年掛かったという意味になるが、日本人の場合は「精神的な修行」が八十年掛かった、という意味。

・「十分と八十年」には、日本人特有の継続学習の考えも含まれている。日本には「人間国宝」というユニークな制度がある。


シンプルながら、面白い文化論です。ドラッカーは日本人の二極性を観察していたんですね。しかしホントに博学です…。


日本画は僕も大学時代にハマっており、特に芦雪(ろせつ)が大好きでした。文中で紹介している動物画は両方芦雪の作品です。



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