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(本の紹介)「フードバンクという挑戦」—廃棄されるもったいない食品の未来を知る一冊

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「フードバンク」って知ってますか?国内でも取り組まれている「まだ食べられるのに廃棄される食品」を生活困窮者に提供する活動です。

国内のフードバンク活動について知ることができる良著を見つけたので、読書メモをご共有。


フードバンクとは

日本では食べ物の1/3は捨てられているとみられている。2005年の調査では、国民一人あたりの食料供給カロリーは2,573キロカロリーである一方、実際に接種しているカロリーは1,851キロカロリー。一年間に出る食料廃棄物は約2000万トン

・日本は非常に安全・衛生・品質管理が厳しい。チーズを輸出している、あるフランスの会社に寄せられる苦情の95%は日本から。日本は要求が多すぎる。缶詰を梱包する「箱」がヨレているだけで返品も日常茶飯事。

「賞味期限」も化学的根拠が薄い。新鮮さをアピールするため、賞味期限を短く設定するメーカーも。期限はかなり前倒しされているのが実態。

フードバンクは「まだ食べられるけど捨てられていく食品」を生活困窮者に提供する活動。生産者、メーカー、小売店などから廃棄される食品を預かり、児童養護施設、炊き出しなどに提供していく。


日本にフードバンクができるまで

・アメリカでは1967年にフードバンクが誕生。課題(困窮者ではない人が受給してしまう、など)や批判(「根本的な貧困問題の解決にはならない」)もあるが、全米で広く取り組まれている活動となっている。

・日本ではアメリカ人のチャールズ・マクジルトンさんが2002年にNPO「セカンドハーベスト・ジャパン」を立ち上げた。

・チャールズさんは、子ども時代常に腹ぺこだった。親は慈善家で、恵まれない子どもを数多く引き取っていた。放任主義だったため、自分が大切にされている実感をもつことができず、10代で薬物中毒・アルコール中毒になる。

・更正施設でカウンセラーのボブと出会い、人生が変わった。無事に依存を断ち切り、ボブのすすめでボランティア活動を始めた。

・卒業し、海軍に就職。配属先は日本。4年間日本で暮らし、学問への意欲が芽生え、上智大学に留学。

・留学時代は「ドヤ街」として知られる三谷の修道院に下宿。生活困窮者と触れ合う中で、自分もホームレスとして隅田川で暮らしたりもした。その経験から、フードバンク活動を始めることを思い立った。

・始めは怪しまれたり、役所から「前例がない」「外国人だから」と無下に扱われたりもした。活動を粘り強く続けていたところ、コストコやハインツなどの外国企業からの支援が集まり、多くの人が賛同してくれるようになった。

今では沖縄から北海道まで、各地に活動が広がっている。震災復興の現場でも、フードバンクは多くの人を救った。


このチャールズさんのストーリーが、ぐいぐい引き込ませる魅力を持っています。元薬物中毒のアメリカ人が日本に訪れ、社会を変えるために立ち上がる。活動が軌道に乗ったあたりでは涙腺が緩みます。

チャールズさんが立ち上げた「セカンドハーベストジャパン」は現在も成長を続けており、日本にフードバンクという文化を根付かせる努力を行っています。

なかなか耳なじみのない言葉だと思いますが、ぜひ本書を手に取り「フードバンク」について知識を得てみてください。普通に読み物としても面白い内容に仕上がっています。おすすめ。



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