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(本の紹介)「Reverse Innovation(リバース・イノベーション)」—新興国から革新を生み出す方法について学べる一冊

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Reverse Innovation: Create Far from Home, Win Everywhere
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GWの読書。Amazon.comのおすすめで出てきたので購入。シンプルなコンセプトでサクっと読める良著でした。発売されたのは4/10ですので、かなり新しい本です。


リバース・イノベーションとは?

・新興国には高い市場ポテンシャルがある。しかし、新興国は先進国と非常に大きな違いがある。単なる輸出では失敗し、ゼロからイノベーションを起こす必要がある。

・タタ自動車のナノ。2000ドルという超安価な車を開発し、市場シェア65%まで上り詰めている。グラミン銀行が広めたマイクロファイナンス。今ではニューヨークの貧困層向けにも同種の商品が提供されている。

・グローバルな会社は同規模の会社を敵として設定しがちだが、リバース・イノベーションにおける敵は「新興巨人(emerging giants)」。ロジテックは中国で高いシェアを占めていたRapooに苦戦し、農業用トラクターのDeer & Companyはインド発のM&Mに苦戦を強いられた。

・リバース・イノベーションの実践には、Local Growth Team(LGT)の導入に加え、マインドセット、マネジメント面での改革が必要になる。

・GEのCEOは「ロールスロイスやシーメンスなどの伝統的な敵との戦い方は知っており、彼らはGEを滅ぼすことはできない。しかし、Mindray、Suzlon、Goldwindといった新興国の巨人たちは危険だ。リバース・イノベーションはオプションではなく、酸素のようなものだ」と語っている。

特に本書で強調されているのは、単に先進国の製品をローカライズするだけでは失敗する、という点。ゼロからプロダクトを開発し、イノベーションを起こす必要性を語っています。


新興国における5つのギャップ

パフォーマンスにおけるギャップ先進国の製品の50%の性能のプロダクトを、15%の価格で販売する必要がある。この価格差を実現するためには、既存製品をローカライズするのでは対応できない。新しい技術などを用いて、ゼロから作り直す必要がある。

インフラにおけるギャップ。先進国の整ったインフラはそれだけで資産。途上国ではエネルギー、交通などの面でハンデがある。例えばGEはインフラの問題を解決するために、持ち運び可能な小型の医療機器を開発した。

サステナビリティにおけるギャップ。先進国と同じような消費をしてしまうと、環境問題が深刻化する。中国で電気自動車や電動バイクが浸透しつつあるように、新興国では次世代環境技術が飛躍の鍵になる可能性がある。

規制におけるギャップ。規制は諸刃の剣だが、イノベーションの浸透に役立つ可能性がある。「Diagnostics For All」は、容易に使える検査薬を開発したが、アメリカ市場の医薬品の規制・ロビイング活動などを嫌い、新興国を対象にマーケットを攻め成功した。

選好におけるギャップ。新興国に限らないことだが、各地域には特有の選好がある。例えばペプシコはインド市場でレンズ豆を使った菓子を開発した。

特にパフォーマンスにおけるギャップの話が面白い。50%の製品を15%の価格で、というのは創造性をかき立てる制約ですね。この手の低コスト化は、新しいテクノロジーによって実現されるケースが多い、とも書かれています。新興国だからといって古い技術を使えば良いというわけではなく、むしろ最先端が求められるわけですね。


リバース・イノベーションを実践するにあたっての具体的な見識が、豊富な事例とともにまとまっている良著です。これは日本のグローバルカンパニーの方々は読んでおくべき感じ。P&G、ペプシコ、GEなどの印象的な事例が紹介されています。

恐らく日本語訳が出ると思いますが、最低でも半年、長ければ1年以上掛かるでしょう。「リバース・イノベーション」というコンセプトをシンプルに解説した一冊ですので、洋書を読める方はぜひ手に取ってみてください。


ウェブの世界でもリバース・イノベーションは重要な観点だと思います。僕は特にアフリカのモバイル事情に注目しています。色々と面白い発展が見られそうです。以前まとめたのでぜひ。

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