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社会的責任(CSR)の名の下に行われる企業の植林活動への違和感

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CSRに対する問題意識。

 

数年前、温暖化問題が強くフォーカスされていたためか、現在CSR(企業の社会的責任)活動と言えば環境保護が主流になっています。

CSRレポートと言わず、「環境レポート」を発行している企業も多いです。端的に言えば、CSR=エコでグリーンな活動、みたいな文脈がある、ということです。

 

社会的責任を果たすためにグリーンな活動をすることは、それ自体は素晴らしいことですが、「とりあえずCSRとして植林やっておけば良い」的な価値観は、もうそろそろナンセンスになりつつあるように感じます。

CSR的な活動が、マーケティングや経営企画といった、より上位のレイヤーに(再)統合される傾向にあるとか。単に植林や地域の清掃を行うフェーズが終わりつつあるのでしょう。

僕の知っている範囲でも、現場のCSR担当者も「結局CSRって何なんだろうね?」という問い直していたりします。これはなかなか面白いですね。

責任遂行から価値創造へ

ではどうすべきか、という点については、既に多くの方々が語っている通り、「本業に関連したCSR活動」は模索すべき方向性の一つでしょう。

 

この分野ではユニクロが進んでおり、グラミン・ユニクロを設立しソーシャルビジネス(社会的な課題をビジネスで解決する手法)を実践していたり、UNHCRと提携してリサイクルした服を世界中に寄贈していたりします。

「服」の製造・販売を行う企業として、社会的な課題の解決に取り組む意思を感じさせる取り組みです。

 

ファーストリテイリングCSRレポートより)

 

市場調査を専門とするインテージは、社会的課題の解決をサポートするために「Social Overview」というレポートを発行しています。これまでに2回分のレポートが提供されていますが、NPO/NGOにとってはマーケティング戦略に関わる重要なデータとなりつつあります。これも「本業に関連したCSR」と言えるでしょう。

 

インテージのような「NPOのサポート」は多くの企業が実施できる「本業に関連したCSR」だと思います。

社内にいる様々な分野のスペシャリストは、NPOにとって超貴重なリソースになります(いわゆる「プロボノ」活動)。

プロボノの推進は、素晴らしいCSR活動の一つだと思います。サービスグラントさんが企業とNPOのプロボノマッチングを事業にしているので、関心がある方はぜひ(NEC、IBMも実践しています)。

 

「NPO支援」より上のレイヤーでは、ユニクロのような「ソーシャルビジネス」、リコーなどが模索する「BOPビジネス」が、これからのCSRの方向性となっていくでしょう。

 

スペンド・シフト ― <希望>をもたらす消費 ―」で描かれているように、不況を受け、消費者の意識は変化しています。


「社会的責任」という名の下にエコでグリーンな活動を続けているだけでは、特に評価もされませんし、「時代遅れでナンセンス」だとすら思われるようになっていくと僕は考えます。

 

企業は素晴らしいリソースを持っています。本業を通じて社会的課題の解決に寄与することは、従業員にとってもモチベーションの維持向上につながります。

植林活動も素晴らしいですが、CSR活動をもう一段階上のレベルにしていくことを、ぜひとも模索して欲しいものです。

最近のCSRに関する議論の中では、マイケル・ポーターが提唱する「CSV」が注目されています。

「CSV」は「Creating Shared Value(共有価値の創造)」の略で、企業単体ではなく、社会全体で共有できる価値を創造していこう、という経営アプローチです。

具体例としては、

・飲料メーカーが水の使用量を削減し、コストと環境負荷を削減
・スーパーチェーンが物流経路を見直し、ガソリンの使用量とコストを削減
・ユニリーバでインドが農村部向けの石けんを販売し、衛生環境を改善し、売上にも寄与(参考

なんてものが「CSV」として挙げられます。(余談ですが、地域社会やコミュニティと恊働で共有価値を生み出すアプローチはあまり事例がありません)

「価値の創造」という言葉は象徴的ですが、CSRに比べて積極的、ポジティブな態度がそこには見られます。

CSRからCSVへ ポーターで考える新しい経営

 

(最後に宣伝、これからのCSRを考えるグループも作っています。オフラインイベントもやってますので、ご興味ある方はぜひ。)

 

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