賛否両論?イケダハヤトが物申す

「糸島シェアハウス」で見た「持続可能な暮らし」

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早速「気が狂うほど新鮮な魚が安い!道の駅「福ふくの里」がすごすぎる」という記事を書きましたが、糸島シェアハウス、本当にすばらしい暮らしをしていました。この感動を共有しなくてはブロガーではない!というわけで、お伝えしてきます。


湧き水で生活する

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(縁側から見た庭。水の音に癒される)


彼らが暮らす集落は、水道が通っておらず「湧き水」を共有して暮らしています。下水道なども整備されていないので、排水のなかには化学的なものが含まれないよう、配慮する必要があります。彼らはシャンプーや洗剤は一般のものではなく、自然に還る素材のものを利用していました。

湧き水は清浄で本当に美味しく、市販の「天然水」を飲むのがバカバカしくなります。もちろん料理も湧き水で調理するので、お米もおいしく炊きあがります。

使い古された表現ですが、一泊二日生活してみて、水を利用するたびに「この水はこの山から来ているのか」という「つながり」を感じることができました。水という根本的なレベルで自然とのつながりを実感できるというのは、都会だとなかなか得難い感覚です。


「一人一芸」で集まる

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(ちはるさんが作ったアクセサリー。羽は彼女がしめた鳥のものです)


糸島シェアハウスは一芸を持った人たちが集まっています。ちはるさんは「メディア発信」と「猟師」、浩一さんは「料理人」「猟師」。その他にも「カメラマン」「着物の着付け」「保育」「音楽家」「農業」「酒造り」などなどの専門性を有した方々が集まっています。なんかRPGみたいですね。

みなさん一芸を持っているので、自分の力で外貨を稼ぐこともできます。田舎に篭っているからスキルレベルが低いかというと、むしろ逆で、「本当にやりたい仕事」「本当に必要な仕事」しかしていないので、かえってレベルは高くなるようにも感じました。現にちはるさんのブログはめっちゃ面白いですからねぇ。

ちなみに今は「大工」を求めているそうです。まだまだ改修が必要な部屋がいくつかあるので、大工スキルを持つ仲間とともに、さらに素敵なシェアハウスにしていきたいとのこと。関心がある大工さんはぜひコンタクトしてみては。


「美味しいものを食べる」に全力を費やす

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(名称不明の野草。塩気と酸味があって美味しい)


彼らのシェアハウスは「食べるのが好き」な人が集まっています。ゆえに、食事には相当なエネルギーを掛けており、語弊を承知で言えば「食べる喜びのために生きている」といっても過言ではない感じです。

たとえば食事の準備にかける手間。ゲストを含む、シェアハウス内にいる人たちが総出で準備をします。ある人は食器を準備し、ある人は炭火をおこし、ある人は魚をさばき、ある人はサラダをつくり、ある人はお米を炊き、ある人は子どもの面倒を見て…。初日の夕食は4〜6人が1時間半!を掛けて料理を作りました。メニューは下記。

・朝獲りタイの煮物
・朝獲りモンゴウイカの炭火焼
・近くに生えていた名前のわからない美味しい野菜
・玄米ごはん
・4種のソースで楽しむチヂミ
・地産地消サラダ
・こんにゃくと野菜の辛み炒め
・料理長おすすめの日本酒4選+ぼくのお土産・多摩の純米酒

料理が完成する頃にはお腹はペコペコ。満を持して全員でいただきます!


翌日のお昼も同様に、じっくり時間を掛けて下記のメニューを用意して、満を持して喰らいました。

・白米
・イサキ、グチ、スズキの刺身
・あら汁
・牡蠣の炭火焼
・プーパッポンカリー
・自然農で育てた野菜のサラダ(譲ってもらったみかん入り)
・(その後、解体したばかりのウリ坊の炭火焼もいただきました)

牡蠣に刺身に、どこの高級料亭だ!という感じですが、前の記事で書いた通り、食材費は安いため、一人あたりにすると500円を余裕で割ってます。彼らは野菜も米も育てており、猟師でもあるので、その気になればリアルに「食費ゼロ」も全然可能です。

ちはるさん曰く「朝起きてごはんの準備してごはん食べて満足して寝たら一日が終わっていることがある」。うーん、たしかに。素敵な暮らし…。


地域のもの、友だちの作ったものを食べる

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彼らの食生活は、見事に地域で完結していました。一部の調味料は流石に外部から調達していますが、野菜・肉・魚などのメインの食材はすべて地元産。

集落には美しい棚田と畑が広がっており、地元の人たちからは「ここの野菜は勝手に採っていっていいからね〜」といわれることもあるとか。

土地の質がいいため、種を撒いてあとは放置という「自然農」でも育てることができるそうです。彼らが種を撒いた「そば」は、ぐんぐんと成長していました。もちろん無農薬。ぜいたくだ…。

彼らの食生活においては、「誰がどのようにして作ったかがわからない」ものはほとんどありません。こういう暮らしは、安全面で見ても魅力的ですね。


時計がリビングにない

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(風情のある古民家に住まわれています)


「時間を忘れて過ごせるように」という配慮から、食事をするリビングには時計がありません。初日は本当に時間を忘れてしまい、6時過ぎに食事をはじめて、酒を呑み、気がついたら11時半になっていて本当に驚きました。


携帯の電波が入らない(Wi-Fiはあり)

彼らの家はたまたま携帯の電波が入らないゾーンに位置しています。ちょっと離れると電波が入るのですが、幸か不幸か、携帯はすべて圏外になります。

Wi-Fiは入っているので仕事面では問題ないのですが、そのWi-fiも時折不安定になります笑 不便といえば不便ですが、ぼくみたいな仕事をしている人間は、創作活動に集中できて良い感じもしました。

仕事面でも、電波が入らない環境というのは幸せに働くヒントなのかな、と思いました。電波が入らない可能性があることを前提にすれば、自然と「すぐに対応しないといけない仕事」からは手を引くことになります。そういう仕事は得てして消耗的ですから、うまく仕事を調整していけば、のんびりと働くことができそうです。


意外と便利。羽田まで3時間

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(終電が0時台!)


さぞかし田舎なんだろうと思うなかれ、糸島はかなり便利な土地です。

まず、博多・天神・福岡空港まで直通の電車が通っています。1時間もあれば都会に出ることができるわけです。飛行機を使えば1.5時間で羽田まで着くので、三時間もあれば東京へ。

近くにコンビニやドラッグストアもあるので、都会的に暮らそうと思えば、普通に東京と大して変わらない生活をすることができます。大企業時代に茨城・那珂に住んでいたのですが、似たような感じですね。


家が開けている

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(ゲストを含め、みんなでごはんの準備)


彼らの家はかなりオープンで、住人の友人を中心にゲストが出入りしています。ワークショップも毎月ペースで開催しているので、田舎にも拘らず、人の出入りは普通の家より全然激しいです。

ぼくが滞在した二日間には、イギリスから来た男性と、観光中のお母さん&1歳の赤ちゃんがいらっしゃいました。赤ちゃん同士、うちの娘と二人で楽しそうに遊んでいたのが見ていて楽しかったです。ゲスト同士の交流が楽しめたのは、嬉しいおまけでした。

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(縁側で遊ぶゲストたちの子ども。うちの娘は左です)


人がいい!

これは糸島シェアハウスにかぎりませんが、滞在中、出会う人出会う人、みなさんいい人ばかりで感動しました。集落を歩いていると、道路を挟んで「どこさからきたん?」と声を掛けてくださり、ニコニコと娘に話しかけて、「またきてなぁ」と送り出してくださいました。帰りの電車でもおばちゃんが飴ちゃんをくださり、娘が喜んでいました。宮崎、佐賀、鹿児島にも仕事で訪れたことがあるのですが、南の方はいい人が多いですねぇ。


海水浴場が車で5分

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(ここが車で5分です)


最後に、じゃじゃーん。ビビりませんか、これ、彼らの家から車で5分の場所に位置する海水浴場です。ぼくは横浜出身で海が好きなので、痺れるほど羨ましくなりました。

見ての通り、白い砂に青い海、完全に観光地です。写真だけ見ると沖縄の海みたいですね。

なお、ちはるさんにとってはここは「漁場」で、滞在二日目、朝起きて真っ先にこの浜辺に行き、打ち上げられたイカやタコを狩りに行きました。あいにく獲物は見つかりませんでしたが、小さなカニとアサリ、海藻をゲットし、お昼のあら汁の具材となりました。風が強い日の翌日なんかは、イカ・タコがよく流れ着いているそうです。


「持続可能」とはこういうことか!

興味と関心柄、「持続可能性」というキーワードには長らく触れていましたが、糸島シェアハウスに滞在して、はじめてこの言葉の意味を肌感覚で知ることができました。彼らの暮らしはまさに「持続可能」で、大きな災害でもないかぎりは、文字通り「揺るぎない」ものでした。

水はあるし、電気も発電できるし、燃料は備蓄すればいいし、野菜も肉も魚もあるし、住まう場所もあるし、何より、気心の知れた仲間が一緒に住んでいる。震災が起きて買い占めが起こって水を飲めなくなった都会とは、安定性という観点からいっても雲泥の差です。

糸島シェアハウスの暮らしは、自分たちの「生存能力」を高める暮らしでもありました。野菜の育て方はもちろん、魚のさばき方、イノシシのさばき方、家の改修の仕方、消費をしないでも楽しく暮らす方法を、自然と学ぶことができます。


とはいえ、こういった暮らしは万人に向いているとは思いません。暮らしというのは人それぞれですからね。ぼくのようなコミュ障&IT好きには、もう少し都会っぽい方がいいなぁ、というのが正直な感想です。月の3/4は糸島で、のこり1/4は東京で、なんてスタイルが理想ですね。

しかしながら、選択をする意味でも、一度こういう暮らしを経験してみることは非常に大切だと思います。実際、経験することで価値観の振れ幅がかなり広くなりました。また、「こういう低コストな暮らしも可能なんだ」ということを知ることは、「東京で稼げなくなったら、田舎で頑張ろう」という精神的なセーフティネットにもなりますね。


田舎暮らしへの憧れが一気に強まった二日間でした。飛騨高山にも誘われているので、年末あたりに見に行こうと思います。早く脱都会を実現したいなぁ。ちはるさん、素敵な旅をありがとうございました。

記事中にも書きましたが、あとは大工スキルを持つ人がほしいとのこと。関心がある方はぜひ見学に行ってみては。



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