賛否両論?イケダハヤトが物申す

元社員が語る、リストラ続きのルネサスとその課題

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Yahoo!トピックスを見ていたら、ルネサスの経営再建が話題になっていました。ここ、ぼくが最初に入社した会社で、この四文字を見かけると体が反応してしまいます。


ルネサスのリストラの歴史

少々複雑な歴史がある「ルネサス」ですが、ぼくは2009年入社で「ルネサステクノロジ」時代に社員として籍を置いていました。入社して早々いきなり合併が決まり、リストラの気配も漂っていたので、11ヶ月で辞めてベンチャー企業に転職してしまいました。

2010年の合併直後には48,000人いた社員。2013年9月末時点で30,000人程度まで減少しています。約40%減というから驚き…。

 また、合併当初が約4万8000人だった従業員数は、2013年6月末時点で約3万2850人まで削減された。2013年9月末の早期退職募集が3千数百人規模であり、工場の閉鎖や売却により約2700人の全員が削減されたとすれば、2015年度末に従業員数は2万7000人程度になる見込みだ。

ビジネスニュース:鶴岡工場の閉鎖を決定したルネサス作田会長、「まだ人・モノが多い」 (1/2) – MONOist(モノイスト)

発足後もまったくの赤字続きで、一度も黒字化していません。

 業績を純損益でみると、さらに厳しい状況が浮かびあがる。2010年4月1日にルネサスが誕生して以降、すべての四半期で純損益は赤字なのである。一度も黒字化したことがない。純損益の累積損失は3,453億円に上る。

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【福田昭のセミコン業界最前線】ルネサスの「明日」が見えない – PC Watch

現「ルネサス」の前身、「ルネサステクノロジ」の発足から遡ると、8年連続の赤字となっています。

同社は2013年3月期連結決算で1676億円の巨額赤字を計上、前身企業から数えると8期連続の赤字に沈んでいる。

ルネサス、“異様な”株主総会から透ける迷走…借金とリストラ繰り返し、再建策示せず(1/2) | ビジネスジャーナル

そんなわけで、まだまだリストラは続くと見られています。

2013年6月にルネサス エレクトロニクスの会長兼CEOに就任した作田久男氏は2013年度(2014年3月期)第1四半期の決算説明会で、「まだ人・モノが多い。大げさに言うと、(ルネサス テクノロジとNECエレクトロニクスの)トータルの売上高が1兆8000億円だったころと比べて、今の売上高レベルで考えれば3分の1くらいまでに減らさなければならない」と、経営再建に向けてさらなるリストラ実施を示唆している。

【福田昭のセミコン業界最前線】ルネサスの「明日」が見えない – PC Watch

また、ルネサスは公的資金も注入され、事実上「国有化」されています。同様に産業革新機構からの支援を受けた半導体企業「エルピーダメモリ」は、2012年に経営破綻していることから、先行きの不透明さが懸念されています。

先日、経営再建中の半導体大手ルネサス エレクトロニクスが臨時株主総会を開いて、1500億円第三者割当増資の決議をした。

出資の3分の2を占めて、筆頭株主になったのは、官民ファンドの「産業革新機構」。要するに、1760億の赤字をダラダラと垂れ流し続けている企業を「国有化」して立て直そうというわけだ。

窪田順生の時事日想:ルネサス国有化に見る、“敗者”を救うと誰にツケがまわるのか? (1/3) – Business Media 誠


元社員目線で語る「ルネサス」

わずか11ヶ月しかおりませんでしたが、ぼくは一応、「ルネサステクノロジ」時代の社員であります。合併後もちょいちょい会社にお邪魔させていただき、社内でSNSに関するセミナーなんかも開催させていただきました。先日たまたま現役社員の方とお会いし、社内の様子もうかがう機会がありました。

そんなぼくから見ても、「ルネサス」はまだまだ課題多き企業であるように思えます。

もっとも厳しいのは、社員の一部にある種の絶望感が漂っていること。ぼくがいた当時も「敗戦」を前にしたような空気が漂っていたのですが、NECエレクトロニクスとの合併によって「なんとかなるのでは」という期待があったようにも感じます。しかし、大規模リストラ、特に相次ぐ工場のリストラによって、そうした期待はすっかり打ち砕かれてしまったように見えます。

よく聞く話ですが、とある社員の方は「優秀な社員であればあるほど、さっさと見切りを付けている」とも漏らしていました。これも一面の真実なのでしょう。


関連して「ビジョンのなさ」は特に大きな課題だと思います。現在のビジョンは次のようなものです。

私たちは、創造力を発揮し、絶え間ない技術革新により、世界中のお客様のニーズに誰よりも早く応えます。そして、信頼されるパートナーとして、持続的に成長する強いグローバル半導体企業を目指します。

企業理念/ビジョン | ルネサス エレクトロニクス

こういうものは、表面的な言葉の意味というより、「社員が意味を共有できているかどうか」が大切です。

ぼくは比較的経営に近い広報部門にいたのですが、合併前の時点でも、社員のなかにこうしたビジョンが浸透しているとは言えませんでした。何を隠そう、ぼく自身が当時の企業理念、ビジョンを覚えておりませんでした。

現役社員の方の話を聞く限りだと、こうしたビジョンの共有度の低さは、合併後も変わっていないようです。それどころか、今はNEC、日立、三菱の三社の社員がごちゃまぜになっているので「ひとつのキー・メッセージのもとに、全員で一丸となって目標を追及する」ということは難しくなっていそうです。


「ビジョン」の持つ力を甘く見る人は多いですが、これは企業の成長力と直結するものだとぼくは感じています。ビジョンが浸透しているということは、スタッフが日々「何のために仕事をしているのか」を自覚できる、ということですから。

これは経験に基づく邪推ですが、ルネサスで働いている人たちは「何のために仕事をしているのか」を理解していないのではないか、と感じます。少なくとも、ぼくが勤めた時代のルネサスは、そう表現しても過言ではない組織でした。無論、ぼく自身も「何のために仕事をしているのか」を理解することはありませんでした。強いていえば「貯金するため」でしたね…。


ルネサスが再生することができるとするのなら、それは「企業としてのビジョン」を取り戻したときだと、ぼくは思います。

「グローバル半導体企業を目指します」というのなら、すべての社員が、そのメッセージを身体化することができる、そういう状態を目指さなくてはなりません。口では「グローバル半導体企業を目指します」と言いながら「グローバル半導体企業なんて夢物語だ」と誰もが思い込んでいるようでは、勝ち目はありません。


かつての同僚、先輩の気分を害するような記事ですが、これは嘘偽りない本音です。もしも関係者の方がいらっしゃったら、ぜひメッセージをください。お話を聞きたいです。


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