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あなたはどこまで誠実ですか?—「ずる 嘘とごまかしの行動経済学」が面白い

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セール中の書籍のご紹介。いやー、これ面白い。ダン・アリエリーの本を読むのは2冊目ですが、この人の切り口は独特ですばらしい。


嘘とごまかしの行動経済学

本書の問題意識は実にクリア。

この仮説を簡単に説明すると、わたしたちの行動は、二つの相反する動機づけによって駆り立てられている。

わたしたちは一方では、自分を正直で立派な人物だと思いたい。鏡に映った自分の姿を見て、自分に満足したい。だがその一方では、ごまかしから利益を得て、できるだけ得をしたい。二つの動機が相容れないのは明らかだ。

では、ごまかしから利益を確実に得ながら、自分を正直ですばらしい人物だと思いつづけるには、いったいどうすればいいのだろう?

ここで、わたしたちの驚くべき「認知的柔軟性」の出番となる。この人間的能力のおかげで、わたしたちはほんのちょっとだけごまかしをする分には、ごまかしから利益を得ながら、自分をすばらしい人物だと思い続けることができるのだ

書中では、様々な実験を通じて、「人間が自然に行う不正」の現実が明らかにされていきます。実に、エキサイティングです。

特に面白い実験・調査をいくつかピックアップ。

・学生たちは試験の前に祖母を亡くすことが多い。マイク・アダムズ教授は数年にわたってデータを収集し、祖母が亡くなる確率が、中間試験の前は10倍、期末試験の前には19倍にも跳ね上がることを示した。おまけに、成績が芳しくない学生の祖母は、そうでない学生に比べて50倍も死亡率が高かった。

・『「x」と「y」を使わずに文章を書く』グループ(非消耗条件)と、『「a」と「n」を使わずに文章を書く』グループ(消耗条件)では、後者の方が不正をする確率が高くなる。意志力を消耗すればするほど、欲求を抑えるのが困難になる。

偽のブランドのサングラスを付けると、不正を行う可能性が高まる。にせものと知りつつそれを身に付けることで、道徳的な抑制力が弱まり、不正の道へ歩を進めやすくなってしまう。

・自分のことを創造性が高いと思っている人は、実験におけるごまかしの量が多くなった。

同じ社会集団に所属する人がごまかしをしている場面を見ると、周囲の人のごまかしは増える(ごまかしは社会的に感染する)。一方、違う社会集団の人の不正を見ると、ごまかしを減らす。

・信用販売のコーヒースペースに、「花の写真」と「じっと見つめる目の写真」を交互に貼る。鋭い目のポスターがある週は、花の写真を貼った週よりも、料金箱に入っている金額が3倍も多かった。

行動経済学の本全般に言えますが、いかに自分が自分をコントロールできないかを、肌身に染みて感じますね。この本を手に取っておくだけで、無意識的な自分の不正に気づくことができるようになるはずです。気づいた上でどう振る舞うかは、みなさん次第…。


本書で特に印象的なのは次のセンテンス。

大勢の善良な人たちは、ビラブルアワー(稼働時間)の端数を切り上げ、保険申請で損害額を多めに請求し、不要な治療を勧めるなどして、あちこちでちょっとずつごまかしをしている。

(中略)はなはだしい不正に注意を払うことはもちろん大切だが、もっと小さくて、もっと広く見られるかたちの不正ーわたしたち全員にほとんどつねに影響をおよぼしている不品行を—害をおよぼす側とおよぼされる側の療法の立場から牽制することの方が、おそらくずっと重要なのだろう。

小さな不正も、ちりも積もれば山となる。うーん、耳が痛い…。少なくとも、自分には嘘を付かないようにして生きていきたいものです。


今週木曜日まで、1,080円引きの810円となっています。古本価格よりだいぶ安いので、買うならお早めにぜひ。

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