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[セール本] 溝口敦「暴力団」—ヤクザ、半グレ、シノギ、刺青…裏社会の入門書

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こういう本は大好きだったりします。著者はヤクザに刺されたこともあるという、歴戦の裏社会ジャーナリスト。暴力団にまつわる様々な知識が一冊に収録されています。読書メモをご共有。


暴力団とは何か

・「暴力団 その団体の構成員(その団体の構成団体の構成員を含む。)が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体をいう」。これが暴力団の定義です。(中略)「暴力団対策法」はほとんど全国の暴力団を、この法に基づいて指定しています。これを「指定暴力団」というのですが、2011年現在、22団体が指定されています。

ところで、人気の映画「男はつらいよ」の寅さんこと、車寅次郎は暴力団の組員なのでしょうか。テキ屋が彼の稼業ですから、今の法律では確かに暴力団に分類されます。それじゃ、あまりにもひどい…と寅さんに同情する読者は多いことでしょう。そうなのです、まじめに街商をやっている人たちを、一律に暴力団とみなして祭礼の境内などから追い払えば、お祭りだって楽しくなくなってしまう、という声はとても多く、地域によっては警察も見て見ぬ振りをしているのです。

新宿・歌舞伎町には最盛期、色々な暴力団の組事務所が200以上あるといわれていました。「今は100カ所程度に減っている」と、現役の暴力団幹部はいいますが、それでも異常多さです。歌舞伎町には1丁目と2丁目しかなく、その街区を区役所通りが横割りしているだけですから、せいぜい4ブロックからなる街です。

・暴力団のシノギにはどのようなものがあるのでしょうか。まず警察は暴力団の伝統的資金獲得犯罪として、覚せい剤、恐喝、賭博、ノミ行為の四つを挙げています。

・暴力団の処分で一番重いのが「絶縁」です。「絶縁」になると、「永久に組に復帰できない」というのが原則です。一方、「破門」は一定の年月が過ぎると、組に戻れる可能性があります。こうした処分は、ハガキなどに印刷され、交際のある他の暴力団に送られます。

・暴力団が手がける賭博のうち、一番効率がよさそうなのは闇カジノの経営です。

・「闇カジノは夜八時オープンで、翌朝五時ごろまで営業する。この間に動くカネだが、流行ってる店では一晩一億円を超すことも珍しくない。(中略)動くカネの5%がテラ銭として店に入る仕掛けだから、一店がわずか一晩で500万円を上げる」

・なぜ暴力団の組員になるのか、という理由ですが、組員の「格好よさにあこがれて」が49%を占めます。(中略)次に「享楽的な生活ができるから」が23%、「特に目的はない」が22%、「自分のような者でも認めてくれるから」が20%、「当面の生活の維持のため」が20%、「義理・人情の世界にあこがれて」が16%などと続きます。

・組員は組の名前を使ってもいいという許しの下、飽くまでも自分の才覚と努力でシノギを行います。同僚と一緒に動く場合もありますが、基本は自営なのです。ある面、全国展開するフランチャイズのコンビニチェーンに加盟する店舗のオーナーに似ているともいえます。

・断指は江戸時代、遊女が行ったことに発しているそうです。客に自分の愛情と誠意を示すため、腕に「誰それ命」と刺青する、自分の生爪をはがして客に渡す、といった一連の行為のなかで、最大のものが断指だったそうです。そのため「親の譲りの五本の指を 四本半には だれがした」という情歌もあったそうです。

マフィアなど外国の組織犯罪集団と日本の暴力団とは、どこがどういう風に違うのでしょうか。一番の相違点は、日本の暴力団はかつて社会から半ば認められた歴史を持ち、そのためもあってか、存在を隠そうとしませんが、外国の組織犯罪集団はおおよそ正体を隠し、匿名的に秘密裏に活動している、といえるかもしれません。

・暴力団に詳しい三井義広弁護士はこう言っています。「犯罪を専門とする組織が日本で法的に許容されていること自体がおかしい。壊滅、壊滅と50年近く言い立てながら、いっこうに壊滅しないことのおかしさにいい加減気づいてもいいんじゃないですか」。暴力団という組織犯罪集団の存在を認める法律をもっているのは、世界のなかで日本だけなのです。

・暴力団と芸能人の交際は双方にメリットもあり、後を絶ちません。たとえば、ディナーショーのチケットが売れ残ったとして、短時間で裁けるのは暴力団です。プロダクションや芸能人は空席で残るよりよいと、捨て値でチケットを暴力団におろします。暴力団は日頃付き合いのある地場の会社社長や商店主に半ば押しつけ販売して儲けます。

うーん、一から十まで知らない世界!こういう本にはなかなか出会えません。ある意味と負い世界の話題ですが、うまく興味を抱きつづけられるよう構成されていて、惹きつけられる一冊です。世界を知る一冊としておすすめ。

何気にレビューがかなり良い評価。この手の本で43件も付くのはすごいなぁ。

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