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共感は気持ちいいが、得るものは少ない

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これはてんこ盛りかつ刺激的なビジネス書!2005年と古めの本ですが、今でも新鮮です。特に読書について述べた箇所が面白かったのでご紹介。

 

共感は気持ちいいが、得るものは少ない

よく、本を読みながら線を引いている人がいます。”ああ、そうだな”と、自分も同感に思うからでしょう。

しかし、それは単に自分が同感する箇所をなぞって安心感を得るだけで、何のヒントにもなりません。同感するのは自分にも潜在的に同じような考え方があるということです。

同感して気持ちはいいでしょうが、自分もすでにその考え方に達しているわけですから、得るものは少ない。線を引くなら、自分の理解とは異なる反対の意見のところに引くべきで、これは価値があります。

これはかなり共感。ぼくは速読で本を読む人間ですので、共感する部分はサクッと流して、「ん?」と違和感を覚えるところを中心に読むようにしています。頭を働かせる必要がないですからね。

 

「同感して気持ちはいいでしょうが、得るものは少ない」というのはいかにもソーシャルメディア的で面白いですね。

ぼく自身も、「いいね!」されても、ブログのアクセスが増える以上の嬉しさは感じません。むしろ最近はなるべく「いいね!」されないことに喜びを感じるという、マゾヒズムの極地にたどり着いております。「いいね!」を集めるということは、読者の理解を超えることができていないとうことですからね。

 

発信するときも、受信するときも、安易に「いいね!」に気持ちよさを感じてはいけません。同感・共感というのは、心身が弱っているとき飲む薬のようなものです。毎日常用すると、弱っちい人間になってしまいます。健康なときは、むしろ好んで「よくないね!」と思えるものに触れるべきです。

 

ぼくは書き手として、つねに「大多数の読者には共感されない独自の洞察」を書こうと努力しています。このブログを読んでいるみなさんには、ぼくとみなさんの価値観の間のギャップ、摩擦を楽しんでもらいたいな、とも思っています。ヒーリングのような文章も書こうと思えば書けますが、なんか嘘っぽくていけないんですよね。

 

共感されるのは二流の証

ぼくのブログの方針は「共感されないようなことを書く」というものです。これは逆説的に響くかもしれませんが、本気でそう考えています。

 

「共感が大切だ」という言葉はマーケティングにおいてもよく語られますが、本当にそうでしょうか。「共感”しか”されない」ようなブランドは、二流だと思うのですが。

 

ぼくは、せっかく仕事をするわけですから、この世の中に「新しい価値」を生み出したいと考えています。すでに先人たちが提供してきた「古い価値」を、いまさらぼくが提供するのは、なんだかワクワクしません。そういうことは、まだ生きている先人たちがやればいい話ですし。

「新しい価値」とは、どういう価値のことでしょうか。ぼくは「同時代に生きる人が、今すぐには理解できない価値」だと考えています

「新しい」ということは、「わからない」という概念と結びついています。完全に理解できるものを、人は「新しい」とは考えません。「なんだかよく分からない、見たことがない気がするもの」について、人は「新しさ」を感じ取ります。

 

たとえば「ふなっしー」は、なんだかよく分からないがゆえに、新しい存在です。それ以外のゆるキャラは、「どこかで見たことがある」から、いまいちなんだと考えられます。

だとしたら、本当に新しいものとは、同時代の人からはほとんど共感されないものであるはずです。歴史を振り返れば、偉大なアーティストたちの作品は、たしかに同時代に生きた人たちからは排斥されています。ぼくが大好きなマーラーなんかは、めっちゃ同業者から叩かれていたそうです。今では神扱いだというのに。

Mahler caricature 2 (マーラーは当時、こんな感じでバカにされていたらしいです。)

マーラーが生きていた当時にFacebookがあったら、彼の作品には「いいね!」がほとんど付かなかったはずです。「これはないwww」「これクラシックなの?」「ベートーベン以来の伝統を侮辱してる」なんて罵詈雑言が、はてブあたりで付いていたことでしょう。

 

あなたがクリエイターだとして、頑張っても共感されるコンテンツ「しか」提供できないとしたら、間違いなく二流です。これは批判というよりは、事実です。だって、新しい価値を残せていないわけですから。それが良いか悪いかはさておき、そういうクリエイターの作品は、歴史には残らないでしょう。

もっと言いましょう。「いいね!」を集めて喜んでいるうちは、二流です。いいね!されるたびに、悔しがるべきです。まだまだあなたが「理解されうる存在」にしかなれていない、ということですから。

 

もちろん、オオカミ少年を演じて、「あえて」いいね!されないコンテンツを作るのはズレています。そうではなく、自然に振る舞い、考えた結果、同時代の人からいいね!されないものが、いつの間にかできあがっている、という順番です。

今年のぼくのコンテンツでいえば「「10年に1度の台風」のなか、社員に出社させる会社は「ブラック企業」だ」が、そんなコンテンツだと言えるかもしれません。かなりいいね!されちゃってますが、多くの方から批判も受けています。あのグロービス・堀社長も拾ってくださいました。

ぼくは本気で「「10年に1度の台風」のなか、社員に出社させる会社は「ブラック企業」だ」と思っています。20年後には、この「新しい価値観」はスタンダードになっているでしょう。こういうコンテンツを作りつづけられる人が、一流のクリエイターだとぼくは思うのです。

 

というわけで、「自分を偽ることはしない」という制約のなかで、2014年はもっともっと「いいね!されないコンテンツ」を生産していこうと思います。本年もご愛読いただけると嬉しいです。

 

★この記事を読んだ人にはこんな本がおすすめ。

セブンイレブン会長の鈴木氏のユニークな発言がまとまった一冊。「入社しても会社に慣れてはいけない」「ものわかりのよい上司を演じても業績には結びつかない」「ケガが予想されて飛び降りるのは挑戦とはいわない」など、金言がたっぷり収録されています。この内容で古本1円はお買い得です。

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