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「シャシンじゃなくてシャブだね」—天才写真家・荒木経惟、名言まとめ

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「天才」アラーキーの創作哲学を引き出したインタビュー本。聞き手の飯沢耕太郎氏の才覚にも感動します。読書メモをご共有。


「天才」アラーキーのつくりかた

・新聞だってもちろん「朝日新聞」じゃなくて「読売」だよ。で、スポーツ新聞は「報知」でしょ。でも、貧乏でそういう考え方のくせに、小学校の頃からオヤジがもう一つ新聞をとってくれたの。「サン写真新聞」ていうニュース写真が中心の新聞で、「いろいろな写真が載ってるから、これ見てればいい」って言って。だから、オレが最初に写真集っていうか印刷された写真を見たっていうのは「このサン写真新聞」だね。オレの写真の先生だよ。

・情事って言ったら変だけど、セックスが絡むっていうか、セックスのときの写真はみんないいね。やりながらとかいろいろあるけど、やったあとのは特にいい。よく言うじゃない、その界隈の写真はいい、隠しても匂いがするって。

好きなものは影響を受けるし、受けたほうがいいんですよ。それで無意識にどこか自分の写真が似たとしても、真似じゃないんだから、栄養くれてるんだからいいんだ。好きな者は絶対似ちゃうっていうか、しょうがないんだよ。ともかくそれに引っ張っていかれちゃうんだね。ここは研究してこうやって撮ろうとかいうんじゃなくて、見てるあいだにインプットされてるわけだよ。それで、どんどんどんどん撮っているときに、ふと何か無意識のうちに、写真にわっと出ちゃう。「何だこれ、野島か?」とか驚いて、自分でも「おっ」となっちゃうんだよ。

要するに表現だろうが何だろうがみんなひとまわりして終わりになるんだよ。それで、そこからまた新しいものがはじまるんだから。だから、終わりは終わりじゃなくてまたはじまりのための終わりみたいなものだね。

・オレは「センチメンタルになれ」とか「ノスタルジーだ」とか、わざと言うんだ。体温だとか汗だとか。特に時代がどんどん乾かしていってるから。

・ぎんぎんの興味だね、25ミリで10センチまで近づいたら、もう一つの宇宙になるわけ。先入観で考えると、普通に女陰が見えると思っているでしょ。ところがね、実際に近づいてみるとそう見えるよ。そうやっているうちに、こんなときの表情がどうだとかこうだとかいう、いろんなことを気にしなくさせてくれるわけ。その世界に酔えるっていうか、入り込める、旅できるわけだよ。

そう、女陰世界なんだ。だからいつも濡れてるから、オレの写真からは情が消えないんだよ。かーっ、面白いなって、ヌードっていうのはここだと思ったのが、このときだったの。本当に面白いって思ったんだから。きれいとかきたないとかじゃないなんかなんだよ。きれいだとかきたないとかエロチックだとかそういうことを超越しちゃうんだ。そうじゃないなんかなんだよ。

・普通はきれいきたないで撮るよ。でも、もっと写真は、何つうんだろうね。写真はだから、生であり死でありっていうところなんだよ。たぶんそれが人生なんですよ。そういうような言い方しかできないんだ。言葉を超えて、うむを言わさず来るもんなんだよね。超えちゃうっていうか、その先をうながすっていうか。だから、答を見つけるには、やっぱり撮るしかないよね。それを見つけるには、もうともかくがんがん撮る。

アートねえ。それはね、女のコに淫らなポーズをさせるとき、「アートだからね」って言い訳に使うもの。そのぐらいのことにしか、アートって思ってないもん。

芸術だからとか、最初に定義しちゃうのはダメなんだ、間違ってる。芸術をやろうって思ってやるんじゃなくて、何だか知らないけど、無意識に何か出ちゃってハッと気付かされるものなんだよ。

・考えてみると、写真っていうメディアはそこまでいかせない抑制のメディアでもあるんだよ。要するに絵とか音楽とかにはなんかあるでしょ、突き詰めちゃって気が狂う奴もいるけど、写真家で気が狂ったやつはいないからね。文学やってて、すごく小さな中でピュアに徹底的に考えちゃった奴は自殺しちゃったりするんですよ。でも、写真は、シャッター音が皮に落ちるのを止めてくれる。心中を止めるんだよ。

・結局オレは何か自分との関係性を濃厚に出すのが好きなだけだということなんだけど。オレはオマージュをしますよ。私性をなくしちゃ写真じゃないんだよ。

・やっぱりみんな写真と人生は別ものってクールにしてるんじゃない。オレの場合は、写真即人生、写真即生活ってなってるじゃない。みんな写真は写真、人生は人生ってなってるよ、そんな気がする。

・シャシンじゃなくてシャブだね。元気でちゃうんだよ。覚醒するんですよ。シャッター押すと。

「女陰世界」というインパクト大な言葉が刺さります笑 まっすぐで、正直な写真家であることが伝わってきます。

ぼくはライターですが、「シャシンじゃなくてシャブだね」というあたりはけっこう共感。PCの前に座って手を動かし始めると元気でちゃいます。



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