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ネット中傷で悩んでいる人は「善人ほど悪い奴はいない」を読むべし。

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ほのかに嫌い合おう。中島義道「ひとを<嫌う>ということ」が名著すぎる」というレビューを書きましたが、こちらも同じく中島先生。超おすすめですので、お安いうちにぜひ(2016年10月7日まで半額)

弱者とはなにか

本書のテーマは「弱者」。ニーチェの議論を引きながら、一般的なイメージとは違う「弱者」の真の姿を、ほとんど冷酷なまでに記述していきます。

弱者とは、自分が弱いことを骨の髄まで自覚しているが、それに自責の念を覚えるのでもなく、むしろ自分が弱いことを全身で「正当化」する人のことである。

これは、オルテガの「大衆」の定義にほぼ一致する。

大衆とは、よい意味でも悪い意味でも、自分自身に特殊な価値を認めようとはせず、自分が「全ての人」と同じであると感じ、そのことに苦痛を覚えるどころか、他の人々と同一であると感ずることに喜びを見いだしている全ての人のことである。

いきなり中島節が全開です。やや難解に聞こえますが、ようするに「己の弱さに開き直り、同じような集団のなかで甘えて生きて死んでいく人々」みたいな感じでしょうかね。

弱者=善人

そして、さらに核心「善人=弱者」は、悪いやつだ、というロジックを紡ぎ出していきます。

自分は弱い「けれど」正しいのではない。自分は弱いが「ゆえに」正しいのだ!

すなわち、自分はそのいずれも自分自身に責任を帰することができない膨大な欠陥を負わされている犠牲者である。自分は理不尽に苦しみを背負っている被害者であるゆえに「正しい」のだ。

そして、生まれつきの資質に恵まれたもの、結果として報われた者は、その苦しみを背負っていないがゆえに「正しくない」のだ。

自分の弱さを振りかざすような人って、いますよね。

ぼくも「ずる賢くお金を儲けているあなたなんかに、弱者である私の気持ちはわからない。世の中にはダメな人間がいっぱいいるんだ」とか言われたりします。

いやまぁ、そりゃ気持ちはわかりませんが、なんで上から目線なんでしょ……偉いの?

弱者は悪いことをしない

まだまだいきます。弱者はなぜ善人か。それは「弱すぎて、悪人になれない」からです。

善良な弱者は社会の裁きを絶対的に恐れ、その裏返しとして裁かれた者を絶対的に侮蔑し排除する。

彼らは社会制度に対して疑うということがまるでない。いや、そうではない。いったん自分が制度の被害者になれば「制度の不備」を鉦や太鼓で喚き立てる。

(中略)善良な弱者が犯罪に手を染めないのは、彼らの良心が痛むからではない。彼らは間違ってそう思い込んでいるが、彼らには厳密な意味で良心などない。

良心とは、社会的掟と自分自身の抱く信念とのあいだがずれるときに鮮明化するが、彼(女)にはこうしたズレは金輪際生じないからである。

(中略)「善人たちはすべて弱い。悪人たりうるほど強くないゆえに、彼らは善人なのである」と、ラトゥーカ族の酋長コモロはベーカーに言った(ニーチェ「権力への意志」)

一見すると危険性を孕む論理ではありますが、これもまた真実。

ブログの世界でも「堂々と他人を名指しで批判するのはダメ」という議論がありますが、そう語る人のなかには「弱さ」があるんですよ。弱いからケンカが怖い。弱いから穏便に済ませようとする。

違うでしょう。ときには、他人を傷つけても、法を破っても、それでもなお語らなければいけないときがあるのです。

あ、もちろん、匿名で他人を批判するような態度は、弱者のそれですよ。「堂々と悪いことができない」から、匿名で誹謗中傷するわけです。強い人は、堂々と悪人になれるのです。

「くそ真面目な精神」

これもズバズバきますw

こういう人間をサルトルは「くそ真面目な精神(esprit de serieux)」と呼んでいる。ほぼニーチェの言う「善人=畜群」に当たるであろう。彼(女)は、「根源的自由」から目を背け続け、常に決まり通りの生活をしようと心がけている。

今日もまた会社に行くのは、会社に行くべきだからだ、今日もまた仕事が虚しくならないのは、自分の仕事は虚しいはずがないからだ。今日もまた家に帰るのは、家に帰るべきだからだ。

(中略)「くそ真面目な精神」は自分自身に向かって「なぜ今日も会社に行くのか?なぜ今日も家に帰るのか?」と問うことをやめた人である。

なぜ、彼(女)は問わないのか?勇気がないからである。問うてしまうと、自分が崩れるかもしれないから、そうすると社会で生きていけないかもしれないから、とにかくそっちの方向に滑っていかないように「気を逸らせること」が肝心なのだ。

疑問があるなら、それに向き合うべき。でも、弱い人はそれができない。そして、無気力に毎日を過ごし、「ボーナス」や土日のレジャーで自分をごまかす。いずれ、ほんとうにすべきことを問うことすら忘れ、緩慢と死んでいくわけですな。

強者と「平等」

こちらもとても重要。

自分の正しさを主張して譲らないよりは、自分に不正を帰するほうが高貴である。自分が正しい場合にはとりわけそうだ。ただ、そうするに足るだけ豊かでなくてはならない。(「ツァラトゥストラ」)

(中略)強者はもともと「強い」のだから平等を求めない。自分が不当に非難される位置にいても、不当に損を被る位置にいても、不当に報われない位置にいても、それをあえて引き受けるのだ。

(中略)自分は強者だから、より大きな責任を負うべきだと堅く信じ、より理不尽な仕打ちを受けるべきだと思っている。その場合、「正義」や「平等」の名の下に自分を救おうとすることは、弱者と同じ基準を自分にあてがうことであり、それは恥なのである。

目からウロコが落ちますね。

正義・平等というのは弱者が求めるもの。強者は不正や不平等を受け入れ、そしてそれを自分の責任であるかのように捉えていく。そういう態度を持てる人は、まさにニーチェのいう「超人」なんでしょうね。


骨太な哲学を扱った本ですが、読みやすさも持ち合わせたすばらしい一冊です。ネットで批判を受けている人なんかにぜひ読んでもらいたい内容ですね〜。


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