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(本)原研哉「日本のデザイン—美意識がつくる未来」

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日本を代表するデザイナー、原さんの本を読んだので読書メモをご共有。


本書は「図書」に連載された記事のまとめになっています。


美意識という資源

日本では「繊細」「丁寧」「緻密」「簡潔」と言葉に表せるような、美意識・価値観がある。ものづくりに必要な資源とはまさにこの「美意識」だと考える。

・日本には天然資源がない。この国を繁栄させてきた資源は別のところにある。それは知恵であり感性。

移動の未来

・エンジンからモーターへ、ガソリンから電気へと替わることで車の本質ははっきりと替わっていく。

・ガソリンエンジンは「あらぶるマシン」であり「行く」という能動性を謳歌するものであった。電気自動車はむしろ「スムーズに移動する」という、合理性への希求と関連している。「ドライブ」から「モバイル」へのシフト。

・「モバイル」は人間の強い所有欲や憧れの対象にはならない。巨大かつ無意識的に希求される存在になっていくだろう。

クルマのコミュニケーション性、居住性や娯楽性が高まれば、家を持たず、自然の中で暮らし、仕事までクルマの中で行う人も出てくるかもしれない。法整備も必要になってくるだろう。

「JAPAN CAR 飽和した世界のためのデザイン」という展覧会の話を織り交ぜて書かれた、クルマの未来についての考察も非常に面白いです。


柳宗理の薬缶とシンプル

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・デザインとはスタイリングだけではない。デザインとは生み出すだけの思想ではなく、ものを介して暮らしや環境の本質を考える死活の思想でもある。したがって、作ると同様に、気付くということのなかにもデザインの本意がある。

・シンプルという言葉は150年前に生まれたと考えられる。複雑であることは、権力を示した。中国の王朝、イスラム、インド、フランスなどの文化圏では、装飾された人工物は権力の象徴だった。

・中央集権が崩れ、物は力の表彰である必要がなくなった。そして「シンプル」という概念が生まれた。


シンプルとエンプティ

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(同仁斎)

・日本文化の美意識にある「簡素さ」は、シンプルと同じ道筋ではない。日本には同仁斎や長次郎の楽茶碗など、数百年前にシンプルと呼びたくなる簡潔な造形が随所に発見できる。

・簡素を旨とする美意識の系譜は世界でも珍しい。世界は力の表彰のせめぎ合いで複雑さに輝いてきた。

・十年を超える戦乱であった応仁の乱で、美に耽溺した足利義政は、多数の文化財を失った。日本文化が一度完全にリセットされるほどのダメージだった。

・義政は東山御殿を応仁の乱の直後に作った。そこで作られたものは、決して豪華ではない、数学の定理のような美しさを持つ建造物だった。応仁の乱ののち、美学の止揚・革命が起こった。

この「シンプル」と「エンプティネス」に関する考察も新鮮。応仁の乱で日本文化がリセットされ、そこから美意識に変化が起きたという話はなんだか象徴的。


デザインの感覚は、これからのビジネスパーソンにあまねく求められていくと僕は考えています。美意識を磨いていきましょう。


原研哉さんは、こちらの本がとても有名。デザインの歴史などを学べる一冊。未読なのでポチりました。

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