これはすごいマンガです。
マンガ通向けの、圧倒的な世界観。
大学非常勤講師の瓦屋千蔭(26)は、
この日、突如、頭上から落ちてきた看板の下敷きになり
潰れなければならない。
そんな血まみれの彼女を
己の唾液のみで治癒したのは、
地上と地獄を行き来する呪術師・クレイシハラ。
彼との出会いを機に、
千蔭は地獄の世界へと誘われる―…。
“呪い”という縁に導かれた、歪な愛の物語。
タイトルと表紙から「変」な感じが漂ってますが、ページをめくると確信に変わります。
「この漫画は変だ!!」
冒頭、3ページだけ引用させていただきます。
主人公のクレイシハラは「呪術師」。ものすごい術で、自由自在に変身します。
でも、地上では「カスみたいな呪術しか」使えないので、無職です。
なんだこのページw のっけから異常な破壊力!まだ22ページ目でこれ!
……と、ここだけ見ると「新感覚ギャグ漫画」という感じですが、それだけに留まらない、思索的、哲学的、ミステリアスな要素があるんです。
読んだことがある方しかわからないのですが「ドロヘドロ」の読後感と似ていますかね。ユーモアとグロと謎が同居しているあの感じ。
ストーリーが魅力的なのはもちろん、世界観が異様で、それでいてキャラクターがとにかく立ちまくってるので、意味不明ながらもグイグイ読ませます。スルメのように何度でも味わえる作品。
変な漫画、世界観が強烈なマンガが好きな方は、騙されたと思って読んでみるべし。久しぶりにツボでした。
レビューも好評!
Amazonでも評価高いですね!
哲学的観点からみた「呪術」と、本物の「呪術」が同時並行して織り成されるストーリー。絵は繊細な美しさで、登場するキャラクターは個性的で魅力的で、ギャグシーンも面白く、とても引き込まれます。
が、グロテスクです。血がデロデロ出ますし、怪物も出ます。
そのようなものに耐性がある方は、是非読んでください。きっと好きになります。
この先のサブカル漫画業界を背負ってゆきそうな勢い。
一般的に面白いとされる漫画が好きであったら、
まず星を5つもつけない。
けれど、きわもの好きとして星5つ。
そういうわけで普通の漫画がお好きな方はこのレビューを当てにしないでほしい。
元々少年漫画みたいな、○○王に俺はなる!(ドン! みたいなのが生理的に受け付けられないので、ほとんど読める漫画が最近ない。
本当に読みたいのは絵が美しくて不思議で繊細な世界観でエログロホラーで、アングラで、そんな漫画に出会いたいと心から願ってたんですけど、まさしく自分が出会いたい漫画でした。
ツイッターも面白い。
ちなみに著者の江野スミ氏は、ネットでも人気のクリエイター。ツイッターマンガ、クオリティ高い!w
衣服に神経がある人 pic.twitter.com/5W55Fhk9Fj
— 江野スミ@たびしカワラん③発売中 (@shiro_saijo) 2015年11月2日
「たびしカワラん!!」はコンパクトに4巻完結(最終巻は2016年12月発売)。
この作品自体はマニアックな作風なので一般受けはしなそうですが、今後はもっと広く受ける内容で描かれているのかもしれませんね。
江野スミ氏、同時代に生きていることが一方的に誇りに思えるようなマンガ家です。ネットマンガ中心で花開いたクリエイターという観点からも、注目すべき存在です。ぜひ。
こちらも同じく江野スミ氏。ポチりました。