未分類

ウイルスは生命なのか?疑問を解く一冊「ウイルスは生きている」読書メモ。

スポンサーリンク

これ素晴らしい本なので、サクッと読書メモを残しておきます。

ウイルスは生命か?

私たちのDNAの中には、ウイルスのような遺伝子配列が多数保存されており、生命活動で重要な役割を果たしている。

極言すれば、我々の体の中にウイルスがいるから、我々は哺乳動物の「ヒト」として存在している。

果たしてウイルスとは何者なのか? 生物の進化に大きな役割を果たしたウイルスは「ただの物質」なのか?それともやはりある種の「生命体」と見なすべきなのか?

一気読み必死のサイエンスミステリー

「ウイルスは生命ではない」という理解が一般的ですが、本書はタイトルの通り「ウイルスは生きている」という立場から書かれています。科学的な知識がなくても楽しめるエキサイティングな書物で、幅広い読者におすすめできます。

というわけで、気になった部分をメモしていきます。

エボラウイルスはヒトに感染した場合には、致死率が50~80%にも上るという恐怖の殺人ウイルスであるが、興味深い事に、天然の宿主であるコウモリの中では、特に目立った病気を起こさない。

類を恐怖のどん底に突き落としたあの「スペイン風邪」の毒性も、実はパンデミックの発生から数年で大きく低下したことが報告されている。現在ヒトに感染するH1N1型のインフルエンザは、前述したように当時の子孫ウイルスであるが、今はその型のインフルエンザが流行することがあっても、スペイン風邪のような惨劇は起こらない。

ウイルスを特徴づける構造として、どんな教科書にも、ウイルス核酸がそれを保護するタンパク質からなるキャプシドに包まれている、と説明されている。

(略)しかし近年、驚くべきことにこのキャプシドを持たないウイルスという存在が認められるようになってきている

近年になって、いくつかのポリドナウイルス系統において、ウイルス粒子に含まれるこれら多数のDNAの全塩基配列が決定されたが、そこには奇妙な特徴が見られた。

それはウイルスであれば当然持っていると考えられる自己複製のための複製酵素やウイルス粒子を作るキャプシドタンパク質などの遺伝子がどこにも見当たらないのだ。

前項でポリドナウイルスは感染した寄主細胞内で増殖しないと書いたが、それもしかるべしである。増殖しようにも、それをするための遺伝情報がウイルス粒子の中に含まれていなかったのである。

(略)ウイルスDNAには含まれていなかったウイルス増殖に必須なRNAポリメラーゼ、キャプシドやエンベロープ略タンパク質等の遺伝子は、なんと寄生バチのゲノムDNAにコードされており、ポリドナウイルスはそこから供給されるタンパク質により寄生バチ細胞で増殖していたのだ

このようなヘルペスウイルスであるが、2007年の『ネイチャー』に、潜在感染しているヘルペスウイルス(マウスガンマヘルペスウイルス68、マウスサイトメガロウイルス)の影響で、病原細菌であるリステリア菌やペスト菌の感染に対してマウスが強くなっていることが報告された。

これらのウイルスの潜伏感染により免疫を活性化する作用のあるインターフェロン生産が増え、マクロファージが全身にわたって活性化されるなど、自然免疫が高まった状態となっていたのだ。ヘルペスウイルスの潜在感染が天然のワクチンのように働いていたと考えることも出来る。

潜在感染しているウイルスや内在性レトロウイルス等が、実は天然ワクチンのような働きをしていたという例は、ヘルペスウイルスに限らず、他にも例が知られている。

驚くべき論文が近年、日米欧の研究チームから次々と発表された。それは例えば3000mを越すような深海の底の、その下さらに数百メートルの地下に、とてつもない数の細菌がおり、それらの大部分が地球表層に棲むタイプとは異なる非常に小さな古細菌であったというような話だ

(略)これら古細菌の大部分はエネルギー源が極端に乏しい状態に適応しており、ナマケモノがゆっくり動くように、これらの細菌も極めてゆっくりと生命活動を行っていると考えられている。これらの菌は実験室ではほとんど代謝活性がないように見え、数百年、あるいは数千年に一回程度しか細胞分裂をしないのではないかと推定された

進化を生み出す基本的な原理(ロジック)は不変であり、それが脈々と続く生命の本質ではないかと思うのである。

生命の本質を、この「生命の鼓動」による進化と考えるならば、ウイルスは当然、生命の一員ということになるが、それを受け入れることが出来る読者も出来ない読者もおられることだろう。

これはこういう問題に集約されるかも知れない。

たとえばこれから10億年後に、現在のウイルスを起源とする「細胞性生物」が誕生することがあるのだろうか?という命題である。

もし、ウイルスと生物の間に連続性があるのなら、そういった進化が起こっても決して不思議ではない。

本当に驚きだったのは、パンドラウイルスが保有していたその遺伝子群の構成であった。パンドラウイルスはそれまでに見つかっていた巨大ウイルス群が共通して持つ、DNA複製酵素、RNA合成酵素やヘリカーゼ等の遺伝子も保有していたが、2556個もある遺伝子のうち2370個、なんとその93%にも及ぶ遺伝子が、これまでに知られているどんな生物の遺伝子とも有意な類似性がなかったと報告された

(略)2013年において、保有する遺伝子の93%もの部分が、何の生物とも似ていないような「エイリアン」が存在するとは、一体、どう考えたら良いのだろうか。

2003年のミミウイルスに始まる巨大ウイルスたちの発見は、ウイルスは生物か、という科学上の論争を再び巻き起こした。

特に第二の巨大ウイルスであるママウイルスが発見された直後の2008年には、発見者らによって生物界を「キャプシドを持つ生物」と「リボソームを持つ生物」に二分すべきという提案が『ネイチャー』の姉妹誌に発表された。

事実上、ウイルスを生物にしようという呼びかけである。それがきっかけとなりウイルスを生物とは見なせないという論者とウイルスを生物と考えるべきだという論者が、2009年の同じ『ネイチャー』姉妹誌上で激突することになる。

ここまで論じてきたことの繰り返しになる感は否めないが、その論点の主なものを紹介すると、反対論者の主な主張は、

①ウイルスはエネルギー生産といった生命活動に必須の代謝を行わない、

②ウイルスは進化するが、それは細胞から独立しては起こらない、

③ウイルスには共通した祖先がなく、全体が系統的に進化しているのか疑問である、

④ウイルスは、細胞内のプラスミドや転移因子などのただの「分子」と明確な境界がない、

⑤巨大ウイルスは一部の代謝系遺伝子を保有しているが、それらは細胞性生物から〝盗まれた〟ものに過ぎない、といったものであった。
 

一方、賛成論者は、

①ウイルスを非生命とするのは古典的な生命観に縛られており、新しい知見を入れて、これからの生命観を作り出そうという姿勢に欠けている、

②他の細胞の助けがなければ、自己複製できない生物や細胞は多数知られており、ウイルスだけを除外する理由はない、

③ウイルス粒子は、細菌の芽胞や卵子のようなものであり〝環境〟が与えられれば、生命活動を行う「生物」と考えることが出来る、

④巨大ウイルスの遺伝子が、細胞性生物から〝盗まれた〟とするのは誤りであり、そのほとんどが細胞性生物の持つ遺伝子と類似性がない、

⑤ウイルスを一まとめにして議論するのではなく、ミミウイルスのような巨大ウイルスは、通常のウイルスから分けて〝girus〟という新しい生物群とすることが提案できる、

⑥単純なウイルスから巨大ウイルスまで、共通して保有する遺伝子群があり、ウイルスも系統的に進化してきた可能性がある、

といった反論を挙げた。

ウイルスは「進化のロジック」を内包した装置を保有しており、様々に変化し得る存在である。すでに遺伝子と膜構造があるのだから、そういった「ウイルスが細胞膜を持つ」方向への進化が今後起こっていく可能性も、決して絵空事とは言えないだろう。10億年後はおろか、1億年後には本当にウイルスに起源を持つ〝細胞性〟生物が誕生しているかも知れないのだ。

2006年のサイエンス誌に、ヒトの腸内に生息する細菌の詳細な解析結果が報告され、そこには10兆から100兆個もの細菌が存在することが明らかになった。

それらの腸内細菌が持つ遺伝子の数は、ヒトゲノムにある遺伝子数の少なくとも100倍以上になると推定された。

そういった多量に存在する腸内細菌の力(遺伝情報)を借りて、ヒトは本来、自分自身では保有していない代謝系によるアミノ酸、多糖類、ビタミンやテルペノイドなどの代謝物を作り出すことを可能としている。

この問題はウマやウシなどの草食動物ではより顕著である。彼らは植物を主食とするにもかかわらず、その主要成分であるセルロースを分解するセルラーゼを持たない。セルロースの分解は消化管内の共生微生物が担っており、彼らはそういった微生物の存在、すなわち彼らの持つ遺伝情報の存在なしには、当然生きていけない。

「ウイルスは非生物である」ということを盲目的に信じていましたが、最新の研究によれば、それがもう「古い」考え方であることがわかります。

サイエンス本として一級のクオリティで、ページをめくる手が止まりません。この種の本をあまり読まない方にこそ、ぜひとも手に取ってほしいですね。

ご案内。

イケダハヤトって誰?

30歳になってわかったこと

ブログは稼げる。月商500万円超えました!

月額4,980円のメディア研究所

2,980円の「ブログ運営の教科書」

出版レーベル「イケハヤ書房」創刊!

LINEでおすすめ本、セール情報配信中!

友だち追加数

一日中マンガ読んでるイケダの本棚。

「一巻で完結」のおすすめマンガ

「5巻以内完結」の面白いマンガ

人気記事セレクション。

1. 会社辞めたい?おすすめ転職サイト

2. 「強み」を無料で診断しよう。

3. おすすめグッズ、家電製品 by イケダハヤト

4. 移住初心者は「福岡」にいけ!

今日も元気にツイート中。


Instagramやってます

スポンサーリンク