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もはや起業に場所は関係ない。ファッション業界のGoogleを目指す、熊本発のITベンチャー「シタテル」

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こんにちは、ゲストライターの大崎真澄です。

皆さんは“熊本県” にどんなイメージを持っていますか?

水や空気が美味しい、ゆるきゃらの代表格・くまもん、皆大好き馬刺し…。

いろいろな印象があると思いますが、実は中小零細の衣服の「縫製工場」が多い地域。世界の名だたるブランドを支えてきた技術力の高い工場が熊本にあるというのはちょっとした驚きでした。

今回はそんな熊本に拠点を構え、ファッション業界に革命を起こそうとチャレンジしているスタートアップ、シタテルにお話を聞きにいってきました。

①シタテルトップ

”衣”の新流通プラットフォーム

②河野さん

(今回お話を伺った、CEOの河野さん)

シタテルが運営する「sitateru」は服を作りたい大小様々な小売業者と、高い技術をもった中小・零細の縫製工場を繋げる新流通プラットフォーム。シタテル側で縫製工場の状況をデータで把握した上で、リソースが空いている工場に事業者の依頼を適切に繋ぎます。

③サービス説明図

これにより、小売業者は従来対応してもらえなかった小口での生産依頼ができることに加え、国産で高品質なオリジナル製品を、大変な準備をすることなく、短期間・低コストで生産可能に。

一方で縫製工場にとっても新たな顧客を開拓するきっかけとなります。

小売店やファッションブランド、EC事業者、最近であればBASESTORE.jpを使っている人たちや、大手企業の企画部からなどの問い合わせが多いそうです。登録している事業者の数は約1000社。そのうちの40%程は既に何らかの発注依頼をしているとのこと。

一方で提携する縫製工場の数は現在国内に約70ヶ所。稼働状況や得意分野や保有技術といった特徴をデータベース化することで、常に最適な形でマッチングできるのが特徴です。

業界の常識を覆す、圧倒的な生産スピード

今回サービスに関してあれこれとお話を伺っていて特に驚いたのが、服を企画してから市場に出るまでのスピード感です。通常はすべての工程で半年〜1年程かかるのが当たり前だった所、シタテルでは1~2ヶ月で済んでしまうとのこと。

④生産スケジュール

従来は間に入ってくる関係者間で多くコミュニケーションに時間がかかっていたことに加え、展示会や業界のトレンドを発信するが時期が決まっていたため、秋冬に服を売りたい場合は春夏から動き始める必要があるなど、ある程度の期間が必要でした。

業界の基本的なスケジュールだと服を作るのに6ヶ月くらいかかっていましたが、ブランド側にヒアリングをしたところ、できれば1〜2ヶ月くらいで作りたいというのが本音でした。やはり冬場に足りなくなったものは冬の間に欲しいですよね。せめて次の季節前。

当時、閑散期で割と手が開いていた工場さんに試しにお願いをしてみたところ、受付から量産まで1週間できあがったんですよ。

ブランドさんもすごく驚いていたんですが、品質も高く価格も安いので何度もリピートして頂くことができました。もちろん、ただ早ければいいというわけではございませんので、やはり最優先は「品質」ですけどね。この時の体験がシタテルの基になっています。

「外にいる人間がやらないと何も変わらない」という想いから起業

⑤縫製工場の一コマ

熊本出身で、シタテルを創業する前は中小企業へリスクマネジメントのコンサルティングをされていた河野さん。

もともと熊本県には中小の縫製工場が多かったことからクライアント企業を中心によく工場の様子を身近で見ていました。そうした中で技術力が高い工場がつぶれていく状況に、大きな疑問と違和感を感じたそうです。

調べていくうちに業界の「流通」の問題に直面して、「なんじゃこりゃ」と。

多重構造の中の様々な関係者が既得権益を守り合う非常に閉ざされた産業で、内部からイノベーションを起こすことが困難な産業であることがわかり、外から固定観念がない人間が何か起こさないと変わらない業界の1つだと思いました。

20年程前から衣服の生産拠点が国外に移って行き、1枚の服を販売した際に工場に入ってくるのは売上の15%前後。価格が10,000円のシャツの工賃は1,500円程度というのがごくごく当たり前で、工場側も会社をつぶさないためにもそれを受け入れるしかなかった状況でした

しかし、工場自ら市場を開拓する事は困難で、安易に「直販モデル」に踏み切ったが故に倒産する工場も相次いでいました。

この問題をなんとか解決できないかと考える一方で、小売業者側にヒアリングをすると、消費者の趣味趣向の多様化に伴い、付加価値を見出す為に小ロットでの生産や、なるべく短期間での生産を求められることがわかってきました。

そういった様々な小売業者と新しい取引先を欲していた縫製工場、双方のニーズを上手くマッチングする方法を試行錯誤した結果、シタテルが誕生。

シタテルが大切にしていること

⑥コンセプト

シタテルで最も大切にしていることを伺ったところ、その答えは「品質」

適量生産適量消費を1つのキーワードに「品質のいいものを必要なものだけ生産する」ことを大切にしているといいます。

現在、自治体やステークホルダーの様々な支援により国内外で300工場程はアクセスする事が可能なのですが、提携する工場の数をただ闇雲に増やしていくという方針は取らず、品質チェックを設けて、確かな技術をもった工場のみを厳選。

その分、ひとつひとつ丁寧に工場との関係性を大切にしています。

⑦職人さん

そのためクラウドソーシングといってもプラットフォーム上でユーザー同士が直接やりとりをするのではなく、シタテルの「コンシェルジュ」といわれる専門スタッフが間に入り丁寧にコミュニケーションを取っています。

共感力No.1企業として、服を作りたい人・服を作る人双方が満足できることにこだわるシタテル。

具体的な服を作る手順に詳しくない小売業者や企業の人達、ITに慣れていない工場の人達に負荷がかかりすぎないように「わかりやすいIT」で取引を実現する一方、で全てをテクノロジーで解決しようとせず、意図的にリアルの場を設けて対面で対応することにも取り組んでいるそうです。

場所の概念はほとんど関係なくチャレンジできる時代

⑧熊本城

(オフィスから徒歩10分程の所にある熊本城)

シタテルではほとんどのスタッフさんが現在本社を構える熊本に在住しています。河野さん自身も月に数日間は東京に滞在しているものの、大半は熊本のオフィスで働いているそうです。

東京を中心に、県外からの問い合わせが多数を占めるといいますが、小売業者、縫製工場とのコミュニケーションはもちろん、服のデザイン作成やデータの共有もクラウド上で共有することができ、CADと呼ばれるソフトウェアを使えば離れた場所にいてもスピーディーに行うことが可能。熊本にいても制約はほとんどありません

服を作りたい小売業者や企業、生地メーカー、パターンナー、そして工場とやりとりは全て東京で行われていても、その管理は全て熊本で成り立っています。

そういった意味では「場所の概念」はほとんど関係なくチャンレンジすることができます。

起業という観点からは多少「生」の情報が少ないのは否めませんが、もともと少ない資源で工夫して0→1でしっかり積み上げて行くような仕事ですから、住環境の方が影響が大きいかなと思っています。

熊本にいる間はその魅力にあまり気づきませんが、一度外に出てみることで気づくこともあり、今この場所で今やっているということは、自然体で暮らせる住環境に満足しているからだなと。

おかげさまで最近では都市部の人々が、ここ熊本本社で働きたいという要望も増えてきており、みなさんに「熊本でも大丈夫ですか?」お聞きすると「場所関係ありますか?」と言ってくださるのでうれしいですね(笑)。

将来は従業員の家族も含め、より住環境に満足出来る工夫をしていきたいと考えております。

この点に関しては、特にITに関わる仕事をされている方は共感できるという方も多いかもしれません。

先日話題になったリクルートホールディングスを始め、最近では在宅勤務やリモートワークを導入する企業も徐々に増えてきているように、インターネット環境が整っていれば場所に関わらず働ける時代に近づいてきています。

ちなみに河野さんのご実家は三代続く「ぶどう園」とのことで、採用面談の際に「ぶどう園の一部を自由に使っていいですよ。」と話すとみなさん少しだけ「わくわく」されるとのこと。これは地方に拠点があるからこその面白いメリットかもしれませんね。

これからの「シタテル

⑨シタテルラスト

当初、小規模のショップや個人ブランドの依頼から始めたサービスも、最近ではその品質を評価され、大企業等からの生産依頼も増えてきているそう。

日経BP社のJAPAN MADE STORYという企画の中でコラボ製作が行われ始めたり、NY・ブルックリンのブランド・小売業の依頼分を生産したり、世界展開をしている某有名ラーメン店の制服を、地域でデザインコンペを行い、地域の生地メーカーなどと連携しプロデュースすることになったりと、続々と面白いプロジェクトが始まってきているといいます。

とは言っても課題も多く、まだまだ改善の余地が多いアパレル産業。

ITを活用し、技術の高い縫製工場を衣服の生産インフラを必要とする人々がいつでもどこでも自由自在に使うことができる「新しい流通」を構築し「服をつくりたい」と思った時にsitateruにアクセスすると全て解決する。

いわば”ファッション業界のGoogle”、本当に必要とされるサービスを目指す「シタテル」の今後のチャレンジが非常に楽しみです。

(by 大崎真澄)

地方のベンチャーは面白い!

というわけで、大崎さんのすばらしい取材記事でした。特に補足はいりませんね。ほんっといい仕事します。日本が誇るべきベンチャーが、熊本から立ち上がっているわけです。すばらしい。

大崎さんは以前も取材記事を提供してくださいました。こちらも人気で、1.5万PVほど読まれています。広島の養蜂ベンチャーを取材した実にマニアックな記事。合わせてどうぞ!

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