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「ITを使って日本の養蜂市場とハチミツの消費スタイルを変えたい」15年務めたIBMを辞めて広島に移住した松原秀樹さんの挑戦

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さいっこうにいい仕事をするライター、大崎真澄さんから原稿をいただきました。何気に現在高知在住。今後もちょくちょく原稿をいただく話で進めています。いい取材記事ですので、どうぞご一読ください。

「ITを使って日本の養蜂市場とハチミツの消費スタイルを変えたい」

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皆さんは「養蜂家」をご存知でしょうか?あまり耳馴れない言葉ですが、その漢字の如く「蜜蜂」を育て、ハチミツを生産したり蜜蜂自体を販売している方達のことです。

そんな養蜂業界で「飼育技術とハチミツの消費スタイルに変革を起こしたい」と大きなチャレンジをしているのは、昨夏15年間務めたIBMを退職し、移住先の広島で養蜂業を営んでいる松原秀樹さん。

自身でハチミツを生産する傍ら、ITを用いて巣箱の温度を把握することで養蜂家の負担を減らし、さらに生産地や作業記録データを明示することで消費者が”本当のハチミツの美味しさや魅力”を楽しむことができるような製品・Bee Seeingの開発プロジェクトに取り組んでいます。

IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)といった現在注目されている技術を使っており、KDDIのベンチャー企業支援プログラムに採択されるなど今後のポテンシャルを非常に評価されているサービス。

今回は大手企業を辞めてまで広島に移住し養蜂家になられた経緯や、Bee Sensingの先進的な取り組みについて伺うべく、松原さんの養蜂場がある宮島に行ってきました!

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いつか地方で農業をやりたいという想いはあった

いつかは農業をやりたいという気持ちは以前からありました。特に憧れていたのは柑橘系の栽培でしたね。

広島県廿日市市で生まれ育った松原さん。子どもの頃から農業への憧れがあったといいますが、最初のきっかけは中学生時代に山口県の周防大島へ行ったこと。自然が多く残る島でみかんを始めとした作物が育てられている様子を見たことで農業に物凄く興味をもったそうです。

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加えて中高6年間は登山部に入っていて自然に囲まれた環境が好きになったこともあり、いつかは農業をやりたいという気持ちが強かったとのこと。

私が大学に通っていた頃は、まだ後継者不足が今程深刻ではなかったり、地方創生のようなことも言われてなかったので大学卒業後すぐに新規参入はしませんでした。ただ地方で働くことや農業への興味はずっと持っていました。

新卒では、当時B2Bの領域で革新的なサービスを生み出していた日本IBMに魅力を感じ入社。15年間ハードウェアのセールスを担当されました。

きっかけは生協の宅配!ボランティアとして念願の農業に携わる

勤務して数年経った後は広島への異動希望出すなど徐々に地方で働くことを実現しようとするもなかなか叶わない。入社して10年が経過したそんな頃、自宅に食品を届けてくれる「生協」の宅配サービスがきっかけで大きく人生が変わっていったそうです。

たまたま生協のチラシで、小田原のNPO法人が主催している「農の学校」という農業体験プロジェクトを知った妻が私に薦めてくれまして。今思えば当時生活がそれなりに安定していた中で、会社を辞めるきっかけにもなりかねないプロジェクトを紹介してくれた妻もすごいなと思うのですが(笑)、当時も農業への憧れは強かったので、チャンスだと思い参加してみました。

その後プロジェクトを通じて知り合った農家さんの元で4年間ボランティアとして農業に携わったという松原さん。平日は会社で働き土日は農業というハードな4年間でしたが、農家の経営やノウハウを現場で学ぶ貴重な経験ができ、独立して農業をやることがより現実的になっていったといいます。

最後の1年間は、さらに農業家になるための知見をためるためアグリイノベーション大学校というビジネススクールで学ぶことに。そこで始めて養蜂家という職業に出会ったそうです。

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当初は柑橘系の農家をやりたいという思いがあったのですが、同時にそれでどうやって生計を立てていくかということにも悩んでいました。そんな時に養蜂という可能性を知って。柑橘との相性も良く、素晴らしい!と思いましたね。

果物だと植えてから収穫まで2~3年かかったりもしますが、養蜂の場合はその年にハチミツを収穫できるので投資回収のスピードが早いんです。果物作りと養蜂のどちらも手がけている方が多いということもあり、まずは補助金などに頼ることなくしっかりと経営していくために養蜂からスタートしてみようと。それで養蜂コースに入学しました。

IBMを辞めて養蜂家になるため広島へ

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4年間、会社に勤めながら農家でのボランティアやビジネススクールを通して農業について学んだ上で、昨夏15年務めたIBMを退職。地元広島へUターンし、遂に養蜂家としての一歩を踏み出しました。

とはいっても養蜂家としての現場経験はなかったため、最初の半年間は地元の廿日市市ではなく福山市で養蜂業をされている方の元で修行をすることに。

そこで養蜂業の難しさや独立していく際の課題に直面したといいます。

良いハチミツを作る上でカギとなるのが、蜜蜂の健康管理や巣箱の状況把握です。例えばエサの補充や女王バチの健康状態の把握など、週に1度は人の目で丁寧に確認していく必要があります。これらの作業には経験や熟練の技が必要となり、間違った方法でやると返って蜂に迷惑をかけてしまうこともあるんですね。

その上、巣箱を1つ1つ確認するのにはかなりの時間がかかるため、1人で管理ができる巣箱の数は限られてしまう。

養蜂で食べていくことを考えた時に、管理している蜜蜂の数が増やすことができればハチミツの生産量も増やせるので、何とか1人が管理できる巣箱の数を増やせないかと考えました。その時にITの力(センサー技術)を使えるのではないかと思い浮かんだんです。

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この時の考えが、松原さんが今手がけているBee Sensingの基のアイデアになっています。

センサーで巣箱の状況を把握することで1週間に1回だった巣箱の確認を2週間に1回にできれば、単純計算で管理できる巣箱の量は2倍になります。

IBMで勤務した経験を活かしたいという想いもあって、これは自分がやらなければと製品化に向けて動きだしました。

そこからまずは大手銀行でベンチャービジネスの立ちあげ・支援に携わっていた、知人の森中さんとアイデアをブラッシュアップすることに。並行していくつかのベンチャー支援プログラムに応募したところ、今年の3月末にKDDIが運営するスタートアップ支援プログラムに採択されることが決定。

プログラム期間中の3ヶ月である程度の形にする必要が生じたタイミングで、中学生時代からの友人でITシステム会社・株式会社アドダイスの代表である伊東さんに相談されたそうです。

伊東さんは以前から現在Bee Seeingで使われているセンサーの技術や人工知能の技術を使ったシステムを開発されていたこともあって、地元の活性化にも繋がり、農業×ITという面白いチャレンジができるということですぐにタッグを組むことに。

現役の養蜂家と新規ビジネス立ちあげのプロに加えシステムの専門家が加わることでより強固なチームが完成しました。

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(左から伊東さん、松原さん、森中さん)

ワインを楽しむようにハチミツを楽しんでもらいたい

今年の春からは宮島を含む2箇所で飼育を始め、養蜂家としてのキャリアをスタートされた松原さん。養蜂業を営みながら、現在も伊東さん、森中さんとチームでBee Sensingのプロジェクトに取り組んでいます。

Bee Sensingは巣箱につけたセンサーで巣箱内の温度や湿度を、スマートフォンアプリで現場での作業記録をデータ化。そうすることで、変温動物である蜂の状態を離れた場所からでも把握できることはもちろん、作業記録から最低限のノウハウを共有することができるサービスです。

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これは現場で感じた課題を解決することはもちろん、松原さん達の強い想いが反映されたものだといいます。

ITの力でできるだけ負担を減らして、養蜂に携わる人を増やしたいというのが根底にあります。

アピールできるような観光資源がなく、過疎化が進んで人も少ない。でも山だけはある。そんな町もたくさんあるはずです。廿日市に関しても、宮島こそありますが、有名な名産品などは特にありません。だからこそハチミツを名産品にして地元を盛り上げたいと思っています。

ハチミツの味や香りは、巣箱の周辺で咲く花の違いから、取れる場所や時期によって大きく変わってくるもの。同じミカンの花から集めたものでも、広島のミカンと愛媛のミカンではハチミツの味も全く違うそうです。そう聞くと、色々食べ比べてみたいとわくわくしてきませんか?

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だからこそ、Bee Sensingで取得した生産者や採取した場所・時期、花の種類などのデータを消費者に開示し、 消費者がハチミツごとの個性を楽しめるようにしたいといいます。

ハチミツの消費スタイルそのものを変えることにもチャレンジしたいですね。

今ハチミツの国内市場流通量における国産品の割合は6.8%と非常に少ないのですが、国産品の美味しさやそれぞれの個性についてもっと知ってもらうことで、この数値を改善できればと思っています。

ワインを楽しむようにハチミツを楽しむ。そのようにハチミツを親しんでもらえるように、一養蜂家としてもBee Sensingチームとしても頑張りたいですね

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Bee Sensingは現在テスト製品段階で、ご自身の養蜂場等で実際に試しながら製品のブラッシュアップを行っているとのこと。

「養蜂業界やハチミツの消費スタイルを変えることだけでなく、広島県の先進的な取り組みとして地域の活性化にもつながれば嬉しい」と話す松原さん。

農業×テクノロジーの分野はまだまだ開拓の余地がある分野ですし、今後養蜂業界をどのように変えていかれるのか、ものすごく楽しみです。

Bee Sensingは現在クラウドファンディングにも挑戦中!

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Bee Sensingチームは現在クラウドファンディングにも挑戦中です。(8/22の23:00まで)

産地・収穫時期の履歴を付けたハチミツが届いたり、実際に養蜂場を見学できたりとリターンも様々。

ハチミツが好きな方、農業×テクノロジーの分野に関心がある方、広島を盛り上げたい方などは是非チェックしてみてください!

……というわけで!広島発の取り組みを取材した骨太な記事でした。既存産業をITでリノベーションしていく、というのは同時多発的に広がっていくんでしょうねぇ。ぼくも養蜂やりたいので、お話聞きにいってみようと思います。

まずはクラウドファンディングをポチッと応援しないとですね。はちみつうまそう…。

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