書籍企画をいただきました。
今回はゴーストライティングです。
いや、実はいくつかの出版社から「移住関連の本を出しませんか?」というオファーはいただいていたんです。
が、正直紙の本をゼロから執筆する元気がなく、「もうちょっとネタが溜まって、書きたいことがクリアに見えてきたら書きます」とお茶を濁してきたんです。まだ移住して1年なので、実際、見えてない部分が多いんですよね。
そんなことを言っていたら、とある出版社から「聞き書き」で書籍を出す話が浮き上がりました。
あえてこの言葉を使いますが、巷で言うところの「ゴーストライティング」というやつです。ぼくがライター&編集者の方にダラダラとお話をして、それをまとめていただき、最後にぼくが原稿の手直しをする、という流れで一冊の本を制作します。
自分で書かないほうが売れる
なぜこの手法を取るかというと、こっちの方が「売れる」んですよ。
基本的にぼくの本は自分で書いていますが、自分で書くとダメなんです。なんというか、書籍のマーケティングは世界が全然違っていて、ブログと同じ感じで書くと、マーケットに受け入れられない感じを抱いています。
実際、ロングセラーとなっている「武器としての書く技術」は、半分くらい編集者の方が書いてくださっています。
こちらは聞き書きではなく、ぼくが書いた原稿をざっくり削られ、編集者の方が加筆修正しています。
で、その方がよく売れるんですね。餅は餅屋に任せるのがいい、ということです。かれこれ紙の本は6冊くらい出しているので、いい加減学びました。
「自分で書かない」というのは「あり」なのです
なんだか世間的には「本は著者が自分で書くものだ」という「誤解」がまかり通っているようですが、これは本当に誤解で、創作のあり方として「聞き書き(ゴーストライティング)」は大いにありなんです。
時には、誰かにかいってもらったほうが「よく伝わる」んですよ。これは「楽をしたい」とか、そういう次元の話ではありません。
それこそ聖書とかも「聞き書き」じゃないですか。いや、ちゃんと読んだことないけど。「キリストはこう言われた」とか、伝聞ですよね。論語の「子曰く」もそうですね。ソクラテスの言葉も聞き書きで残っています。
「面白い人の話を聞き取って、それを第三者がまとめる」というのは、れっきとした効果的な創作手法なのです。
というわけで、ぼくも初めて、本格的に「聞き書き」での著作出版に挑戦しようと思います。
目次案を見せていただいた感じ、とてもいい流れでまとまっていました。このブログを読んでいただいている方向けというよりは、新しい読者を獲得するための一冊にしようかと。読んだ人の価値観、人生を変えるような一冊にしていきたいですね。
ゴーストライターがいることは恥でも何でもない
昨今の「偽ベートーベン」騒動について思うことを書いておきます。
そもそも前提として、どんな芸術においても「第三者の力を利用する」ことは別段の悪でも善でもないとぼくは考えます。絵を描くときだって、映画を撮るときだって、楽曲をつくるときだって、文章を書くときだって、「独りで制作しなければダメ」なんてルールはありません。
ダ・ヴィンチとかミケランジェロとか、ルネサンス期の絵画作品なんかは共同制作も多いんですよね。歴史的に見れば、むしろ「独りで制作する」という道の方が珍しいのかもしれません。
なので、今回の作曲の件についても、別にゴーストライターを雇うことが悪いわけじゃないのです。音楽の世界に詳しいわけではないですが、第三者の手を借りて作曲することは、そう珍しいことではないのではないでしょうか。
ぼくの本、半分くらい編集者が書いてますよ
第三者の手を借りることは悪でもなんでもないと考えると、別段話は難しい問題ではなく、単純に「他人の手を借りて制作した場合は、そのことを開示する」というルールを遵守すればいいだけです。エンドロールでずらずらと関係者の名前が並ぶ映画やゲームを想像していただけるといいでしょう。
ぼくはかなり積極的に、「自分の本は編集者の手が入っており、作品によっては半分近く編集者が書いている」ということを開示しているつもりです。電子書籍「ブログエイジ」は共著者として編集者をどどーんと掲載しています。
本当は紙の本でもこれをやりたいんですけど、なかなかどうして文化の壁があるようで、実現には至っていません。
共同制作であることを開示するというのは、作品の魅力を高めることにもつながると思うんですよね。「武器としての書く技術」は編集者の藤井さんが半分くらい書いているので、二人分のノウハウが収録されています。ほら、「ぼくが独りで書いた」というよりお得感が増しますよね。
2/18に発売される「なぜ僕は「炎上」を恐れないのか」も、編集集団WawW ! Publishingががっつり手を入れてくださってます。重版率9割を超えるクリエイター集団なので、こちらもまた独特の色に仕上がっています。自分一人では書けなかった作品ですね。ターゲットとなる読者イメージも、ブログとちょっと違います。
いまいち事実関係はよくわかりませんが、今回の騒動についても「この作品は共同制作で、わたしはここまで書いて、彼がここまで書きました。それはよりよい作品をつくるためです」というかたちで発表すれば、問題になることはあり得なかったと思われます。そうできないのは、クリエイターのエゴだったり、業界の文化が背景にあるのでしょうかね…。
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