賛否両論?イケダハヤトが物申す

「Fラン」大学に通うあなたは、大学以外の場所で友達をつくるべき

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東京から高知に移住した人間としては非常に関心がある一冊。とりあえず読み終わったので読書メモを残しておきます。めっちゃ面白いです、この本。

 

年収は「住むところ」で決まる

・この10年間、インターネット、ソフトウェア、ライフサイエンスの3部門の雇用は、それ以外の業種全体の8倍以上のペースで拡大してきた。

・ハイテク産業は、雇用全体に占める割合はごく一部にすぎなくても、地元に新しい雇用を創出する力は飛び抜けて強い。都市全体の視点に立つと、ハイテク産業で雇用が一つ増えることには、一つの雇用が増える以上の意味がある。(中略)私の研究によれば、都市にハイテク関連の雇用が一つ創出されると、最終的にその都市の非ハイテク部門で五つの雇用が生まれる。雇用の乗数効果はほとんどの産業で見られるが、それが最も際立っているのがイノベーション産業だ。

ある自治体が技能の乏しい人たちのために雇用を創出したければ、皮肉なことに、高い技能の持ち主を雇うハイテク企業を誘致するのが最善の方法だということになるのだ

・価格の下落によって得る恩恵は、富裕層より貧困層のほうが大きい。最近、シカゴ大学の二人の経済学者が所得層ごとに世帯単位の消費行動を調べた。(中略)低所得層が購入する品物の値段は、高所得層が購入する品物の値段に比べて、概して値上がりのペースが非常にゆるやかなことがわかった。1994年以降、所得最下層20%が買う品物の値上がり率は、最上層20%が買う品物の三分の一未満にとどまっている。

グローバル化のパラドックスの一つは、労働者として最も打撃をこうむる人たちが、消費者としては最も大きな恩恵に浴するという点なのである。

・1950年代、GMの従業員はひとり当たり年に約7台の自動車をつくっていた。この数字は、1990年代には約13台に、今日は約28台に増えている。GMが自動車を一台つくるために必要とする従業員の数は、1950年代の四分の一に減った計算だ。

・生産性が向上すると、消費者にとっては商品の値段が安くなるし、労働者の賃金も上昇するが、最終的には雇用が奪われる。雇用の喪失というマイナス面を強調する論者は多いが、労働者の生産性が高まることは、社会が豊かになり、生活水準の向上が実現する主たる要因だ。

・フェイスブックがカリフォルニア州パロアルトの本社でわずか1500人、アメリカのそれ以外の土地であわせて1000人の従業員しか雇っていないのは事実だ。従業員数は休息に増えているが、それぞれアメリカ国内で約14万人と約79,000人を来ようしているGEやGMとは比べ物にならない。しかし、フェイスブックは、さまざまなアプリケーションが機能するためのプラットフォームだけを提供しているのであり、フェイスブックの魅力を高めているアプリの大半はほかの企業が開発している。(中略)最近の推計によると、フェイスブックアプリを開発しているソフトウェア企業は、53,000以上の雇用を直接創出しているほか、関連のビジネスサービスで13万以上の雇用を間接的に生み出している。

・私の分析によれば、伝統的な製造業の場合、一見の雇用増が地域に生み出すサービス関連の新規雇用は1.6件で、ハイテク産業の三分の一にも満たない。

・ハイテク産業の乗数効果がほかの産業よりここまで大きいのはなぜなのか?この産業には、どういう特殊な点があるのか?まず指摘できるのは、ハイテク企業で働いている人が非常に高級取りだという点だ。そのため、地元のサービス業に落とす金が多く、地域の雇用創出への貢献も大きい。

・ハイテク企業がほかのハイテク企業を呼び込む結果、地元に生まれるサービス関連の雇用がさらに増え、乗数効果がいっそう大きくなるのである。

フランスのインターネット関連産業についての研究によれば、WWWが登場して以降、インターネットが生み出した雇用は120万に達している。一方、消滅させた雇用は50万。つまり、インターネットのおかげでざっと70万の雇用が増えたことになる。

・問題は、雇用の消滅が幅広い地域で起きるのに対し、雇用の創出がいくつかの地域に集中することだ。アメリカのほとんどの都市で旅行代理店やレンタルビデオ店の雇用が失われたが、雇用が増えた地域はシアトル、ニューヨーク、サンフランシスコのベイエリアなど、一握りの都市に限られていた。

・アウトソーシングは、従来型の製造業のほとんどで雇用を消失させるが、イノベーション産業では正反対の結果を生む。最近の研究によると、中国で組み立て向上の雇用が増え、インドでコールセンターの雇用が増えるほど、究極的には、アメリカで研究開発関連の雇用やハイテク企業周辺の専門職(広告専門家、デザイナー、アナリスト、会計士など)の雇用が増えるという。

・国外に研究開発がアウトソーシングされると、アメリカ企業が国内で雇う人の数は、増えるケースもあれば、減るケースもあるのだ。そのどちらかになるかは、アウトソーシング先の労働者がアメリカの労働者の「補完財」か「代替財」かによって決まる。

この二つの表からわかる最も衝撃的な事実は、最上位グループの都市の高卒者の収入がしばしば、最下位グループの都市の大卒者の収入より高いことだろう。(中略)都市間の格差があまりに大きく、学歴による格差を飲み込んでいるのである。ここから浮き彫りになるのは、アメリカにおける賃金格差が社会階層よりも地理的要因によって決まっているということだ。

・教育レベルの低い人が自分と同じように教育レベルの低い人たちに囲まれて生活していると、周囲に教育レベルの高い人たちがいる場合に比べて、不健康な生活習慣に陥りやすいことがわかっている。この現象は「社会的乗数効果」と呼ばれている。

・ザッカーとダービーが指摘しているように、ある地域がハイテク産業を育てられるかどうかは、(とくに初期は)数人の傑出した科学者、具体的には、ビジョンをもっていて、画期的なテクノロジーを使いこなせる人物の存在にかかっている。

・アメリカ全体で見ると、大卒者の半分近くは30歳までに生まれた州を出る。この割合は、高卒者は27%、高校中退者は17%でしかない。

・人類の歴史には、繁栄する都市をゼロからいきなり築こうとした夢想家が何人もいた。(中略)1928年、自動車王ヘンリー・フォードは、ブラジルのアマゾン奥地の未開の地に新しい産業拠点をつくろうと考えた。その名も「フォードランディア」。フォード自動車の合理的・効率的エンジニアリングの手法を生かして理想のコミュニティを築き、自社のタイヤ原料のゴムを供給させようという考えだった。(中略)鳴り物入りで建築された人口都市は、わずか17年後に売却され、フォードがこうむった損失は、計り知れない金額にのぼった。

クリエイティブ・クラスを喜ばせさえすればイノベーションハブが築けるという考え方が妥当かを検証したければ、ベルリンの状況を見ればいい。(中略)クールな都市として知られるようになって20年。ベルリンでは教育レベルの高い創造的な人材の供給が需要を大きく上回ったままだ。ある研究によれば、この街の社会科学者の30%、アーティストの40%は職がない。

・マイケル・グリーンストーンとアダム・ルーニーの研究によれば、大学進学とそのほかの投資の「利回り」を比べると、大学進学より有利な投資を見つけることは難しい。大学進学の年間利回りは、インフレ調整済みで15%以上。これは、株式投資や、債券、金、不動産への投資が実際に記録してきた利回りを大きく上回る。

・イノベーションハブには、高技能の移民に適した雇用がふんだんにあるので、そういう移民がやってくる。そして高学歴の移民が増えると、その都市の人的資本のレベルが高まり、その結果として、そのイノベーションハブの生産性と創造性がますます高まるのである。

・移民の活躍が目立つのは、科学の世界だけではない。アメリカの労働者にとってはもっと重要な点がある。移民は非移民よりも起業する確率が30%近く高い。1990年以降、ベンチャーキャピタルの支援を受けて創業し、のちに株式公開を果たした企業の4社に1社は、移民が創業者だ。また、売上高が1000万ドルを超す新興ハイテク企業の4社に1社が移民によって設立されている。

高技能の移民がやって来れば、好ましい影響が生まれる可能性が高い。その場合、とくに恩恵をこうむるのは技能レベルの低いアメリカ人だ。理由は三つある。第一に、高技能の移民は、技能レベルの低いアメリカ人と直接的に職を奪い合う関係にない。むしろ、両社は相互補完関係にある。高技能の移民が増えると、技能レベルの低いアメリカ人労働者の生産性も向上する傾向があるのだ。第二に、高技能の移民が加わると、企業はしばしば投資を増やすので、技能レベルの低い人たちの生産性も高まる可能性がある。第三に、高技能の移民は地域経済に大きな波及効果を生む場合は多い。教育レベルの高い住民が増えた都市ではたいてい、雇用が増え、アメリカで生まれた人たちの賃金水準も上昇するのである。

・ハイテク産業で新たに一件の雇用が生まれると、その地域でサービス関連の新規雇用がなんと5件も生み出される。これに対して、伝統的な製造業の場合には、一件の雇用増が生み出す新規雇用は1.6件にすぎない。

ぼくが移住した高知県は全国屈指の貧しい県。平均年収は全国最低になることもあります。この土地が金銭的にもう少し潤うためには、やはりハイテク産業の誘致が鍵になるんじゃないかと思います。とはいえ、それができれば簡単。まずは時間と場所に囚われず、東京から仕事を引っ張ってこれるクリエイターたちを移住させることが、前段階のステップになるんじゃないかなぁ、と読んでいて考えました。

 

Fランク大にありがちな負の同調圧力

ぼくはしばしば大学で講義をするので肌感覚があるのですが、いわゆる「Fラン」、つまり低偏差値の大学って、「頑張らないのが当たり前」的な空気が漂っているんですよね。

在籍している学生は、バイト、サークル、恋愛という「リア充イケイケ路線」、ないしはゲーム・アニメにハマって引きこもりがちになるという「ネクラ路線」に概ね分類できる気がします。

こうした環境においては、(良い意味で)意識が高い学生は学校のなかで浮いてしまい、居場所がなくなるものです。ぼくのところには、不思議とそういう学生がよく訪れます。せっかく行動力も問題意識もあるのに、周りの低エネルギーな友人に引っ張られて「自分はなんかズレているのか…」と感じてしまうという不幸なケースです。

 

ポジティブな圧力が掛かっている場に移動しよう

キーワードでいうと、「社会的乗数効果」と呼ばれるものがあるそうです。

教育レベルの低い人が自分と同じように教育レベルの低い人たちに囲まれて生活していると、周囲に教育レベルの高い人たちがいる場合に比べて、不健康な生活習慣に陥りやすいことがわかっている。この現象は「社会的乗数効果」と呼ばれている。

書中では、周りに喫煙者が多いと喫煙率が高くなる、という調査が紹介されています。

これって、喫煙をはじめとする健康問題に限らない話だと思うんですよね。問題意識が欠如した人たちに囲まれると、自分も問題意識が希薄になっていきます。大企業病というのは、そういう現象を指すのでしょう。

以前、慶応SFCを訪れたときに、学生の方が「SFCには、なんか面白いことをやらなきゃいけない同調圧力がある」とお話していました。これ、とても面白いですよね。ポジティブな意味での同調圧力が掛かっており、「なんか自分も面白いことしなきゃ!」と思わざるを得なくなる、という。総じていえば、学生の人生にとってポジティブな環境だと思います。

いわゆる「Fラン」大学に通っていて、「周りの人たちの意識が低くて困っている」と感じる方は、大学の外で友人をつくるべきです。今は、やはりインターンがいいのでしょう。地方の場合は、休学して都内のベンチャー、NPOあたりで働くと、だいぶ地元とは仲間の質が変わると思われます。

 

自分がいる場所が、どういう圧力を持っているかをよく点検すべきです。あなたが凡人だとしたら、普段どんな人に囲まれているかで、あなたは変わっていくでしょう。

ぼくは凡人である自覚が強いので、なるべく面白い人が集まる場所に行くようにしています。そういう環境に移動すると、面白いことをするのが当たり前になっていくんです。一度その感覚を掴んでしまえば、どんな環境に移っても、価値を発揮することができるとも思います。ぜひ、飛び出しましょう。

 

ステマ臭いですが、個人的にはETICのインターンシップフェアがおすすめです。比較的良い会社が多いので、外す可能性は低いはず。相性もあるので一概にはいえませんが…。

ETIC.インターンシップフェア | 過去2500人が参加、卒業生150名が起業した最強インターンシップ。

サムライトとか面白いだろうなぁ。柴田さんは以前取材させていただきました(ブロガーの新たな収益源をつくる:「サムライト」柴田氏に聞くオウンドメディアの未来)。

 

「本当に飛び抜けた人材は、まずまず優秀な人材より少し優れているという程度ではない。100倍は優れている」

書中で面白かったのが、下記のマーク・ザッカーバーグの言葉。

「本当に飛び抜けた人材は、まずまず優秀な人材より少し優れているという程度ではない。100倍は優れている」。ザッカーバーグの言葉が象徴しているように、イノベーション産業の台頭に伴い、優秀な人材の価値が大きく高まった。企業がどのくらいの経済的価値を生み出せるかが、これまで以上に人材の質に左右されるようになったからだ。

この話ってよく聞きますが、ザッカーバーグも言及しているんですね(むしろ元ネタ?)。元の発言を探したのですが、ぼくの検索スキルでは発見できませんでした。まぁ、著者のエンリコ・モレッティを信頼することにしましょう。

 

ぼく自身もまさにイノベーション産業に関わっているわけですが、「優秀な人材は、そうでない人よりも100倍以上のパフォーマンスを出す」というのは肌感覚としても納得ができる話です。

何を隠そう、ブログってまさにそうなんですよね。本当に優秀なブロガーは、そうでないブロガーの100倍以上のパフォーマンスを出します。

論理的にいえば、仕事の報酬も100倍の差があってしかるべきだと思います。実際、Yahoo!ニュース個人のような成果報酬型の支払いだと、実際にライター間で100倍近い差が出ることがあります。

 

イノベーティブなデジタル領域の仕事に従事する人は、こうした差が生まれうることを意識しなくてはなりません。

100倍という差は、単純に時間をかければ埋まるわけではありません。この差は、労働集約的な考え方では埋まりません。むしろ「いかにして短時間、低コストに最大のインパクトを出すのか」を考えることが求められます。そうしたゴールを常に意識しながら、自分のスキルを磨き、プロジェクトを進めていく必要があります。

 

イノベーション産業の雇用のあり方、都市との関係性について解説した名著です。働くヒントも多数もらえるはず。Kindle版がおすすめです。

 

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