賛否両論?イケダハヤトが物申す

「紙の書籍のプロモーション」は可能か?…ぼくはほとんど諦めてます

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Umeki Salonで話題になっていたテーマ。月額1,000円の価値はありますよ。

 

「紙の書籍のプロモーション」は可能か?

ぼくはかれこれ5〜6冊、紙の本を出していますが、プロモーションはほとんど諦めています。著者ができる努力というのは、かなり限定されると理解しています。一応マーケターなんですけど、諦めモードです。ごめんなさい。できる範囲ではプロモーションやってますけどね。

その大きな理由は、「紙の本の大半は『店頭』で売れる」という事実。ウェブで出せる影響というのは、せいぜいAmazonの販売冊数を100冊〜500冊程度増やす、くらいのものでしょう。ウェブで話題を巻き起こして店頭で買ってもらう、という考え方もあると思いますが、話題を簡単に起こせたら苦労しないですよねぇ。

ぼくの本のなかで最も売れたのは「武器としての書く技術」で、これは電子版も合わせて1.5万部くらい売れています(…たぶん)。ですが、ぼくは特にプロモーションをやっていませんし、KADOKAWAの方でも電子書籍のセールをたまに打ってくれる程度です。純粋に内容がよかったから、版がじわじわ重なっているんだと思います。

というわけで、基本的に紙の書籍のプロモーションは激しく難しくて、よほどのマジックがないとうまくいかないでしょう。良い魔法があれば教えてください、マジで。書籍を売りたかったら、「数打ちゃ当たる」の精神で毎年バンバン書きまくるのが、結果的に成功を呼ぶと思っています。

 

広告を打ってくれる出版社を選ぶ

ただし!当然努力の余地はあります。ちょうど先日「「重版率8割」の編プロ経営者・乙丸益伸氏が語る、ヒット書籍を作る秘訣」というインタビューを掲載しましたが、出版社が広告を打ってくれるかどうか、というのは重要なパラメータです。

イケダ:なんで重版率がそんなに高いんでしょうか?その秘訣をぜひ教えてください。

乙丸:単純にいうと、広告です。広告を打っている出版社を調べて、この企画だったら、この出版社がこの新聞に広告を載せるだろう、ということを逆算して、出版社に企画を持ち込みます。広告を打たない出版社には企画を持っていきませんね

もちろん広告を打てば即重版!というわけではありません。ぼくの経験的にも、それは正しいです。が、広告が「効く」ことはデータ的にも明らかになっているので、紙の書籍を出版する際にはこの点を意識しておくと売れやすくなると思われます。

 

Kindleセールを打ってくれる出版社を選ぶ

重版にはあまり影響しないと思いますが、単純に部数を伸ばすのなら、やはりKindleセールは大きいです。出版社によってはそもそもKindle化してくれなかったり、Kindle化してもセール対象にしてくれなかったり、事情が変わってくるのでよくチェックしておくのをおすすめします。

星海社は早く「年収150万円でぼくらは自由に生きていく」をKindle化してほしいですね…。これは2刷まで行きましたが、さすがにもう売れてないでしょうし。

 

与沢翼マーケティングが効くっぽい

強いて効く戦略があるとすると、与沢翼マーケティングです。

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「与澤」さんからメールが来たので開いてみたら、「与沢翼」氏の宣伝でした。なぜ迷惑メールに入らない…。流れで与沢翼氏の会社のサイトを見てみたら、今販促キャンペーンやってるんですね。

新刊を300冊買うと与沢氏と会食ができる

「秒速」本はすでに7万部!を突破しているそうで、大いに賛否はあれど、著者兼マーケターとしては純粋にすごいと思ってしまいます。それなりの広告費を掛けているとはいえ、7万部はなかなか出せないですよ。

どういう販促キャンペーンを売っているのかなぁ、と思ってキャンペーンの内容を記したPDF(なぜPDFなんでしょ?)を見てみました。

ざっくり要約すると、

・全国の30店舗で「秒速で1億円稼ぐ条件」を購入した人に、購入冊数に応じて特典をプレゼント
・1冊購入で「出版記念セミナー2012」「全国講演会」「与沢翼誕生祭セミナー」の動画、電子教材4種(「与沢翼語録」など)を漏れなくプレゼント
・2冊購入で「最短年収1億円達成プログラム(360ページにも及ぶ伝説のレジュメ)」を追加プレゼント
・5冊購入でメール講座受講権、アメブロカスタマイズテンプレートを追加プレゼント
・10冊購入で「与沢翼1日1講話動画 全10回パック」「スカイプコンサル30分」を追加プレゼント
・30冊購入で「FAC(フリーエージェントクラブ)動画&PDF テキスト(33万円分)」「アメブロマスターズ動画」「スカイプコンサル60分」を追加プレゼント。

・10冊以上購入者全員に「秒速で1億円稼ぐ条件」「Super Free Agent Style」の直筆サイン本をプレゼント
・10冊以上購入すると与沢翼氏との会食が抽選で当たる。10冊ごとに1回の抽選機会なので、買えば買うだけ当選確率が上がる
・300冊買うと無条件で会食ができる

うーん、すごい大盤振る舞い感が出てますね。まとめるの大変でした。店頭のランキングに食い込むのが目的のキャンペーンなのでしょう。

PDFを読むと、畳み掛けられるように次々とプレゼントが飛び出してきます。PDFにしているのは、没入感を演出したいからなのかもしれませんね(ブラウザだと他のページに目移りしやすいですし)。

 

笑ってしまったのは最後の文句。

これらの特典を全てお金に換算すると
100万円以上の価値があります。
それに対し、
300冊書籍を買うのにかかる費用は
1冊1,500円なので、450,000円です。私はこの機会に、あなたの投資センス、
そして、チャンスを掴むタイミングを
逃さない力、というものを
養って頂きたいと思っています。

純粋にうまいなぁ、と思うのは、余った大量の本の使い道も示している点。インセンティブとして、教材としてばらまけ、と言っているわけですね。

周囲の友達に配ればあなたは、同じ価値観を共有する
強力なビジネスパートナーを
得ることが出来るかもしれません。
他にも、ネットでメルマガ登録の特典として配れば
私の本によって教育された、質の濃いリストが
あなたの手に入ることになります。
今はオプトインの報酬が1件1,000円という
ことも起こり得る時代となったのですから
1件1500円の広告費として考えてみても
不自然ではない数字です。

こういうやり方が、数万部の本を売るための効果的な方法なんでしょうね。まぁ、真似はしませんが…。

 

書籍のウェブマーケティングは成功法則がない

ぼくはマーケターでありつつ著者でもあります。そんなわけで自分の書籍のマーケティングはさぞ上手いことやっていると思われそう?ですが、実際、自著のマーケティングはほとんど手を出せていません。ツイッターで感想をRTするくらいですかね…。

なぜかといえば、リアルな書籍の販促にあたって、ウェブマーケティングはほとんど効かないのです。

やはり、本が売れるのは「店頭」なんです。ウェブでいくら頑張っても、せいぜいAmazonでの販売部数が数百部増える程度です。感覚値ですが、影響度でいうと、ウェブが影響を与えられるのは出版部数の5〜10%程度ではないでしょうか。

ウェブでちまちまやるよりも、書店棚の確保(営業)、各種広告(特に電車?)が効くと思われます。「Amazonランキング1位!」みたいなウェブ上の実績を用いた、リアルな場での販促も可能ですが、それすらもパワー不足であることは否めません。

 

与沢翼メソッドはいかに?

そんななか、注目すべき事例の一つが、あの与沢翼氏のメソッド。書籍を「プレゼントの応募券」化し、ひたすら魅力的なプレゼントを並び立てるアプローチです。

そんな与沢メソッドを用いた書籍販促の事例が登場しています。22日から24日の3日間限定で、「総額130万円のギフトを抽選で110名にプレゼント」という企画を「英語はまず日本語で考えろ!」で編集集団WawW!Publishingが実施しています。

 

プレゼントの中身は、

・10名に9万円分のリアル講義をプレゼント
・100名に4,000円分のリアル講義をプレゼント
・本を買ってプレゼントに申し込むと、漏れなくもう一冊の本(EQ英会話)が貰える
・発音セミナーの動画&音声ファイルを全員プレゼント
・書籍を要約したPDF版を全員プレゼント
・「日本にいながらネイティブと出会える場所情報」をまとめたPDFを全員プレゼント

となっています。

 

いかにも魅力的なプレゼントですが、これで購買のハードルがどのくらい下がるかは未知数です。ターゲット(英会話を学習中の人)にうまく届けば、ポチっとしてもらえそうですね。効果が出るようなら、ぼくも次回の本でやってみようかなぁ。

 

ランディングページをどうプロモーションするかという課題はあれど、これがもっともAmazon購入を伸ばす、ユニバーサルな施策になるという印象があります。じゃあ実践するかというと、ちょっとその気にはならないんですけどね…。

参考:与沢翼氏の書籍販促キャンペーンがすごいパワフル : イケハヤ書店

 

結局は「タイトル」と「内容」

本を作る上で重要なのは、まずタイトル。タイトルが良くないとそもそも手に取ってもらえません。最近だと「嫌われる勇気」とかうまいなぁ、と感じました。実際部数伸ばしているようです。

そして同じかそれ以上に重要なのが「内容」。当たり前といえば当たり前なんですが…。IT系の書籍に関していうと、フロー情報ではなく、ストック価値の高い(寿命の長い)コンテンツを収録した作品が売れやすい印象があります。

タイトルを作る際には、話題を呼ぶような切り口を用意すると、PRにつながっていいと思います。原田さんはうまいですねぇ。

最近だと「プア充」もメディア受けしていましたね。島田さんは宗教についての書籍を書かれている方なんですが、これは芸風が広くてすばらしい。

 

「数打ちゃ当たる」の精神で

ブログと同じで、やっぱり数を打たないとなかなか巧くならないと思うんですよねぇ。まぐれ当たりがバツーン!と出ることもあるでしょうけれど、それは再現性がないというか。ぼくは自分のコンテンツを磨きつつ、色々な切り口で本を書いていこうと考えています。怒られそうですが、数打ちゃ当たるの精神です。もちろん一打一打は本気でバット振りますよ。

ただ、そこまで紙の書籍にこだわる必要があるかというと、少なくとも収益的には、電子書籍でいいじゃん、という気もしています(1,000円のKindle本を500部売れば、それだけで35万円ですから。1,000部で70万!)。編集者の方と仕事をするのは面白いし勉強になるので、その楽しさがあるから書けている感じもあります。

 

次の本は朝日新聞出版から「やればできるはバブルの幻想 衰退日本の努力論(仮題)」が出る予定です。1文字も書けていないんですけどね…。さぁ、世に出るのだろうか。頑張ります。

 

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