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クラウドファンディング形式を採用するジーンズブランド「GUSTIN」のECサイトが面白い

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クラウドファンディング研究で第一線を行く、山元純子さんの本が発売されています。読み終えたのでメモを残しておきます。

 

クラウドファンディングの入門と実践

クラウドファンディングの分類:

  • 寄付型:資金提供者へのリワードはなし
  • 購入型:資金提供者は金銭以外のリワードを受け取る
  • 株式型:資金提供者は株式を受け取る
  • 融資型:資金提供者は元本と利子を受け取る
  • 投資型:資金提供者は利益のなかから配分を受け取る

・調達実績のデータを見ると、12年は融資型が一番規模が大きく、約11.7億ドルと市場全体の約43.3%を占めています。次い、寄付型の約9.8億ドル、購入型の約3.8億ドルと続きます。株式型はまだ法律上の制限のある国が多いため、約1.2億ドルと割合は低くなっています。

・(キックスターターでは)13年の全資金提供者のうち、実に約27%となる80万人以上が1年に2回以上のリピーターだということです。なかには数十〜百以上のプロジェクトに資金提供する人もいます。

・「資金提供者から第三次以上のつながりの人になるにつれ、資金提供の決定は合理的な判断になってくる。もし資金調達者が、まったく知らない多くの人たちに「キャンペーンは支援する価値がある」と確信させることができれば、クラウドファンディングが成功する確率はぐんと高まるだろう」

・「自慢」という感情と、クラウドファンディングは無関係だと思われるかもしれません。しかし、「仲間になりたい」と思うようなプロジェクトは、自分にとってはすばらしかったり、かっこよかったり、おもしろかったり、何らかのポジティブ感情を引き起こすものでしょう。

・SNSが普及する前までは、着ている服、もっている物など、目に見えるモノに限られていた「自慢」の対象は、SNSの普及によって目に見えない行動や嗜好に広がり、今後は「自分がどのようなクラウドファンディング・プロジェクトに資金提供しているか」にまで至かもしれないというのです。

・彼らは、目標調達金額の25万ドルを集めたら、「ペニー・アーケード」トップページに掲載されている大きなバナー広告を外すと約束しました。さらに、もしも52.5万ドル以上を集められれば、1年間「ペニー・アーケード」のサイト上から完全に広告をなくすということも宣言したのです。結果として彼らは、9,069人から52万8,144ドルを集めることに成功しました。

・「クラウドファンディングを実施することは、その個人、組織にとってこれまでどれだけ周りの人と対話し、コミュニティを築いてきたかを測るリトマス試験紙のようだ」と述べた人がいましたが、この表現はまさに言い得て妙だと思います。

・詐欺目当てだったプロジェクトは存在します。しかし、それは資金調達期間中に明るみになり、プロジェクトはキャンセルになっているのです。たとえば、12年にキックスターターで調達を開始したRPG開発のプロジェクトがあります。

・13年にも「神戸牛100%の美味しいビーフジャーキー製造・販売プロジェクト」が食べ物関連のプロジェクトとしてキックスターターで公開され、調達目標額が2,374ドルにもかかわらず12万ドル以上が集まったことがあります。これも、調達期間修了間近でどうやら資金調達をしている会社はかなり怪しいらしい、ということが明らかにされ、すぐにキックスターター側が資金調達をキャンセル、3,252名の資金がことなきを得たということもあります。

・法改正などの環境要因や、数年前に世間を騒がせた「グルーポンおせち」のようなトラブルひとつで、容易に岐路に立たされることも考えられます。(中略)リスクはしっかりと見極め、ルールを設け、啓蒙していくことが必要となるでしょうし、ぜひ実施するべきだと思っています。

クラウドファンディングの最新事情から、実施にあたっての具体的ノウハウまで、網羅的にまとまった良著です。クラウドファンディングの教科書ですね、これは。プロジェクトに挑戦するなら読んでおいて損なしです。

 

追記。

 

山本さんのクラウドファンディング本で知った事例。この売り方は面白いですねぇ。

Redefining premium menswear | Gustin

 

クラウドファンディング形式でジーンズを販売

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ジーンズブランド「GUSTIN(ガスティン)」のECサイトは、クラウドファンディング形式を採用していて面白いです。

事前購入者が一定数に達したら販売を開始する、というモデルになっています。在庫リスクがないので、企業にとっては非常に合理的な売り方ですよね、これ。

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彼らはキックスターターにも挑戦し、大成功したそうで。この成功に乗じて、自社サイトをクラウドファンディング化したというわけですね。

「2万ドル調達できたら、作っている新しいジーンズを、従来の小売り販売価格205ドルのところ、卸価格の81ドルで販売する」というものでした。(中略)このキャンペーンは人気を博し、最終的に4,010人から44万9,654ドルを調達します。

興味深いことに、この方式に変えたことで収益も上がっているそうで。

期限までに設定された注文数に到達しなければ、その商品は製作されません。予約金は予約者の元に返金されます。13年からこの戦略に切り替えた結果、ガスティン社の収益は前年の40倍になっていると言われています。

社員数は3名と小さな企業ですが、クラウドファンディングを採用することで効率的に運営できているのでしょうね。ブランドをうまく作るとこういう販売戦略ができる、というのは貴重な示唆です。日本でも追随するブランドが出てきそう。

 

というわけで、クラウドファンディングについて学ぶならこの一冊。日本におけるクラウドファンディング研究の第一人者である山本さんだけあって、流石の情報密度です。

 

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