ロングインタビュー

通信制高校で「プログラミング」を基礎から学ぶ!:「コードアカデミー高校」上野竜成氏インタビュー

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以前ちらっと紹介したプログラミングが学べる通信制高校「コードアカデミー高校」。無事に認可も下りたとのことなので、早速取材をさせていただきました。多分「イケハヤ書店」が史上初です。

コードアカデミー高校」の設立に携わった上野竜成氏のお話を、どうぞお楽しみください。

プログラミングを基礎から学べる通信制高校

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イケダ:そもそも、「コードアカデミー高校」はどのような組織が運営しているのでしょうか?

上野:長野県に「信学会」という学校法人があって、コードアカデミーは信学会が設立する学校法人立の高校なんです。ですので、株式会社立ではない、普通の通信制高校です。

昨年のちょうど今頃から作ろうと山脇(*キャスタリア株式会社の代表)が言い出して、1年でのスピード開校ということになります。私はキャスタリアに籍を置きつつ、コードアカデミー高校の仕事を現在しています。

キャスタリア自体は、スマートフォン向けの学習向けアプリを作っている、教育とITの可能性を追求している会社です。信学会も同様にITを用いた教育に可能性を感じている組織で、たとえば「デジタル幼稚園プロジェクト」なんかもやっています。幼稚園の先生にiPod touchを配って出席管理をやっていたり、iPadを用いた園児教育をしていたりするような、先進的な学校法人さんなんです。

イケダ:コードアカデミー高校は、キャンパスも長野なんでしょうか?

上野:はい、キャンパスも長野ですね。本校は長野県上田市にあって、ここは映画「サマーウォーズ」にゆかりのある街で、商工会議所さんがQRコードを使ったスタンプラリーというのをやっていたりするなど、ITが大好きな街なんです。コードアカデミー高等学校にはぴったりだと思います。

実際に本校へ登校するスクーリングは年に2回あって、現在は施設の準備などを進めています。長野県知事より正式に設置の認可をいただいて、今年の4月に開校する予定です。生徒は4月に必ず入学しないといけないわけではなく、毎月1回入学式をやるかたちで集めていきます。

イケダ:上野さん自身、突然この仕事を任された感じだと思いますが、もともとこういったプロジェクトに興味がおありだったんですか?

上野:はい、これは僕自身もやりたいことでした。僕は福岡県の志賀島という田舎の島の出身なんですよ。当然島には学習塾なんかもなくて、大学へ進学する人もあまり周りにはいませんでした。そこで色々ときっかけを与えてくれたのが、インターネットだったんですね。以来ずっとインターネットと教育の可能性は感じ続けてきたので、このコードアカデミー高等学校というプロジェクトに関わることができて、本当に楽しいですね。

デジタルで学ぶ:Google+がオンラインキャンパス

上野:当校最大の魅力はプログラミング学習が必須になっている、という点です。コードアカデミー高等学校は「デジタルで学ぶ、デジタルを学ぶ」というスローガンを掲げています。

イケダ:「デジタルで学ぶ」ですか。

上野:「デジタルで学ぶ」の方ですが、Google+というGoogleのソーシャルネットワークサービスを、学習のメインのプラットフォームで使うということにしており、私たちはこれを「Googleキャンパス」と呼んでいます。そこで世界史なら世界史、数学なら数学で各々のコミュニティをつくって学習をしていただく予定です。

このシステムの利点としては、第1に、場所や時間に縛られないということが挙げられます。添削課題もGoogleスプレッドシートで作って、わからないところがあれば生徒がそこで質問をし、先生(メンター)が回答する、という形です。

通信制高校の生徒には、タイムスケジュール管理が難しいという問題があります。既存の学校はすべて郵送で課題をマネジメントしていましたが、提出率が悪くなりがちだということです。当校ではGoogle+のイベント機能を用いることで、Googleカレンダーと同期するかたちになっており、締め切りや予定を忘れることも少なくなると思っています。

さらに、1対1の学びではなく、色々な生徒が関わる学びの場をGoogle+上につくっています。ともに学びあい、教えあう。そんな生徒たちの場をうまく先生がコーディネートしていく。それが理想の形ですね。

とはいえこのGoogleキャンパスが万能かというとそうではなく、たとえば手書きの答案はどうするか。今まさに試行錯誤している段階で、最適解を試行錯誤しながら模索しているところです。

「普通科高校」で「デジタルを学ぶ」

イケダ:コードアカデミーは「普通科高校」なんですね。

上野:はい。「コードアカデミー高校」というと専門学校、高専(工業専門学校)のようなイメージですが、あくまで普通科なんです。コードだけでなくちゃんと国語数学などの一般科目も勉強できますよ、というのも1つのメリットです。

イケダ:ということは、そうした科目を教える教師の方も必要でよね。

上野:はい、普通科の高校なので、当然各科目ごとに信学会の先生方が指導にあたります。先生方にも当然Google+をご利用いただいてコミュニケーションをしていただく予定です。

イケダ:なるほど。もうひとつ「デジタルを学ぶ」についても教えてください。

上野:本校の一番の特徴は「デジタルを学ぶ」という点です。当校は普通科の高校で、単位制になっています。

普通科として必修の科目もありますが、それを学びつつ、20数単位は学校独自の設定科目として、プログラミングやウェブデザインなどを学べる授業を提供していきます。また、普通の高校は時間割をあらかじめ学校を決めてくれますが、当校は自分でカリキュラムを組むことができることができるようになっています。

単位制の高校なので色々な生徒さんにフレキシブルに対応でき、たとえば高校を中退しており「数学はすでに勉強したよ」という方は、申請をいただければ、数学に関する単位は取得する必要はありません。なので、理論上は「プログラミングだけ学ぶ」というのも可能です。こちらに関しては、個々人の事情によりますので詳しくはまずは学校へ問い合わせをいただければ、と思っています。

まずは「プログラマー脳」を鍛えることから

イケダ:「プログラミング」といっても実際は何を学ぶんですか?

上野:具体的には、1年生では必修科目「プログラミング演習Ⅰ」で、プログラミングの基礎に親しんでいただきます。プログラミング言語には色々な言語がありますが、まずはプログラマーとしての考え方を身につけるために、前期には「Sunaba」という日本語のプログラミング言語を学んでいただきます。

やはり、中学校から卒業したばかりの生徒さんだと、英語の羅列を見ただけで嫌になってしまう可能性があります。そこで、日本語で書けるという特徴のあるプログラミング言語の「Sunaba」を使い、プログラマーとしての「脳」を形成しようと思っています。

この「Sunaba」で半年から一年弱学習したあと、次にJavaScriptの学習をしていただきます。まずはブラウザ上で動く言語がいい、という判断のもとです。

イケダ:教えるにあたって、生徒間のレベル差が難しそうですね。

上野:はい、生徒層にはかなり幅があると思っていて、初心者から得意な方も生徒にいると考えています。ですので正規のカリキュラム以外に「部活」という課外活動を用意しています。メインのカリキュラムと「部活」が2つの柱になり、プログラミングについて様々なレベルから学んでいくことができるようにする予定です。

「部活」に関しては、基本的には生徒の自主性に任せる予定ですが、それだけでは足りないことが想定されるので、TAや企業のエンジニアの方にに指導をしていただく環境を整えているところです。生徒がこんなアプリを作りたい、という声があったら、「ここで教えてもらえば?」と提案したり、ハッカソンのようなイベントの計画もしています。

プログラミングというと1人きりになってしまいがちですが、本校ではそうではなく、わからないことはGoogle+でウェブ上のやりとりだったり、時には対面でも学ぶことができる仕組みを実現するつもりです。

また、2〜3年は「部活」に加え「インテンシブ」や「マイプロジェクト」というメニューを用意し、プログラミングだけでなく、たとえばプロジェクト管理の方法なども含め、ソフトウェアやアプリ開発のすべてを学んでいきます。

そのまま「起業」という選択も

イケダ:コードアカデミーを卒業後はどんな進路選択ができるんでしょうか?

上野:想定している進路としては、3つあります。

まずは大学進学です。もっと専門的なことを学びたい、という方向けですね。たとえば、SFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)では再来年度より教科「情報」を使った入試が始まります。ですので、そういったデジタルを入試に活用する大学がまずは視野に入ってくるかと思います。また学校法人信学会は大きな予備校を持っているので、そこで受験対策できるというのも当校の強みのひとつです。

もうひとつは就職です。卒業してからエンジニアとして企業へ就職するという道ですね。こちらに関しては、在学中から企業との協働体験を行い、実務経験をしてもらう仕組みも用意していく予定です。

そして3つ目は起業です。「自分が作ったアプリで食っていく!」という骨太な生徒向けです。実際に、様々な方から起業への支援をいただけるという話もいただいております。こんなアプリやウェブサービスを作りたいから起業したい、という方には本校でサポートできるのではないか、と思っています。

この3つの柱を、しっかりと3年後までにつくっていきたいと考えています。

現在出願受付中

イケダ:現在の出願状況はどんな感じなんですか?

上野:2月より出願を開始して、現在はお問い合わせをいただいているというところですね。現在中学3年や2年生の方はもちろん、中学卒業後にあらためて高卒資格を取りたいという社会人の人や、今は進学校に在籍しているけど、転校してコードアカデミーに行きたい、という方もいらっしゃいますね。

また、お問い合わせいただいている生徒さんのなかには意外と女の子も多くいらっしゃいます。

イケダ:女子生徒!意外ですね。

上野:「女子高生の4割は1日6時間以上スマホを使っている」なんてニュースが最近ありましたが、やっぱり若い子たちは本当にスマートフォンやインターネットに対してなんの抵抗もなく馴染んでいますね。特に女の子はブログやデコメをつくったりする際に、タグを使っていろいろ装飾をする経験が多い。実はそのタグ付けだったりが原始的なプログラミングの体験となり、もっともっと調べていくと本格的に学びたくなった、というモチベーションのお子さんも多いですね。

イケダ:なるほど。こういったプログラミングが学べる高校って、他にはあるのでしょうか?

上野:似たようなところは、今のところ普通科の通信制高校ではあまり聞かないですね。「デジタルで学ぶ」というのは多くの学校さんでやられていますけど、「デジタルを学ぶ」という点ではコードアカデミー高校が最先端だと思います。

実は現時点の募集地域は制約上「東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、長野県に住居がある方」となっています。今後は入学できる地域を来年度以降に増やしていく予定です。

イケダ:ちなみに、学費は実質いくらぐらい掛かるんですか?

上野:取得単位数やスクーリングの回数などによるので一概にはいえないのですが、中学を卒業して当校に通われた場合、3年間で100万円くらい、1年当たり30万円程度ですね。

イケダ:いや、普通に安いですね。そんなもんなんですか。

上野:全日制私立高校に比べ、比較的低額に抑えられています。単位制の高校なので、1単位あたり1万円という価格設定です。実際は文部科学省の「就学支援金制度」を利用することができるため、かなり安価に学ぶことができます。

Google検索の能力を問う入試課題、ネットを使った家庭科の授業

イケダ:入試はどういった仕組みなんですか?

上野:実は、入試問題はウェブで公開しています

上野:ひとつは必須のGoogle検索能力を問う問題です。そしてもう1つが選択式で、インターネットやウェブに関する課題作文です。でも実は分量はそれほど多くなく、200文字、2ツイート分ですね。選択式の課題では、これまでアプリやウェブサイトを作った経験があるならそこにURLを貼ってください、というものもあります。

こういった入試をこなしてもらい、当校で特に問題がないと判断すれば入学していただくという形になっています。「インターネットやスマートフォンなんか大嫌い!」という方には向いていないかもしれませんが、基本的に大きく門戸は開いているつもりです。

イケダ:そのほかになにか特徴はありますか?

上野:プログラミング科目は当然ですが、一般科目のなかで企業さんとの連携をさせていただこうと思っています。たとえば、家庭科では食事を自分で作ってインターネットサービス上にアップするのを課題にしようとか、体育では運動測定バンドを腕につけてやってもらったり…。

また、スクーリングとして、夏と冬にハッカソンのような開発合宿をやったりする予定です。

イケダ:面白いです!民間企業との連携は画期的ですね。1学年あたりはどの程度の人数が在籍するイメージなのでしょうか。

上野:受け入れ人数の想定としては最大で80人を考えています。とはいえそれは最大の数なので、初年度は30人くらいの規模を考えています。

イケダ:かなり少人数なんですね。

上野:やはりプログラミング学習は、生徒とTAや先生の親身なコミュニケーションが必要となります。ですので必然的に生徒数は少なくなりますね。少ない分、中身をぎゅっと濃いものにしたいです。

インターネットが好きな生徒、大歓迎

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上野:正規の通信制高校としてプログラミングを必修科目にしているというのは当校が初めてなので、本格的にプログラミングを始める良いきっかけには本当によい高校だと思います。

すでにプログラミングを自分でバリバリやっている子も歓迎ですが、インターネットが好きで、ネットに関わる仕事がしたいという人なら大歓迎です。

プログラミングの知識は、たとえば将来自分でアプリ開発をしなくても、エンジニアへ仕事を依頼する際に役立ちますし、もはやインターネットに関わらない仕事などほとんど無いはずです。それを普通科の高校で学べるというのを売りにしていきたいと思っています。

コードアカデミー高等学校では説明会や個別相談を随時行っています。説明会に来る生徒たちは、やっぱりネットが好きな人が多いです。気になる方は、ぜひ資料請求をしていただきたいと思っています。送料も無料でご家庭にお送りします。

コードアカデミー高等学校で、一緒に人生を切り開いていきましょう!

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というわけで、日本初の本格的にプログラミングが学べる通信制高校。関心がある方はぜひ問い合わせてみてはいかがでしょうか?ぼくが高校の頃にも、こんな学校があったらなぁ。
 

通信制高校コードアカデミー高等学校

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