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「高知」から全国の医療を変えるモデルを生み出す:高知医療再生機構・鈴木裕介さん

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高知に出張をしてきました。現地で活躍するイノベーターを取材することができたのでここに書き残しておきます。高知で医療再生に取り組む若手人材、高知医療再生機構鈴木裕介さんです。

 

高知から医療を変えるイノベーター

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イケダ:というわけで、早速お話を聞かせてください!鈴木さんって何をやっているんですか?

鈴木:普段は内科医をやっていて、この仕事は6年目ですね。県庁のなかに外郭団体で「高知医療再生機構」というのがありまして、ざっくりいうと高知の医療再生させようということで、そちらの活動にも携わっています。

背景として、高知は若い医療従事者が減っているんです。どの地域にも言えるんですが、やはり都会に流れてしまっていて。ぼくらの同級生なんかも、みんな高知が好きなんですけど、医学部を卒業したら「高知はオワコン」だからと去っていって…それはさみしいな、と。

ぼくは県外から来ているんですが、高知に愛着もあるので何かできないかと。医療に関わりながら、仲間と勝手にプロモーションみたいなのをやりだしたんです。それがたまたまちょっとうまくいって、医療再生機構に関わることになりました。

イケダ:たとえばどんなプロモーションを打ったんですか?

鈴木:リクルートみたいなところがやっている「合同就職説明会の病院版」があるんですが、高知県はブース出してもスルーなんですよ。みんな興味がないから。

で、これじゃいかん、ということでプロモーショングッズを作ろうといって、こんなものを配っていたんですよ。

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イケダ:うーん…普通のティッシュですねこれ。

鈴木:配ってもぜんぜんスルーです。医療従事者なので、やっぱり見せ方はうまくないわけですね。誤解の無いように言うと、デザイン自体は有名なデザイナーさんのものなんです。でも、そもそも興味の無いターゲットに刺さるかというとそこまでじゃない。プロモーショングッズは面白くないと刺さらないので、こんなものを作りました。

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イケダ:これはなんですか?(笑)

鈴木:「胸骨正中切開ティッシュ」です(笑)ティッシュの開き口と心臓手術の切開線を合わせてみました。これが「医学部あるある」的にバズって、1万個近く配ることができて、見学を増えすことができました。とまぁ、3年くらいこんなことをやっていて、僕らの活動以外にも色々と要因はあるんですが、今は高知県全体の研修医の就職が増えつつあり、今年は歴代最高の人数になりました。

イケダ:なんとまぁ、すごいインパクトを出しているんですね…!

鈴木:すげー楽しいっすよ(笑)ほかにも、このメモ帳、医学部生たちに、白衣の胸ポケットに入れてもらうために作りました。これもまぁまぁ受けましたね。ダジャレになってるんです。

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もともとこうした活動を趣味でやってたんですが、「病院のような箱ものではなく、ソフトにお金を使おう。特に『若い人』にお金を使おう」というマインドをもっている機構のトップと出会うことができて、今の仕事にたどり着きました。

イケダ:なるほど。様々なプロジェクトをやられてきたんですね。

鈴木:もともと「コーチレジ」という団体をやっていました。まさに色々やっていて、たとえば勉強会が面白くないので「飲み放題付きの勉強会」を病院の食堂でやったりなんかもしましたね。

 

イケダ:さすが酒飲みの高知(笑)病院の食堂で飲み放題というのは破天荒ですねぇ。

鈴木:はい(笑)ぼくが一番問題意識を感じていたのが、研修医が抑うつ状態になる確率って、25%なんですよ。ヤバいな、と。ぼくの友達なんかも倒れていったというのがあって…さらに、既存の相談窓口もあまり機能していなかったんです。

そういう現状があるなら、まずは気持ちがわかる人同士のネットワークを作ろうと思い「SafetyScrum」という医療従事者のネットワークを作りました。これがうまくワークして、心療内科学会で賞をいただいたりもしました。

僕たち「セーフティスクラム」は、研修医のメンタルヘルスの向上を目的としたレジデント・研修医を主体とするネットワークです。皆さんが研修生活においてメンタルストレス不全に陥ることなく、充実した研修をしてもらうために若手独自の視点でさまざまなシステムを用意しています。

セーフティ・スクラム制度 ~研修医のメンタルヘルスを守るためのセーフティネット~

ぼくらレベルがやっていることでも、それなりにちゃんとしたことをやれば役に立つこともできる、という実感を得たんですよね。

 

医療従事者に医療以外の専門性を身につけ、さらなる問題解決へ

イケダ:すばらしいです、医療分野のイノベーターですね!今も色々仕掛けているんですよね。

鈴木:「Medical Ryoma Project」というのもやっています。ヒト、モノ、カネというけれど、ぼくはヒトさえいればなんとかなると思っていて。良いヒトがいればモノもカネも付いてきますよね。そんな人材を育成するために、医療従事者が世界で学んで、地域で生かす、という仕組みをつくりたいと思っています。

病院で起こっているような問題は複雑で、その解決策は多様です。医療だけでなく経営などにも問題があったりするので、たとえばMBA、公衆衛生、IT、MBA、公衆衛生、IT、政策、デザイン、データサイエンス、そういった専門性を医療従事者に身につけてもらい、この地域で実験的に生かしてみたら、日本の医療を変える良いモデルができるんじゃないか、と思っています。

イケダ:異分野の勉強を支援するということですね。

鈴木:はい。高知の問題は、高知だけではないんです。僕は医療における、地域イノベーションの教科書をつくろうと考えています。ここ高知から、全国で再現性のある成功モデルを作る、ということです。

今はまだ、各地域にいる「イケてる医療関係者たち」がネットワーク化されていないんですよね。そこをつくって、成功例・失敗例をシェアして、地域連携して底上げをしていきたいと考えています。高知でたまたまうまくいった例をシェアして、またはその逆で、高知に輸入したり…。

なので、ぼくらだけでやっていても仕方がなくて、医療従事者はもちろん、NPOとかITとかヘルスケアベンチャーと手を組んでやっていきたいと思っています。ネットワーキングのフェーズということで、ちょうど昨日、仲間と一緒にお金を出し合ってシェアオフィスを立ち上げました。「どうもここに面白い人たちがいるぞ」と思ってもらえるリアル空間をつくっていこうとしています。

 

「Why」のある人生は、楽しいし、ラクである

イケダ:すばらしいです。医学部の学生に聞いてもらいたいですね!この熱さを。医学部生って、頭はいいけど、意外と安定志向というか、レールに乗った生き方が前提になっている印象があります。

鈴木:まさに、専門医を取るのが短期的な目標になってしまっていて、取ったあとに「どうしよう」となってしまう人が多いですね。そんなわけで、医療再生機構ではキャリア支援もやっていたりします。

やはり、受験戦争と安定志向で入ってきた人が多いのが現状で…自分自身を振り返っても「Whyのない生き方は辛いよ」ということはありますね。

イケダ:名言ですね。どれだけ給料が高くても、何のためにやっているかわからない仕事は辛いです。

鈴木:今の仕事をはじめて給料は下がったけど、幸福度は4倍くらいになっています。毎年今はピークだ!といえるのはいいですね。5年後は予測が付かないのって、楽しいじゃないですか。「ジャンプ」っぽくて(笑)この方が楽しいし、ラクだな、と思っています。

今作ったシェアオフィスで100回イベントとサロンをやるというのがひとまずの目標です!それができなかったらすぐに撤退します(笑)。イケダさんもよかったらぜひ来てください。

イケダ:はい、必ずやお邪魔します!次は戻り鰹の時期に行こうと思います。

 

こんな人材が高知に!

NPOクラスタだけでなく、医療クラスタにもこんな人材がいるとは。高知は何か新しいことをやるには相応しい土地なんでしょうねぇ。医療を変えたい!と考えている方はぜひ鈴木さんとつながっておきましょう。鈴木さんはしばしば東京にも出張で訪れているので、比較的会いやすいと思われます。

 

鈴木 裕介 (usksuzuki)さんはTwitterを使っています

 

鈴木さんが共著で関わっている著作もご紹介。インパクトあるタイトルですねぇ。

高知出張記事の一覧

高知の旅はすばらしくて、たくさん記事を書いています。よろしければこちらもぜひ。

 

「ヘルスケアハッカソン in 高知」参加レポート:高知県の医療費が全国最高の理由とは?

まさかのヘルスケアハッカソンが高知で開催!30人近い方々が集まり、新時代の医療ソリューションについて考えました。

移住日記 : まだ東京で消耗してるの?

 

高知初のハッカソン開催!で、ハッカソンって何?

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ハッカソン。不思議な言葉です。なんか薬みたいですが、「ハッキング」と「マラソン」を掛け合わせた言葉でございます。「マラソンのように長時間かけて、ウェブサービスやアプリケーションをみんなで作ろう!」という楽しいイベントのことを、一般的にハッカソンと呼びます。

今回は特に「医療」の課題を解決するウェブサービス、アプリケーションを作る「ヘルスケアハッカソン」というお題になっています。高知医療再生機構の鈴木裕介さん、元・博報堂イノベーションラボの清水愛子さんのお話が聞けます。

鈴木さんからちらっとトークの内容を伺ったのですが、東京でも滅多に聞けないレアな情報がてんこもりになりそうです。凄いですよホント!高知住んでてよかった!

高知はなぜ医療費が高い?

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いやー、ホント、こういう場を高知で作れるとは。医療従事者、NPO、ビジネス、エンジニア、学生と幅広く意識が高い人たちが集まりました。東京時代にお会いした某有名IT企業の取締役の方と再会できて驚きました。よくぞ高知まで。

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今日はテレビカメラも入りました。ローカル放送で流れると思います。新聞にも出るとか。

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まずは高知医療再生機構の鈴木裕介医師、元博報堂イノベーションラボの清水愛子さんからインプットがありました。簡単にメモしたので貼り付けておきます。

途中、病床数と入院医療費のグラフが紹介されたのですが、見てくださいこの高知の突き抜けっぷり!病床数もずば抜けて高く、入院医療費もずば抜けて高くなっています。これから医療インフラをどう作り替えていくかが課題ということで。高知の医療費が全国トップである背景には、こういう事情があったんですね。

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続いて清水さんのお話。コミュニティデザイン関連の事例が紹介されました。

ぼくからは国内外のヘルスケアスタートアップをザザザーッとインプット。20分なので駆け足バージョンです。

素敵なアイデアがたくさん

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今日は時間の関係もあり「アイデアソン」が中心となりました。出てきたのは以下のアイデア!

  • 死生観チェッカー(自分がどのように死にたいかを考えるきっかけを与えるサービス。「あなたの死生観はブッダタイプ」など、ライトに楽しめるのがポイント)
  • 世界で一番、幸せに逝こうぜ!LAST☆DANCE(病人、死期が近い人の希望を叶えるパーティ・ライブ開催ビジネス)
  • RYOMA BASE(新しい保険組合の仕組み:診察カード&お薬手帳を兼ねた専用のクレカ、会員SNS、薬剤・医師のクチコミ、薬のデッドストックの販売などの機能・サービス提供。予防にインセンティブを付ける仕組みを採用)
  • 移動型おくすりcheCAR(患者さんの「残薬」を回収する車。薬剤師とデータ入力スタッフを載せて巡回。ドクターや自治体に服用状況データを提供。)
  • 高齢者用SNS(仏壇や下駄、位牌などをスマートデバイス化し、コミュニケーションを発生&データ収集)

気になる最優秀賞は、「移動型おくすりcheCAR(チェッカー)」となりました。残薬の回収を通してコミュニティに関わるという独創的なアイデアが評価されました。今回はアイデアのみでしたが、ぜひとも高知で実現してほしいプロジェクトです。

 

熱いよ高知県民!

正直、想像以上に参加者の熱量が高くて驚きました。みなさんモチベーション高くて実に積極的。出てきたアイデアもクリエイティブで本質的なものばかり、高知でハッカソン(アイデアソン)なんてできるのか?と思ってたんですが、すばらしく実現できちゃってました。なめてましたごめんなさい。

鈴木医師が言うように、高知は課題先進県で、最先端のソリューションが生まれやすい土壌があります。第二回以降の開催も楽しみですね。高知から世界的なイノベーションを生み出していきましょう。

 

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