賛否両論?イケダハヤトが物申す

「取材記事は発表前に確認させてください」?時代遅れな広報パーソンに物申す

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これからの情報発信アプローチについて考えることがあったので、書き落としておきます。

「広報確認」という時代遅れの考え方

ぼくは取材記事を書くことも多いんですが、基本的に「広報確認」という作業が発生しないようにしています。必要に応じてインタビュー対象者に原稿を「こちらから」ご確認いただくことはありますが、基本は確認なしで発信させていただくのが前提ですね。これまでそう大きなトラブルは起こしていません。

で、特に大きな企業だと、インタビューをする際に「広報確認」が必須だったりするんですよね。「インタビューするのはいいですが、まずはできあがった原稿を見せてください。あと画像素材もすべて。広報に確認します」的な。

これがライターとしては非常にだるい。先方に何の悪気はなくても、げんなりします。「ここはオフレコでよろしく」と、注意点を口頭ベースで伝えてくれれば、それで十分じゃないかなぁ、と思ってしまうわけです。どんだけ警戒しているんですか…と。

冷静に考えると、それはインタビューを受ける社員に対しても失礼なわけです。要するに「こいつはまずいことを喋ってしまうかもしれないから、一応広報でも確認しておくか」ということですから。

事業をする上でどこまで自社のことをPRするか、という線引きの問題はありますが、「もっと自社のことを知ってもらいたい」という前提があるのなら、「広報確認」という作業は時代遅れきわまりないです。人件費の無駄です。広報が人力で確認している暇があるなら、信頼できるライター、ブロガーを見つけてバンバン好き勝手個人名で書いてもらった方が成果出ますよ。

そもそもの問題として、もはや「自社に関するすべての情報を、広報で事前に確認すること」などできないわけです。そのポリシーを貫こうとすると、社員のツイートまですべて「広報確認するから、ツイートの内容は事前に教えてくれ」とお願いすることになります(笑い話ですが、それを地でやろうとしていた組織を知っています)。

これから時代においては、情報発信のハンドリングはある程度諦めるのが「前提」です。もはや自社に関する情報は、広報の確認を経ずに出て行くものです。

そういう前提にたったとき、広報の主たる業務は「自社に関する情報をコントロールした上で発信すること」ではなく、「信頼のおける人に、問題のないかたちで自社について発信してもらうこと」「万が一、問題がある情報が流れたときに迅速に訂正を求めること」に変化していきます。いつまでも管理しようとしていては、情報のスピードでも、量でも、質でも競合他者に劣ることになるでしょう。広報活動に力を入れたいのなら、それは厳しいボトルネックになります。

そんなことは広報担当者の方もわかっているかなぁ、と思いきや、未だに古くさい考えの広報パーソンがいらっしゃるんですよね…。

レッドブルやAmazon、Appleのように、強固な経営哲学があった上での広報戦略ならまだしも、「もっと自分たちのことを知ってもらいたい」と考えているのに、すべての情報を逐一管理しようとする人たちがいることに驚きます。

だいたい考えなしで「万が一なにかあったらまずいから」くらいの理由で確認しようとするんですよね。繰り返しですが、人件費の無駄です。あと、不信をばらまくことで、関わる人のモチベーション削いでます。

…というわけで、基本的にぼくが取材記事を書くときは、原則的に確認を行いません。ぼくはジャーナリストではないですが、本来取材とはそういうものであるとも思います。その点をご容赦ください。

…とはいえ、こちらの判断で原稿確認をお願いをすることの方が多いのが実際なんですけどね。確認してもらった方が原稿としての質が上がることも往々にしてあるのです。

そういう意味では、「攻めの広報確認」という考え方はありだと思います。編集者として、よりエッジを立たせるために、もっと多くの人に読んでもらうために、一度自社の手を入れる、と。そんな考えの広報担当者も今後は出てくると思います。

広報の仕事って実は激しく再定義されています。変化に気付いた会社の広報は成功するでしょうし、その逆の広報は業界的に遅れていくでしょう。個人的にはランサーズクラウドワークスの広報力の勝負が良いベンチマーク先になるかなぁ、と見ています。ここら辺はまた別途分析を書いてみたいと思います。

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