コモディティ化が進むと、意味的価値が重要になる

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米国では電子書籍端末が各社から出ていますね。国土の広いアメリカでは、「その場で手に入る」電子書籍は需要も高いのでしょう。日本には電子書籍の波は来るのでしょうか。


半導体メーカーに勤める身として最近強く思うのは、製品のコモディティ化(語義はこちら)が急速に進んでいること。

こんなことは前から言われていますが、最終製品なんてものは、ある程度の製品なら簡単に「組み立てられる」ようになっちゃっているんですね。「秋葉原に行けばWiiを作れるだけのパーツが普通に売ってる」という話をエンジニアの方から聞いたことがあります。自作パソコンというものがあるように、ちょっと技術と知識があれば、それこそ個人だって「自作電子書籍リーダー」を作れてしまいそうです。

そんな時代には意味的価値が重視されます。意味的価値とは、何ぞという話ですが、WiiはPS3より意味的価値に長けています、と言えば分かっていただけるでしょうか。Wiiの性能それ自体はPS3に格段に劣ります、がWiiのインターフェイスやコンテンツは、多くの人にとって価値のあるものです。Wiiの方が製造コスト的には格段に安いわけで、高コストなPS3と比べて、利益率も格段に違ってきます。

こちらの図が非常に分かりやすいです。他にも多くの論文で議論されている話なので、興味のある方は是非(検索結果へ)。

value
出所:(PDFです)「コモディティ化による価値獲得の失敗:デジタル家電の事例(2006)」







で、この意味的価値ってのは、これからはソーシャルメディアとかなり絡んでくるのではないか、と考えています。


電子書籍端末を例に出せば、差異化の要因となるのは製品のスペックそれ自体よりも、むしろコンテンツの方にあります。安易な例ですが、A社の端末は30,000円だけどFacebookやmixiも見れるのなら、同スペックで25,000円の端末より魅力的なわけです。コンテンツの量・質が価格に大きく影響するのです。

無線タグやLTE(次世代通信網)といった技術のおかげで、あらゆる製品がインターネットにつながる時代は近いです。一方であらゆる部品がコモディティ化し、性能面での差異化は難しくなります。高コスト体質な日本は、性能勝負では絶対に価格で負けを見ます。そんな時代のものづくりは、意味的価値の重要性がさらに高まります。消費者はもはやスペック欄なんか見ていません。どんなコンテンツが利用可能なのかを見ているのです。

現場の第一線でものづくりをしている人にこそ、ソーシャルテクノロジーの可能性にも目を向けて欲しいと思います。技術的には日本企業にだってiPhoneを作ることができるのですから。ソーシャルメディアのエッセンスをどう製品に取り込んでいくか、ということは今後非常に重要になってくるのではないでしょうか。

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