クリス・ギレボーの著書が和訳されてますね。これ原著でも読みましたが、大変ワクワクする一冊です。「よし!なんかやってみるか!」という気にさせてくれます。





「1万円起業」とは何か



「1万円起業」は、要するに「コストを掛けず起業する」という話。テクノロジーを積極的に利用すれば、低コストでマイクロビジネスを立ち上げることができる、という主旨です。

小規模なビジネスは昔からあったが、今ほど多くの可能性が、ちょうどいい場所とタイミングで、そろって登場した時期はなかった。「機械オンチ」という言葉が死語になるほどにテクノロジーは使いやすくなり、かかる費用も劇的に減った。

新しいアイデアはすぐにテスト販売できて、見込み客の反応を見るのに何ヶ月も待たなくてもいい。オンライン決済サービスPyaPalのアカウントはほんの数分もあれば開くことができ、180カ国以上の買い手からたちまち送金を受けられる。


本書は、そうした低コストのマイクロビジネスの事例と、それを実践していく上での考え方をまとめた本です。著者も書いているのですが、マイクロビジネスは「キャリア選択において何がリスキーで何が安全か」の価値観を変えてくれる力を持っています。つまり、この本を読むと、「あぁ、会社クビになってもなんとかなるかも」と思えるようになるはずです




「1万円起業」事例集



というわけで、書中で紹介されている「1万円起業」をダイジェスト版でご紹介。

・営業マンとして25年勤めた会社を、突然クビになったマイケルさん。仕事を探している最中、家具屋を営む友人が「ベッドのマットレスが余って困っている」と嘆いているのを聞き、自分でウェブサイトで立ち上げ、販売することを決めます。思わぬ成功に驚きつつ、彼の妻が「押し売りしないマットレス店」というコンセプトでECサイトを開設します。独自サービスとして「自転車による配達」をはじめ、これが話題になり、持続可能なビジネスへと成長しました。

・企業内弁護士として高級取りの生活をしていたものの、「自立」への憧れを捨てることができなかったケリーさん。会社を辞めた休暇を利用してヨガの集中コースを受け、自身もヨガの個人レッスン教室を開設することにします。ターゲットは30〜45歳の多忙なキャリアウーマン。このビジネスは成功し、現在は850万円程度の収益を上げています。

・インドで「エクセルの達人になる」トレーニングを提供しているプルナさん。元々ビジネスアナリストでしたが、自身のブログでエクセル術を教える記事を書いたところ、これがヒット。ブログをきっかけにトレーニングプログラムに申し込んでくれる人が現れ、今では人気トレーナーとして約2,000万円を稼ぎだしています。

・大学の研究センターでCFOを勤める、旅行オタクのゲイリーさん。彼は経営者向けの旅行計画コンサルティングを副業として提供しています。経営者たちは頻繁に飛行機に乗るためマイレージが貯まりますが、その効果的な使い方を知りません。ゲイリーさんは250ドルの手数料をもらい、彼らのマイレージを効果的に活用する旅程を立てるというビジネスを展開しています。パートタイムの仕事ながら、年間750万円の収入になっています。

・ピアノ教師のブランドンさんは、自身の悩みでもあった「管理業務」を解決するためのソフトウェアを開発し、同じ音楽教師たちに販売。このビジネスは大成功し、年間3,600万円を稼ぐビジネスになっています。

・交通事故で会社を辞めざるをえなくなったカイルさん。趣味として楽しんでいた結婚写真を本格的にビジネス化しようと考え、「あなたの式の写真を撮ります」というウェブサイトを立ち上げます。1件から始まった依頼はクチコミで広狩り、今では世界中から依頼が集まり、年間900万円のビジネスに成長しました。



他にもEvernoteの解説をする電子書籍で1,200万円稼ぎ、Evernoteに転職することになったブレットさん、「パレオ・ダイエット」を助けるプランを販売し年間720万円を稼ぐジェイソンさん、旅行者向けの高額(約1万円)のクーポンブックを販売するスコットさんなどなど、多彩なマイクロビジネスの事例がまとまっています。




「1万円起業」の方程式



クリス・ギレボー氏は1万円起業の成功について、次の方程式を提示しています。

情熱やスキル+有用性=成功


まずは、自分が情熱を持っていること、自分がスキルを持っていることに着目します。たとえばぼくの場合は「ブログ運営」ですかね。で、この情熱・スキルは、人々にとって有用性があるかを考えます。言い換えれば、「市場価値があるかどうか」ということです。

今のところ、ぼくは「ブログ運営」自体では特段のマネタイズを行っていませんが、この情熱とスキルに市場価値があるならば、たとえば「ブログ運営を徹底的に学べる私塾」「ブログ運営の悩みを共有する会員制フォーラム」なんてマイクロビジネスが立ち上げられそうです。




著者も強調していますが、ここでのポイントは、「情熱だけ」では成功しないということです。「あなたのしたいことを他人がほしがるものにリンクさせよう」というアドバイスが提供されています。

冷静に考えれば当たり前のことですが、この「調整」は意外と難しいんですよね。「他人がほしがるもの」に寄ろうとすると「自分がしたいこと」からズレることは、往々にしてあります。





その他、実際にビジネスを始める上での効果的な考え方が多数示されています。元気を貰える良著ですので、働き方に悩んでいる方は手に取ってみるとよいでしょう。








同系列の本だと「月3万円ビジネス」も素敵です。ロングセラーで版を重ねているそうです。