こんな意見を頂いたので考えてみます。



クラウドソーシングはワーキングプアを量産する?



関連して、ちょうど大元さんが「国内クラウドソーシングはワーキングプアを量産する」という記事を書いていますね。ライター界隈で問題意識を持つ人が増えているみたいです。

たしかにクラウドソーシングサイトを覗いてみると、時給換算しても300円くらいにしかならなそうな低単価案件は数多く見られます。大元さんは、こういう案件がワーキングプアを量産することを懸念しているようです。

たしかにそういう懸念にも一理あるのでしょう。というか、そういう負の可能性は否定しようがありません。懸念するだけなら誰でもできるので、この記事ではもう少し具体的に、解決策をイメージしてみます。




高単価な仕事の流通を促す



まず第一に、単価の高い仕事「も」増やしていけば、この種の問題は解決に近づきます。

低単価の案件がはびこっているのは、あくまでクラウドソーシング黎明期だからだと考えることもできます。今後、発注者のリテラシーが高まり、案件の幅が広がっていけば、自然と「実績」になりうる高単価の仕事も増えていくでしょう。

裏を返せば、クラウドソーシング事業者は、高単価案件をどれだけ流していけるかが差別化のポイントとなります。ここはプレーヤー間で競争原理が働くポイントなので、個人的には楽観的に見ています(いずれ彼らは「ランサーズには高単価案件が溢れています」みたいな売り文句で競争しあうようになるでしょう)。

時代が進み、サービスが進化していけば、コモディティ的ではない案件も増えていくと予想します。





「最低時給」の導入



それでも低単価労働が問題になる場合は、「最低時給」のような概念を導入するのが解決策になるでしょう。

事業者側でプラットフォーム上の「最低時給(たとえば750円)」を定め、発注者はその最低時給を上回るように発注内容と報酬を調整する。受注者が実際に仕事をしてみて、どうやっても最低時給に満たないような案件だった場合は、発注者にマイナス評価(「この案件は提示された時給とはかけ離れています」)が付く、とか。

クラウドソーシングサービスは百花繚乱状態ですから、差別化の意味で、「最低時給」的な仕組みを導入するプレーヤーも登場すると予想します。




法的な規制



それでもやっぱり問題になるようなら、最終的には法的な規制が必要になってくるのでしょう。

こればかりは、残念ながら問題が発生してから「後追い」の規制になってしまうのでしょう。理想的には、問題が起こる前に、法律や労働の専門家を巻き込んで、業界団体としてフリーランサー保護のための法案を提案できるとすばらしいですね。




クラウドソーシングはグローバリゼーションと同様に、不可避の流れです。ぼくらはさらに強烈な競争に晒されます。競争が高まるということは、平均的な仕事の単価は下がるということです。「大連に住んで、中国人と同じ価格で仕事をする日本人」も登場していると聞きます。

「ワーキングプアが量産される可能性がある」のは当たり前のことですので、具体的にどういう仕組みや個々人の態度があれば、そういう未来を防げるのか、その点の議論を深めていきたいですね。みなさんも何かよい仕組みがあれば、ぜひアイデアをください。





クラウドソーシング関連ではもっともよくまとまっている一冊。Kindleで安く買えますので、未読の方はぜひ。