これはいい流れですねー。持ち家志向が低下しているそうです!

「持ち家」志向、7割台に低下 平成25年版「土地白書」で意識調査 (産経新聞) - Yahoo!ニュース




持ち家幻想の崩壊



持ち家なんてものは、ムダな買い物だと思っています。5年、10年ならまだしも、35年ローンとか正気の沙汰とは思えない。わが家の場合はもしも家を買うとしても、現金一括、子どもが巣立ったあとに、地方にこじんまりとした家を買う、というイメージしか持つことができません。

これからは日本の人口がバンバン減少していきます。このグラフを見て、持ち家を変える人の気持ちがいまいちわかりません。マゾなのですか。今から約35年後、2050年には1億人切っちゃうんですよ。

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この激動の時代に、一カ所に居を構えるというのも実にリスキーです。関東圏では大震災が来る来る言われてますし、二重ローンになる危険なんかもかなり現実的では。

二重ローン問題(にじゅうローンもんだい)は、災害などで被害を受けた住宅のローンなど、もともとあったローンの支払いにより、再建のための資金調達が困難になったり、あるいは、新たなローンを組むことで二重のローンを負担に苦しめられたりすること。

二重ローン問題 - Wikipedia





日本は政策的に持ち家を推進してきたわけですが、ここに来て人々がようやく現実的になりだした、ということなのでしょう。

背景として大きいのは、雇用不安なのかもしれません。フリーランスのぼくとしては、35年ローン!とか意味が分からなすぎて失笑モノです。1年後もわからないのに35年の借金をするとか意味不明すぎる。




日本の家賃は下がっていない



持ち家推進と関連しているのか、日本は家賃がまったく下がっていないことも知られています。バブルが崩壊したというのに、当時とまったく価格が変わっていない。デフレも何のその!というのは異常です。

住宅地地価と家賃の変化
家賃に見る価格の下方硬直性: ニュースの社会科学的な裏側より)


関連してこんな調査も。

1ヶ月間で家賃が変わらなかった住戸の比率は月次で99%、年率でみると90%になります。この90%という数字を他国と比べると、米国で2003年に政府の公式統計を使った分析結果では29%、ドイツでは78%ですから、日本が最も硬直性が高く、ついでドイツ、そして米国が最も伸縮的ということになります。

RIETI - 家賃と価格硬直性―ミクロの構造とマクロの結果





人々のマインドが大きく変われば、この価格硬直性は、早晩崩れていくでしょう。今は都内の家賃がアホみたいに高い(年収の3〜3.5割もザラ)ですが、ようやく常識的な水準(年収の1〜1.5割程度)に落ち着くのではないか、と期待しています。




賃貸価格の硬直性は、貧困問題と密接に絡んでいます。せめて若者や困窮者だけでも、低価格で自分の住まいを持てる社会にしていくべきでしょう。




また、日本の公営住宅は絶対数が少なく、住宅困窮者に住まいを十分に供給できていない。しかも、公営住宅をめぐる議論は限られた戸数の中で誰を優先して入居させるかということに終始し、数そのものを増やすという発想では語られない。

若年単身者は公営住宅入居資格すらないというのは、先進国の中では日本ぐらい。公営住宅を増やし、なおかつ若い単身者にも入居資格を与えるということが必要ですね。また、国の家賃補助政策がないのも先進国で日本だけです。住宅政策は国土交通省が所管し、社会政策ではなく建設政策とされてきたため、援助の対象となったのは建物を建てることだけでした」

平山洋介さん「国の家賃補助政策がないのも先進国で日本だけ」(2/2) | BIG ISSUE ONLINE


なお、住宅政策は縦割りに加え、魑魅魍魎が蠢く世界らしく、貧困問題の専門家ですらも、なかなかアプローチができないらしいです。この課題については、ビッグイシューが頑張っているので個人的に大変応援しております。




家賃は年収の3分の1とはよく言いますけど、みなさん正気ですか?1年のうち4ヶ月は、住むために働いているんですか?盲目的に住んでいる人は多いと思いますが、声を挙げるべきじゃないでしょうか?おかしいですよ、現状。




ぼくらの生活に密着しまくっている話なので、住宅政策についてはもっともっと議論が盛り上がるべきです。持ち家志向もいい感じに下がってきているようですし、賃貸物件の価格硬直性、貧困、少子化の問題なんかにもスポットライトが当たってほしいです。ぜひぜひみなさんも考えてみてください。

また別途論考を書きたいと思いますが、若者世帯への家賃補助は、間違いなく少子化に効くと思います。フランスでは、若者向けの住宅政策が充実しています。こうしたサポートは、フランスの高い出生率と決して無関係ではないでしょう(住宅政策と少子化について詳しい方、ぜひご意見をください)。

フランスでは、住宅ストックの17%を低家賃の社会住宅(公営住宅)が占める。その対象は低所得世帯であるが、日本のように年齢や家族形態によって制限されず、若い単身者でも入居が可能だ。

若年世帯は規定の所得水準以下であれば、家族向けや単身者向け(学生を含む)の公的住宅手当を受給することができる。また、若い失業者や就業者、学生などを対象とした住宅制度(ロカ・パス)として、借家契約の際の連帯保証人の代行、保証金の無利子貸与、未払い家賃の保証(18ヵ月まで)などのサポートがある。

川田菜穂子さんが語る「若者の自立を支えるフランス・スウェーデンの住宅政策」 | BIG ISSUE ONLINE