ぼくら日本人にとって、大変重要なセーフティネットである(フリーランスとしては割と切実です)生活保護に関する法律が「改悪」される、という話題が出ています。詳しく知らなかったので勉強がてらご共有。



申請の厳格化



こちらの記事がわかりやすいですね。おいおい、という感じ。

生活保護申請はこれまで本人や支援者が口頭で可能だったが、改正法案では必要書類を揃えて提出してからでないと申請できなくなる。

「本人の資産」「かつて勤めていた職場の給与明細」「家賃の支払い」などの書類を提出しなければならないのだ。


ホームレス状態にある人が銀行の通帳を、年金手帳を、家賃の支払い帳を、持っているだろうか? ブラック企業に勤めていた人が給与の明細書を持っているだろうか? 無理難題のオンパレードである。

生活困窮度の高い人ほど持っていない書類を揃えなければならないのだ。本当に必要な人ほど申請しづらくしているのが、改正法案の特徴である。

田中龍作ジャーナル | 「まず書類持って来い」 生活保護申請、コペルニクス的転換


はてなマークが頭に飛び交いますが、本当の話です。




もうひとつのポイントは「保護申請者本人のみならず扶養義務者(主に親族)の資産まで行政が調査できるようになっている」ということ。

国を頼る前にまず家族を頼れ、ということなのでしょうけれど、これでは「家族に知られず生活保護を受けたい」と考えている人の存在を排除することになってしまいます(DVを受けて命からがら逃げてきた人など)。

「扶養義務」は微妙なバランスの話で、正義論を戦わせる必要があるでしょう。ぼくは「家族を頼れない」という状況が存在するのを鑑みて、扶養義務は強化すべきではない、むしろ弱体化していくべきだとすら考えます。それが社会のあるべき進化の方向性です。




「おれたちの税金でのうのうと暮らすなんて!」という感情論が飛び交う「生活保護」ですが、普通に考えれば、ぼくたち一人ひとりにとっても超重要なセーフティネットです。事故や病気に遭ったら、普通に利用することになる制度です。

こういう貴重なセーフティネットを、動物的な感情をもとに、市民自らの手でダメにしていくというのは、なんとも馬鹿げた話です。ぼくは自分が税金払っているのは、自分が生活保護を受けることになったときのため、だとすら思っています。




というわけで、改悪問題についてはぜひ知っておきたいところです。

この改正案が実現すれば生活保護の受給者数も、不正受給の数も減るでしょうけれど、その裏では言わずもがな、多くの犠牲が生まれます。「自分は関係ない」という態度もまた鈍感で、治安の悪化、疫病の蔓延などを通して、生活保護を受給しない層にも影響は広がっていくでしょう。




興味がある方は、以下の報道なども合わせてぜひ。


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