別途読書メモを残していますが、この箇所がすばらしかったので切り出してみます。





リーダーシップ養成機関としてのNPO



あまり明示的に語られることがありませんが、NPOはリーダーシップ養成機関として優れた特徴を持っています。


伊賀さんは非営利組織がリーダーシップ育成機関として優れていると語ります。




理由その一は、NPOはそもそもリーダーシップなくして設立されないという点。

そもそもNPOは誰かの強力なリーダーシップがないと、設立もされないし、規模拡大や継続的な運営も不可能です。リーダーシップなくしては、活動に必要な人もお金も集めることができません。


NPOは誰かの明確な問題意識によって設立されます。例えばうつ病の問題を解決しようとする組織なら、代表の人間は「私はこの問題をなんとかして解決したい!」と強く願い、行動することで、組織が生まれるわけです。この立ち上がる、旗を立てるという行動はまさに、リーダーシップそのものです。




また、強力なリーダーのうしろ姿は、それ自体がフォロワーがリーダーシップを学ぶ機会になります。

活動を通して、メンバーの多くがリーダーを尊敬し、憧れ、ロールモデルとして意識するようになります。リーダーとは具体的に何をする人なのか、といった方法論も学びはじめます。こうして当初はボランティアとして参加した一般のメンバーが、次第にリーダーの行動や考え方に影響を受け、ある時から自らリーダーシップを発揮しはじめ、新しいNPOを設立するようなこともよく起こります。


こういうことは、いわゆる大企業はなかなか起こりにくいでしょう。ベンチャーなんかだと「社長の姿を見て、俺も経営者になりたいと思うようになりました!」みたいなことはありますが。





最後に、組織のあり方についても特徴があると伊賀さんは指摘しています。

NPOには、それ以外にも、リーダー養成機関として優れた特徴があります。それは、(国際的NPO、NGOのように相当に大規模な団体にならないかぎり)企業にはつきもののがっちりとした組織構造がNPOには存在しないということです。

そこには課長も部長も存在しないし、所属部門間の壁や、明確な職務分担の取り決めもありません。このため役職がリーダーシップと混同されることもなく、リーダーシップを発揮する人がそのポジションに就く、という極めて自然な形で組織統治が行われます。


僕自身もNPOの支援をしていて、これは如実に感じます。「それは私の仕事じゃないから」というような縦割り意識は、ほとんど見られないんですよね。結局彼らは自分がやりたいことに真摯に取り組んでいる(自分ごととして問題解決をしている)から、そういう積極的な姿勢になるんだと僕は理解しています。




伊賀さんも書かれてますが、最近の学生がNPO活動に参加する意欲が高いのは、本当に素晴らしいことだと思います。優れたリーダーの姿を学生時代に見ておくだけでも、のちのち生きてくるはずです。自分の人生を自分でつくれるようになりたいなら、僕はNPO活動への参加をおすすめします。




というわけで、「採用基準」は久々に全力でおすすめできる一冊です。つべこべ言わずにぜひ。