昨日「国・政府は「最低限」何をすべきなのか?」という記事を書いたところ、助けあいジャパンの野田さんから素敵な記事を教えて頂きました。



被災地から見える「町とは何か」 ~NPOなどと連携した地域経営へ~ 岡本全勝・復興庁統括官 - 元気!ふるさと発信 - 47NEWS(よんななニュース)




国家の役割は、サービスの提供から安心の保障へ



記事を書かれたのは岡本全勝さん。復興庁統括官を務める官僚の方です。

特に印象的なのは国家の役割が変わっていく、という話。太字による強調は僕が施しています。


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・サービス国家は、衛生、教育、社会保障といった公共サービスを、政府が提供することを前提としていました。しかし20世紀後期になって、政府の効率の悪さが批判されるようになりました。「政府の失敗」です。

・サービスを提供するという視点自体が、時代遅れになっています。これは、サービス提供が不十分で、それを充足するにはどうすれば効率的かという問題意識からの発想です。そのために行政自らがサービスを提供するほか、企業や提供者(私立学校や保育園)に補助金を出し、業界団体を指導します。これは、提供者を育てる発想です。

・公共空間は、行政が支えているのではありません。社会は、「官=政治行政システム」と、「私=市場経済システム」と、「共=非営利ボランティアシステム」の3つから成り立っています。住民の暮らしには、これらすべてが必要なのです。

・ 行政(官)が公共を独占することが、終わったのです。それは社会思想としては、官が公益を担い民が私益を追求するという二元論から、公共の課題を官(政府)・共(非営利活動、中間団体)・私(営利企業)が役割分担する三元論への転換です。


僭越ながら、岡本さんの考えはかなり納得・共感できるものです。まさにこういう社会を創っていかないと、これからの世の中は回っていかないでしょう。




政府はプラットフォームになる




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上の図を少し切り口を変えて語れば、政府はプラットフォームになる、という表現もできるでしょう。

政府が行うのは主に「ルール設定」「誘導」「監視」です。たまに自らサービスも提供します。これ、まさに皆さんよくご存知の、AppleとApp Storeに似ていませんか?

AppleはiOSアプリのルールを設定し、どういうものをつくるべきかを誘導し、違反がないか監視します。Apple自身もマップやメーラーなど、基本的なサービスは自ら提供します。

これからの行政と民間の連携は、App Storeのようなプラットフォーム型になっていくのでしょう(「gov2.0」「オープンガバメント」の文脈でも、この方向性は非常に強いものとなっています)。






プラットフォームは何もしてくれない



今はとにかく何でも「行政・政治頼み」な構図がある気がしますが、政府がプラットフォームとしての側面を強めていけばいくほど、行政は何もしてくれなくなります。Appleに「こんなアプリつくってよ!」と言っても、Appleが相手にしてくれないのと同じです。サービスを提供するのはプラットフォームではなく、基本的にサードパーティのプレーヤーなのです。

こういう時代になると、「行政は何をしているんだ!」的な批判は意味をなさなくなってくるでしょう。行政が行うべきことは変質していきますし、財政事情も考えると、提供サービス自体も減少していくでしょう。「何をしているんだ!」と怒る暇があるぐらいなら、自分で何かをはじめるべき、という当事者性が求められる社会になるということです。






次回の本では「税金と選挙を納めていれば社会参加が完了、なんて甘い時代は終わる」と書きました。これからは、税金・選挙という「外注」方式だけではなく、ボランティアなり社会的企業なり、「直接的な社会参加」も強く求められる時代になっていくのでしょう。

ここら辺を詳しく論じてみたのが新作「年収150万円で僕らは自由に生きていく」なので、ご興味がある方はぜひ。と宣伝をしておきます。単なる節約本というよりは、公共について等身大で論じてみた一冊です。