ダイヤモンドさんから献本頂いた一冊。Tabel for Twoの小暮さんの新刊です。早速読んだので読書メモをご共有。





「何のために働くのか」を見つめ直すために



・「痛み」を強いるなら、「何のために改革を行うのか」という大義、言い換えれば心のよりどころや、痛みの先に待っている「未来予想図」も用意しておかなければ、従業員の気持ちはくじけてしまいます。

・「未来予想図」を持てないことで、自分の仕事の意義を見いだせない。これは、僕が代表を務めるTFTに集うメンバーと接していても、TFTプログラムを導入してくれる企業で働く人と接していても感じることです。

・非常に優秀で、本来は情熱がありモチベーションも高い彼らの口から出てくるのは、「今の会社での仕事はあくまでも経験を積み、スキルを身につけるため。本当にやりたいことは別にあり、時期が来たら会社を辞めて取り組むつもり」「難関の面接をくぐり抜け就職した会社だが、正直、会社が何をしたいのか、自分は何のために今の仕事をしているのか見えない」といった声ばかりだからです。

・(NPOと企業の)唯一と言っていいほどの違いは、収入・収益の使い道にあります。一般企業だと計上された収益は、設備や新規事業投資等のために一部内部留保することもありますが、まずは株主や出資者に分配されるでしょう。けれどNPOはそうした利益の再分配を行いません。収入は、ミッションと呼ばれるそのNPOの存在目的のためにのみ再投資されるのです。

・企業での転職のように、給料が判断材料になることは残念ながら現状の日本のNPOではありません。日本のNPOの平均年収は270万円程度。結果的にNPOでのキャリアを志向する人は待遇面よりも社会に対する使命感や、仕事そのものに対するモチベーションや想いが強い人が多いと言えます。

・彼女は、「自分の仕事が社会に与えるインパクト」を実感することはできませんでした。毎日仕事が終わって家に帰るたびに「自分は誰のために仕事をしているのか?人のために、社会のためになっているのか?」と自問し、仕事はおろか、自分自身にすら嫌になる日々を過ごしたそうです。結果的に彼女は待遇のよい銀行でのキャリアを断念して、アフリカの農民に農業技術を指導するNPOでの仕事を選びました。

・僕はNPOで働く人には大きく3つの特徴があると思っています。一つ目は、自分の仕事の範囲を広く持ちたいと思っていること。(中略)二つ目は自分の仕事のインパクトを直接感じられるような現場にいたいと思っていること。(中略)三つ目は、特に未知の世界において、チャレンジ精神がより必要とされる仕事をしたいと思っていること。

・「想い」と「スキル」の両輪があれば、モチベーションも生産性も高いワークスタイルを維持できる。ここまで「NPOで働く人は」といういい方で説明してきた「強い人材」の条件は、NPOにだけ当てはまるものではないと、僕は思っています。

・製品やサービス、または企業の存在意義に対する強い「想い」が組織に対する愛着を生み、「スキル」を持って成果につなげながら達成すべき目標に近づいていく。その過程で仕事にやりがいを感じてハッピーになり、それが組織や仕事に対する想いをさらに強くする。


社会起業、ソーシャルビジネスについて体系だってまとまった良著です。「5つのC」「Winの累乗」というキーワードで現場感覚に根ざした経営フレームワークが提示されています。これから会社を作ろうとしている方はもちろん、働き方に悩んでいる人にはおすすめしたい一冊です。

特に印象に残ったのは、「難関の面接をくぐり抜け就職した会社だが、正直、会社が何をしたいのか、自分は何のために今の仕事をしているのか見えない」という声を聞くという話。これ僕の周りでもいらっしゃいます。ベンチャーやNPOはそんなことないのですが、「何をしたいのか」が分からない会社ってホント多いと思います。