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(本の紹介)「小さく賭けろ!」―失敗を肯定することの合理性を熱く説く一冊

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小さく賭けろ!―世界を変えた人と組織の成功の秘密


原著では読んでいたのですが、邦訳本が出ると聞いてツイートしたところ、たまたま見ていた編集者の方から献本を頂けることになり、早速読んでみました。これかなり良い本です。


成功の裏にある無数の「小さな賭け」

・一流コメディアンのクリス・ロックは、世界的ツアーに出る前に、小さなクラブに40〜50回出演する。そこでは新作のギャグを発表し、観客の「ウケ」を見定める。ほとんどのギャグは滑るが、一晩で数行分のクリティカルなネタができ上がる。

・Googleは「図書館のオンライン書籍検索結果の最適化プロジェクト」から始まった。やがてオーバーチュアのアイデアを借用してAdwordsを始めたところ、爆発的に成長した。当時のGoogle社員誰もが驚いた。Googleの画期的なアイデアは、はじめからあったのではなく、事業を始めた後に見つかった。

・「Amazonオークション」など、Amazonは無数の失敗を行っている。「いくら計算したところで、現実の人間が新製品に対してどう反応するかは予想できない(ベゾズ)」。アフィリエイト、EC2、AWSなどは小さな失敗の積み重ねで生まれたプロダクト。

エジソンは電球の発明に成功するまでに9000回もの実験を繰り返している。ベートーベンも、無数の訂正を行っている。

限られた人間だけが創造性を持つのではない。小さな試行錯誤を粘り強く繰り返すことでも、巨大なイノベーションは生まれ得る。

こういうストーリーを聞くと勇気が出ますね。市場が不確実性に溢れている場合は、生い茂る樹木を切り払うナタのように、小さな賭けを繰り返して、道を切り開いていくことが求められるのでしょう。そうして、ごくたまに、圧倒的に開けた空間にたどり着くことができるのです。


失敗を許容する

・生産性の最大化と、リスクとエラーの最小化を目的とする組織管理手法が創造性を殺している。HPは「最低でも10億ドル規模になるビジネスでなければ検討する価値は無い」という指針を貫き、失敗した。

・シリコンバレーには、何をすべきか学ぶために、進んで失敗を犯そうとする精神がある。「最後まで諦めずにあっちこっちつまずいて、失敗し続けるのが大切なんだ(サンマイクロ、コースラ氏)」

「小さな賭け」を実践することで、われわれは「始める前に必要な全ての情報を知っていなければならない」という強迫観念から逃れることができる。

教育にせよ、職場にせよ、私たちは本当に失敗を恐れます。不確実性のある市場で成功するためには、この失敗への恐れを取り払う必要があるわけですね。


成長志向のマインドセット

子どもは成果ではなく、努力を誉められると成長志向になる。「いい点を取ったね」と言われた子どもは、評価を望み、次は簡単な問題を選ぶようになる。「よく頑張ったね」と言われた子どもは、難しい問題を楽しみながら解くようになる。

ピクサーは「プラシング(plus + ing)」を実践している。アイデアを改善する際に、批判的な言葉を使わない。butではなく、andを使う。「ウッディの目が気に入ったよ。それから(and)、もし彼の目を左に寄せたらどうなるだろう」。「でも」は使わない。

・自分を「運が良い」と感じる人は、観察力に長けている。「運が悪い」と思っている人は、周辺の観察力が低い。運の良い人は社交性に富み、運の悪い人よりも強固な人的ネットワークを持っている。運の悪い人も、習慣を見直すことにより、自分の生活が幸運になったと実感できるようになる。「運は自分で創れる」。

子どもの教育の話がものすごく興味深いです。お子さんをお持ちの方はぜひ「成果ではなく努力を誉める」を実践すると良いのではないでしょうか。

小さな賭けと、それに伴う失敗を許容できるマインドセットは、長期的な習慣付けを通して身につけることができるそうです。僕も「プラシング」やってみようと思います。


というわけで、めっちゃ良い本です。ここで紹介したのはエッセンス部分なので、まだまだ素敵なエピソードに溢れています。

起業家はもちろん、ビジネスをする全ての人にお勧めできる一冊です。最後に言及があるのですが、「小さく賭けろ!」はまさに人生論でもあったりします。


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小さく賭けろ!―世界を変えた人と組織の成功の秘密


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