ソーシャルメディアはどう社会を変えるか ③就職活動

Posted by IHayato
Feb 05 2010

「就活」はおかしいです。これは僕のような若造でも、体験から語ることができる数少ない真実です。

もう様々なことがおかしいと思うんですが、例えば今の就活生は、出先でも選考に必要なセミナーを予約できるように、iPhoneを買うそうです。iPhoneが無い就活生はネットカフェでリクナビ開いて待機します。受付開始時刻になったら、皆が一斉に予約ボタンを押し、ものの数分で受付終了。よーいどん!に乗り遅れたら、どれだけの熱意と才能があってもその企業への門戸が閉ざされる、なんてこともしばしばあります(とはいえ、無断欠席も多いので、電話で参加意思を伝えればちゃんと席を用意してくれることも多いようです)。最近は特にこの傾向が強くなってきていて、本当に異常だと感じます。自動予約BOTでも作ったら本当に売れてしまいそう。

「大量に集めて大量に落とす」という現在の仕組みでは、良質なマッチングなんか期待できません。これは企業側にも学生側にも不利益です。特に学生側は深刻で、09年卒業の僕は実際に60社にエントリーシート(ES)を送りましたし、早期化も進んでいますから今の就活生はもっともっと頑張っているでしょう。
でも学生が頑張れば頑張るほど、玉石混交的に参加者が増えていき、適切なマッチングが行われなくなるのです。面接が得意な学生と、そうでない学生のギャップが大きくなるでしょう(もはや第一印象勝負)。長期戦と化してしまうと「とりあえず入れればいい」という気持ちにもなりますし、精神的にやられる学生も当然出てきます。「就活欝」なんて言葉も生まれてもおかしくないです。構造的な問題でして、自己責任論では片付けられないレベルに来ています。今の学生は本当に可哀相です。



…と、不満はつらつらあるのですが、じゃあ具体的に何が、って話が今日の記事のつもりです。

ソーシャルメディアはどう就職活動を変えるか。


①企業の採用活動の多様化
企業側としても、リクナビを代表とする就職サイトに疑念を感じ始めているようです。人は確かに集まるが、良い人材が集まらない、値段も高い。そんな企業にとって、ソーシャルメディアはリクナビ以外の選択肢として、十分に有効です。
例えばECナビのツイッター採用活動などは面白いと思います(宇佐美社長のつぶやき)。コストもほとんど掛かりませんし、ツイッターを利用している層というのは、ECナビが求めている人材像にもある程度一致しているのでしょう。

別に非難するつもりはないのを理解していただきたいのですが、かといってツイッターのみで採用活動を行うのは、多少リスキーだと思います。特に採用人数が多い場合は、人材の幅という意味で問題が出てくるでしょうし(ギークばっかり集まるとか)。
「あくまで一つの選択肢」という姿勢が、今は現実的なんだと思います。いずれはソーシャルメディアを使って採用活動を行うのが一般的になるのかも知れません。



②学生側のアピールチャンス
面接で必ず求められるのが「あなた自身をPRしてください」という質問です。これって中々苦手な人には難しくて、僕なんかも緊張して言いたいことが言えなかったクチです。そもそもおかしいと思うのが、わずか10分程度(マスコミなんかだと1分以内でPR、なんて形も)でその人の能力を見極められるのか、って話です。勿論「足きり」としては良いかも知れませんが、それにしても取りこぼしの危険が大きすぎる気がします。まぁここら辺は大分愚痴なんですが…。
そんな学生側には、ソーシャルメディアは面接時間外のアピールチャンスになるでしょう。見てもらえないかも知れませんが、履歴書にブログやツイッターのアドレスを載せておけば、より深く自分のことを知ってもらえるかも知れません。もちろん見られるに値する活動・利用をしている必要があるのですが、人によっては十分にチャンスでしょう。



③「就活」をスキップできる可能性
履歴書に載せてアピールチャンス…というと小さい話ですが、ソーシャルメディア上で一定の評価を獲得してしまえば「就活」なんてものはスキップして、ヘッドハント式に就職先が見つかることもあるでしょう。またはフリーで十分食べていけるようになることだって可能です。極端な例ですが、ソーシャルメディア情報ブログのMashableの創立者、Pete Cashmoreは19歳の時にMashableを立上げ、今はTechCrunchに並ぶ有力メディア運営者にまでなっています(なんと現在24歳です)。当たり前ですが、彼にとっては就活なんてステップは必要ないのです。
Pete Cashmoreの例はそもそも海外ですし、極端だとは思いますが、日本でもヘッドハントは十分にあり得る話だと思います。企業の採用活動なんてものは、本来そうあるべきだと思いますし。良い人材に来てもらうだけではなく、自ら働きかけて、優秀な人材に来てもらう。「就活」における学生と企業のパワーバランスはちょっとおかしいです。実際にヘッドハントされて然るべき優秀な人材もいるはずなんですから。あとは企業側がいかに見つけていくか、学生側がいかに見つけてもらうかという話です。新たな行動を起こすハードルは高いですが、双方にそうする価値はあると思います。


学生側が積極的に情報発信していくことで、仕組みが変わるかも知れません。非常に上から目線で扇動的な言葉になってしまいますが、なぜソーシャルメディアという素晴らしい道具があるのに、学生たちは積極的に使わないのでしょう。企業説明会に行く時間を、ブログを書く時間に使ったら良いのに。それなりのことはやって来ているはずですし、熱い思いだって持っているはずです。「面倒くさい」「向いていない」というハードルを越えれば、十分なリターンは得ることができるはずなんです。勿論誰しもができるなんて思っていません。ですが、やれる人はもっといるはずです。
学生のうちにはとても難しいことですが、現状と将来にもっと疑問を感じて欲しいです。現在の「就活」はおかしいですし、「大企業への就職」の先に待ってる未来は明るくないかも知れません。僕は社会人一年目で、無事に大企業に就職できましたが結局は「就活」に失敗した人間の一人です。大企業という豪華客船に漫然と乗り続けるよりは、むしろ自分の力を鍛えられる職場に入って、20代のうちにレバレッジを効かせる事が、結局は将来の安定に繋がると、社会人になってから気付きました。学生時代、そうした選択は自分にはありませんでした。ベンチャー?不安定でしょ…みたいな感じです。

僕はソーシャルメディアという道具のおかげで、本当に自分のやりたい仕事をできる状況を、引き寄せることができました(3月にソーシャルメディア関連企業に転職します)。現状に不満を抱き、将来に不安を感じているのなら、まず自分の想いと、これまでの活動の成果を発信すると良いでしょう。継続的に価値を提供していけば、必ずや、それは自分のためになります。

学歴関係無しに、自分の価値を率直に伝えられる時代ですこんな時代に生まれたのは幸福なことです



ってな想いを日々抱いています。僕個人が出来ることは少ないですが、変えて行きたいです。

5 Responses

  1. fwadala says:

    現在就職活動をしている身として、非常に共感致しました。
    当記事ではソーシャルメディアを自分のブランディングのための手段と位置づけて、就職活動をすることについて述べられていますが、私自身はもっとライトに、つまりtwitterを名刺代わりに使うことから始めています。

    もちろんこれは企業が、またはその社員さんがtwitterをやっている+リテラシーがあるということが前提となるので、多くの企業に当てはまる事例ではないのですが、
    IDを教えてもらい、フォローしあう。それによって、お互いのTLを覗くことで、どんな人間なのかということをアピールすることができます。

    もちろん、これだけではヘッドハンティングにつながるほどのフックには成り得てはいないです。
    しかし、DMで連絡を取り合い、リアルな交流(≒OB訪問的な)につながろうとしています。

    多くの就職活動生にとってはこれだけでも相当革命的なツールだと思います。
    理想としては、上でおっしゃられているように、学生と企業のパワーバランスがもう少し均等になることだと思いますし、その例としてヘッドハンティングが行われるのもアリだと思います。

    個人的に、twitterを活かすことでより良い就職活動ができることを実践していこうと思っておりますので、なにか就職活動×ソーシャルメディアで思うことがある場合は、情報交換などしていただけたら幸いです。

  2. IHayato
    Twitter:
    says:

    コメント有難うございます!

    ツイッターを名刺代わり、とても良い試みだと思います。学生が名刺を人事に渡すことが良くありますが、あれなんかよりよっぽど効果的でしょうね。僕の知り合いにも是非勧めたいと思います。

    今の就活生は本当に可哀相です。ソーシャルメディア一つで問題の全てが解決できるとは思いませんが、ソーシャルメディアという道具は現状を切り開く一つの選択肢となり得るでしょう。お互いに模索して行きましょう。

  3. [...] 【就活】名刺代わりにツイッターを使う Posted by IHayato Feb 12 2010 「ソーシャルメディアはどう社会を変えるか ③就職活動」という記事に、就職活動中の学生さん(@fwadalaさん)から興味深いコメントを頂きました。 [...]

  4. taka says:

    はじめまして。興味深く読まさせて頂きました。
    基本的に就活の多様化という路線については同意です。(ソーシャルメディアによる就活はメインストリームにはならないでしょうが、面白い試みかと)

    ちなみに私の時は内定をもらうまでに社員や人事の方12,3人と合計15時間ほど面談させて頂きましたし(売上○兆円のメーカーです)、友人の話を聞いてもメガバンクや大手自動車メーカーでも内定までに多くの社員さんとじっくり面談をすることが普通のようでした。

    私の就職は5-6年前ということもありちょっと古いですが、最近は自己PRや若手社員の話を聞く機会というのがそれほど減ってきているのでしょうか。

  5. ko
    Twitter:
    says:

    実際に、某大手ITゼネコンから内定を頂いていた人が卒業直前の2月にGREEの人からtwitter上で誘われてGREEに引き抜かれた例を知っています。
    私が知っているのは一例だけですが、その人曰く、そのような方法で就職を決めた人は他にもいるようです(GREE以外にも)。
    彼はモバイルアプリ関連のツイートをしまくっていて、それが技術畑の人間の目に留まったようです。

    学生も人事も捏造&水増しとわかっている自己PRなんかよりも普段の思考/志向のはっきりわかるブログやtwitterのほうがどれほど「就活」にとって有益かわかりませんね。
    ただ、所詮マイノリティーだから有効なことで、メジャーになれば「就活のための捏造ブログ」なんかが跋扈しそうな気もしますが。

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