「プロボノ」という言葉、ご存じでしょうか?何かボノボ的な霊長類みたいですが、違います。
専門性のあるビジネスパーソンが、NPO/NGOなどのために無償で知識を提供していくことを指します。例えば僕なら、ソーシャルメディアについてのお話を無償でさせて頂いています。会計士なら経理を支援しても良いでしょう。(wikipedia、日経ビジネスの記事などが参考になります)
昨日エイズ孤児支援NGO「PLAS」に、プロボノとしてソーシャルメディアについての簡単なプレゼンをさせて頂いたのですが、大変素晴らしい機会となりました。
ミーティングの帰り、ともにプロボノでPLASに関与している渡辺さん(@fwatanabe)から、良い刺激をたくさん頂けました。今回の記事を書くに至ったのは、その会話があったからです。(渡辺さん、色々と有り難うございました。)
さて本題です。昨今、勉強会がブームですが、次はプロボノがブームになる気がします。なぜならば…ということで以下メリットを羅列。
<個人のキャリアとして>
1.予行演習になる
プロボノとして社会貢献団体に関与することで、将来のビジネスの予行演習ができます。例えばWEBサイト制作にプロボノで関与するならば、新卒1年目であっても、プロジェクトマネージャーになることができます。無論これはキャリアに取って良い影響があるでしょう。
2.擬似的な転職ができる(独立の予行演習)
1と似ていますが、例えば普段はクライアントの立場にある人でも、プロボノで関わる際はエージェンシーの立場で問題に取り組むことができます。また、独立をしたいと考えている人には、プロボノは良い練習・市場調査になるでしょう。自分が会社の外でもやっていける人間かどうかを、ある程度見極めることができます。
3.人脈形成
プロボノで活動されている方は、意識の高い専門的な知識を持つ方が多いようです。そうしたプロたちと「一緒に仕事をする」ことで、ただの名刺交換よりも深い関係が構築できます。僕自身、今回の関与で渡辺さんという尊敬すべき方と知り合えたわけで…特に若い人にとっては、人脈や知識を得る本当に良い機会となると思います。
<社会への影響として>
1.社会を変える鍵
大仰な言葉ですが、プロボノは社会を変える鍵になり得ます。
NPOはNon Profitの名の通り、金銭的な利益を追求するわけではありません。しかしながら、多くの場合Non Profitであることは「慢性的な資金不足」の要因となっています。せっかく社会に良いことをしているのに「資金がないから人を雇えない、人を雇えないから資金が得られない」という悪循環に陥ってしまいます。そこでプロボノが無償で人的リソースを提供することで、そうした悪循環を断ち切るきっかけを与えることができます。
2.知識を広めることができる
プロボノ活動は言い換えれば、プロの知識を社会に広めることでもあります。僕はPLASという場でソーシャルメディアについて語り、僕がこれまで得た知識を広めています。多くの人たちがプロボノとして団体に専門知識を提供すれば、これまたきっと社会はよくなるでしょう。
一方でデメリットというか、問題もあるようです。
1.団体側がプロボノに関与を求めすぎてしまう
まだまだプロボノという概念は浸透していないため、団体側も「使えるものは使え」的に、つい求めすぎてしまうこともあるようです。あらかじめ、月にどのくらい時間を提供することができるか、関与する期間はどのくらいなのか、事前にある程度の合意を得ることが大切でしょう。
2.プロボノ側のモチベーションの維持
やはり無償でやっていますから「これ同じことを普段はお金取ってやってるのにな…」というケースも出てくるかと思います。ここら辺は本当に難しいですが、プロボノ側がメリットを感じられるように関与していける状況を、プロボノ・団体の双方が努力をして作り上げる必要があるのかもしれません。要研究です。
やってみて分かったのですが、プロボノは本当に良いです。一方で、色々と問題もあるので、プロボノで活動する際はそれなりに慎重になった方が良いとも思います。どこの団体でも良いわけではなく、無償でやっていくのですから「理念に共感できるか」「どういった人たちがいるのか」「提供する時間についての合意は形成できるか」といった点などは、しっかりとプロボノ側が精査した方が良いでしょう。後でこじれるのは良くないですから。
いずれにせよ、やってみた感じ、これはなかなかオススメです。特に経験を積みたい若いビジネスパーソンは是非考慮してみて欲しいです。この記事がプロボノ活動へのきっかけとなれば幸いです。ソーシャルメディアとの絡みはまだいずれ。プロボノ活動とソーシャルメディアは、繋がってくる話です。
[...] 上の例はキャンペーンの中の「社会貢献」ですが、多くの企業にはそもそもCSR活動という名の社会貢献が求められています。ですが、依然としてCSR活動は pdfのアニュアルレポートの中に閉じられた世界であって、ソーシャルメディアとの絡みはほとんどありません。社会貢献活動は、企業がアピールするコンテンツとしてはとても素晴らしいものなのに、現状は多くの場合「もったいない」ことになっています。(アピールというと嫌らしさがありますが、広くオープンにすることで認知向上、新たなコラボレーション、参加者の獲得も期待できますし、フィードバックを得ることでCSR活動自体も改善できると思います。いずれにせよ、せっかく人件費を掛けて良いことをしているのにアピールしないのは勿体無いです。) ソーシャルメディアマーケティング施策の中の「社会貢献」、CSR活動とソーシャルメディア、この二つを上手くつなげて、ビジネスから社会を変える動きを作り出して行きたいと思います。 というと、なんだかちょっとした活動家のような言葉ですね…。ですが、個人的に「NPO/NGOが食っていけないこと」は問題だと感じています。資金が無いから人が雇えない。人が雇えないから資金を生み出せない。このサイクルを絶つことができれば、彼らの活動は向上しますし、資金力を持った団体は企業にとって顧客にもなり得ます。 また、この資金に関する悪循環を絶つ鍵になるのが、プロボノ活動であるとも考えています(プロボノに関する記事へ)。 [...]