Archive for December, 2009

今年を振り返る。来年を楽しい年にしましょう。

雑記 | Posted by IHayato
Dec 29 2009

多分、今年最後のポスト。一貫性の無い自分語りです。ソーシャルメディアで人生が変わりかけている23歳の実録としてどうぞ…。



今年は特に、ツイッターを開始した10月からのスピード感が異常でした。わずか2ヶ月で様々な人たちと知り合うことができ、転職のオファーやらWEB媒体の立上with講談社といったお話まで、色々と頂いてしまいました。ちょっと処理し切れていません(勉強会メンバーの皆様、ごめんなさい…)。独立ソーシャルメディアコンサルタントとして食っていく or 大学教授で食っていく、という自分の夢を叶えるための足がかりを、一まず手にすることができた気がします。

4月に新卒として入社して、8月に広報宣伝部に配属され、ソーシャルメディアマーケティングの必要性を実感し、10月から本格的に情報発信を始めて今に至る。それまではソーシャルメディアなんてプライベートでもそんなに使ってなかったんですが…そんな僕の発信する情報に一定の需要があるということは、やっぱりこれは時代の流れなんでしょう。来年からはもっと勉強して本格的に探求&情報発信していきます。



以前、ある方から「何をインセンティブにブログ書いたりツイッターやったりしてるの?」という質問を頂きました。

深く考えたこともなかったのでその場では曖昧な答えしかできなかったのですが、落ち着いて考えてみるとそれは究極的には「若い才能を見つけたいから」だという気がします。

ソーシャルメディアは強力な武器です。上手く使えば本気で社会を変えられます。が、使い方には多少のノウハウと素質がいります。そして権威に囚われない若い才能にこそ、この武器は使いこなせるのです。

僕自身は、社会を変えるべく精力的に活動するタイプの人間ではありません。むしろ、そうした人を戦略面でサポートしたいと考えます。諸葛亮的な。

僕の少ない認知の中でも、もっちさん(彼はまだ18歳です!)、ネットスクエアードの市川さんgreenz.jpの鈴木さん、などなどソーシャルメディアを用いて精力的に活動を行っている方々は数多くいます。僕はNPOや社会起業家と呼ばれるような人々を応援したいし、彼らがもっと活躍できる土壌・雰囲気を作る手助けをしたいと考えています(なのでNPO・社会起業家の方に対しては、微力ながら無料でソーシャルメディア利用についての相談に乗っています。ともに事例を作りましょう。)



社会にソーシャルメディアが浸透していく必要があります。それも健全な形で。インチキなツール売りに牛耳られてはいけません。「やらせブログマーケティング」「セカンドライフ」の二の舞は防がなくてはなりません。タダでさえ日本人はWEBに大して懐疑的な傾向があるのですから…。


僕個人としても、来年はソーシャルメディア漬けになり、それ相応のアウトプットをしていきたいと考えています。いみじくも「グランズウェル(大きなうねり)」という表現があるように、ソーシャルメディアは避けて通れぬ時代の流れです。適応しましょう。歴史に学びましょう。ともに時代の空気を作り上げて行きましょう。来年を楽しい年にしましょう!

来年もよろしくお願いいたします。

なぜB2Bがソーシャルメディアマーケティングに向いているか

ソーシャルメディアマーケティング | Posted by IHayato
Dec 29 2009

前の記事(「B2Bはソーシャルメディアを利用できない、という誤解」)よりさらに突っ込んで。アメリカでは今ちょっとホットなトピックスです。2本紹介。

B2B vs. B2C: Why is Social Media MORE Opportune For B2Bs Than B2Cs? It’s The ENGAGEMENT Level, Stupid.

・ビジネスにおいては何かを購入する際、リスクを小さくしたがる
ビジネスマンの評価は、いかに少ない費用で効果を上げられたか、という点に尽きる。となれば、彼らは購買に当たって様々な情報源をあたり、その中には他人のクチコミや推薦などもあるだろう。

・ビジネスマンは生活を保障するために知識を増やしていかなくてはならない
己のキャリアを守り、向上させていくためには、常に最新の知識・ニュースを知らなくてはならない。知識をオンラインを共有すると言ったことは一般的に行われている。あなたの企業が業界の最新動向などをブログで伝えるのなら、それは多くのビジネスマンにとって有益なコンテンツとなるだろう。

・キャリアアップのためには、人脈を形成しなくてはならない
キャリアアップという観点では、他人とのコネクションが重要だ。オンラインの人脈はビジネスに役立つ。

・問題解決のためには、ビジネスマンはリサーチを行わなくてはならない。
新しい理論を実践する際には、色々な情報が役に立つ。オンラインで情報を入手することは勿論、フォーラムなどで自分以外のプロフェッショナルと議論をすることも有益だ。あなたの企業がそうした議論の場を提供することは、有効な戦術となるだろう。

もう一本。こちらもよくまとまってます。

Social Media For B2B

・B2BはB2Cにはないアドバンテージがある。B2Bにおいては、顧客との長期的な関係に基づくビジネスが一般的であるし、そうなればB2Cの購買サイクルにはない顧客とのタッチポイントが生まれてくる。

・【コンテンツ】ビジネスパーソンの役に立つような情報を提供する。あなたの持っている専門的な知識や業界についての洞察などは、コンテンツとして喜ばれるだけでなく、あなたの会社がどれだけ優れているかを誇示する機会ともなるだろう。売り込むにあたってリーディングプレーヤーであることや、高い知識をアピールするのは昔から行われてきたが、ソーシャルテクノロジーを用いれば新たな段階の販促活動が可能になる。

・【ネットワーク】B2Bの世界では、プロフェッショナルなネットワークが全てである。Linkedinが登場する前は、あなたの人脈というものは基本的に不可視なものだった。しかし今ではそうしたサービスを用いて、あらゆるビジネスパーソンの人脈が可視化された。

・【Impact Points】ほとんどのB2Bビジネスにおいては、購入サイクルは長いものであり、商品の価格も高い。となると、顧客との中長期的な信頼関係を築くことは必須であるし、良好な関係は将来のビジネスにも繋がるだろう。
ソーシャルメディアを用いれば、従来ゴルフ場や飲み会の席で行われていたような性質のコミュニケーションを、地理的に・時間的に離れた顧客とも行うことができる

とどのつまり、ビジネスというものは「人間」が行うものである。私たちは顧客と信頼関係を結ぶことで、その取引がローリスクハイリターンであることを納得してもらうのだ。ソーシャルテクノロジーによって、関係構築の可能性は日々高まっている。ソーシャルメディアを使う目的は、まさにここであって、ツールから入るのは間違いである。

要約すると、B2Cに比べタッチポイントが多く、関係構築の必要性が高いということになるでしょうか。簡単な真実ですが、どうにもなかなか認識されません。

戦術としては、業界動向をブログやツイッターで議論するのが面白そう。また、フォーラムやレビューサイトを運営するのも良いでしょう。他にも色々考えられますね。いずれにせよ「関係構築・維持」といった視点が重要になってきそうです。

まだまだ日本では「B2Bって向いてないんじゃ?」という誤解は消えないでしょう。メリット・デメリットを地道に説明し、良い事例を作り上げていくことが肝要です。企業風土を変える必要があるので、メリットがいざ認知されても実際の足取りは重いとは思いますが、辛抱強くやっていくしかありません。

インドのソーシャルメディアマーケティング事情

ソーシャルメディアマーケティング | Posted by IHayato
Dec 29 2009

興味深いデータを見つけたので抜粋。中国、ブラジルなど、新興国市場の攻略は課題です。


Social Media Marketing in India

・【Facebook】Orkutを抜いてインド国内4位のサイトに。インドからも多くのユーザーが企業のFacebookページにアクセスしている。Vodafoneなど、アプリを効果的に使う企業も出てきている。

・【Orkut】は5位のサイトとなったが、依然として多くのユーザーを抱えているため、モニタリングする価値はある。

・【ツイッター】インドはアメリカ(36.9%)についで2番目に利用者が多い国(8%)。国内では現在12位。Yahoo!インドなどはツイッターでキャンペーンも行っているが、中小企業が利用する段階には至っていない。インドのツイッターユーザーはまだ増加するだろう。

*ちなみに日本は4.7%です。

・【ブログ】いくつかの会社はブログ上で自分たちの業界や会社についての有用な情報を積極的に提供している。ZAPPOSのように従業員の人間性を押し出すためにブログを用いている企業はまだほとんどない。

・【Linkedin】インドはアメリカ(42.8%)についで2番目にユーザーが多い国(14.3%)であり、就職活動などにも積極的に使われている。ムンバイにオフィスも開いている。

・【Q&Aサイト】Yahoo!AnswersとWiki Answersは良く使われているサイトだ。Indiabroadbandforum, consumercomplaintsといったサイトもクチコミの発信源であり、モニタリングするべきだ。

思ったより深いデータではないのが残念、ですが興味深いです。英語ユーザーが中心と考えて良さそうなので、従来どおりのFacebookマーケティングは有効でしょう。Linkedinとツイッターユーザーが全世界で2番目に多いという事実も驚き。アプローチ可能ですね。

やはり言語の壁は大きくて、中国・ブラジルあたりはちょっと手が出せません。僕の所属する会社は、経営戦略的にもターゲットにするべきなんですが、現状放置です。ソーシャルメディアマーケティング(SMM)コンサルタントの方と何名かお話しましたが、英語圏以外の海外市場のSMM戦略を立てられる人材はいないそうです。観光業、中国・韓国・東南アジアなんて攻めるニーズは大いにあるはずなんですが…。

という訳で、僕の目下の課題は、特に中国・韓国・東南アジア・ブラジルなどなどのソーシャルメディアについて造詣が深い人材を見つけること。我こそは、と思う方はご連絡を。特に学生の人材が欲しいです。留学して実際に使ってた、なんて方は文句なし。一緒に面白いことやりましょう。

B2Bはソーシャルメディアを利用できない、という誤解

ソーシャルメディアマーケティング | Posted by IHayato
Dec 29 2009

素晴らしい記事を見つけたので簡単に翻訳。B2Bビジネスはソーシャルメディアを上手く利用できない、というのは完全な誤解です。

Crushing the Myth of B2B Social Media

・B2Bは「少ない潜在顧客基盤」「高い価格」「購買決定プロセスで評判やクチコミが影響する」と言った側面があり、ソーシャルメディアを有効に用いることができる。1万ドルの産業機器を売るのと3ドルのプリングルスを売るのとでは、大きく投資対効果は違う。

・B2BとB2Cのソーシャルメディアマーケティング(SMM)は、戦略レベルでは違いがない。戦術レベルでの違いだ。

・B2Bにおいては、「Consumer Education」「Thought Leadership」という側面を重視するべきであり、より深いインタラクションが求められる。

・調査によれば、どのメディアを使うかという点においては、B2B・B2C間で違いはない。いずれもツイッター、Facebookなどを用いており、違うのはどのように使うか、という点だ。

ソーシャルメディアマーケティングに企業規模は関係ない。SMMの目的の一つは、大企業が小さな主体として行動することだ。

ツールから入ってはいけない。“メディア”ではなく“ソーシャル”という点に注目するべきだ。多くの企業が、Facebook、ツイッター、Linkedin、YouTube、ブログといった定型的なメディアをまず利用しようとする。目的を明確にしていれば問題はないが、ツールから入ることは失敗の第一歩といえる。

B2Bが向いてないとかB2Cのどうとか、そういった議論はもう止める段階だ。戦略的には同じであり、戦術的にも結局は共通の部分も多い。

非常に良い指摘です。ケースバイケースですが、個人的にはB2Bの方が高いROIでソーシャルメディアを利用できるとすら考えています。サポートなどを考えても、より長期間で売るべきものですし、そうなれば顧客とのタッチポイントも多くなります。

企業規模は関係ない、という断言はちょっと語弊がありそうですが「中小企業だって有効に使うことができるはずだよ」という程度の意味だと思います。

2010年を迎える前に、アメリカではようやく不毛な議論が終わりかけているようです。日本は彼らが時間を掛けて導き出した真実を直輸入できます「B2Bはソーシャルメディアに向いていない」というのは誤解だと認識してください。そこから戦略・戦術の議論を始めましょう。

記事の中にも紹介されていますが、下記の記事は戦術面の議論を展開しており、素晴らしいです。是非合わせて。時間があれば別途紹介します。
Social Media For B2B

SMM事例研究:Ford Fiesta Movement

ソーシャルメディアマーケティング | Posted by IHayato
Dec 28 2009

Online Adさんに紹介されてたフォードのキャンペーン「Fiesta Movement」について。最先端事例として共有すべき、素晴らしいキャンペーンです。

Fiesta Movement Chapter 1 Completed

来年早々にも米国で販売を開始するFiestを、ソーシャルメディアスペース(マイクロサイト、Facebook、YouTube、 Twitter、Flickr、その他)を活用したマーケティングを行った結果、8万人が購買すると手を挙げている。仮にFiestaを1台200万円だとすると総額1,600億円の売り上げにつながることになる。

1㌦の広告費も使わず、若干のマーケティング予算を支出しただけのこのFiest MovementはとてつもないROIをたたき出したことになる。


補足すると、YouTubeで600万PV、Flickerで74万PVを稼ぎ、認知度は60%向上したとのこと。すごい。

この全18ヶ月のキャンペーン、現在チャプター1が終了した段階です。チャプター1では「100 people. 6 months. 600 missions.」というキーワードで、「100人のエージェントに6ヶ月間、来年発売のFiestaを試走してもらい、600のミッションをこなしてもらう」という内容のキャンペーンが行われました。

ミッションの内容はこんな感じ。6つのカテゴリーで600テーマがあります。ごく一部です。

“Travel”
「今までに海を見たことが無い人をFiestaに乗せて、海まで行く」

“Technology”
「パナソニックのタフブックがどれくらいタフか試す」

「クラッシュテストの動画を撮る」

“Style/Design”
「デザイナーのマット・ムーアにFiestaをデザインしてもらう」

“Social Activism”
「障害者のボーリング大会を支援する」

“Adventure”
「目隠しをしてペイント弾を打ち合うゲームをする」

“Entertainment”
「犬にサッカーをさせる」



テーマとしては、誰かを巻き込んで行われる性質のものが多いです。選定されたテーマを見ていくだけでもかなり興味深い。

勿論、動画だけでなく、Flickrでの画像投稿、ブログ記事もあり。当然それらは4000人以上の応募者の中から選ばれた100人のエージェントが、自発的に行っているものです。

エージェントへの金銭的なインセンティブは与えられていません。与えられるのは試乗車と「エージェント」の資格、FiestaMovement.comという集約サイトへの掲載権といった程度のもの。エージェントたちは「評判」のために活動しているのです。実際に彼らの職業はマーケター、女優、歌手、ビデオアーティストなどであり、セルフブランディングを目的にFiesta Movementに参加していると思われます。

エージェントたちのクリエイティビティはなかなかどうして素晴らしく、彼らが積極的にコンテンツを公開することで、見事一つのムーブメントが形成されたようです。メンバーの選定と、彼らが参加しやすい土壌を作ったことが重要な成功要因だと感じます。

この企画に限らず、ソーシャルメディアを用いたキャンペーンを行う上では「Why(なぜ消費者が参加するのか?)」という点が重要です。ソーシャルメディアマーケティングの「5W1H」としてクマムラゴウスケさんがブログで説明している箇所を引用します。

“バイブル” が生まれる前のハナシ – 24

Buzz/Viral 型のアプローチにおいて “Why” を考えるにあたって、もっとも見失われてしまう点、ソレは消費者を情報の受信者としてだけでなく、情報の発信者としても捉えなければならないという前提が欠けているという点だったりする。Buzz/Viral 型のアプローチの成功を決定づける要因は、そのアプローチによって発信された情報を受けた消費者が、いかにして他の消費者に、その情報を伝播させるコトができるか、という点になってくる。ソレを突き詰めて考えていけば、消費者を情報の受信者としてだけではなく情報の発信者としても捉えなければならない、というコトがわかってくるハズだ。

フォードのこのキャンペーンでは、とにかくWhyが良く練られています。フォードブランドによる権威付け、適度な競争のエッセンス、社会貢献、ソーシャルメディアに親和性の高いコンテンツ、多様なテーマと6ヶ月という絶妙な期間…学ぶべきところは多いです。

どうすれば参加してもらえるのか、は勿論のこと「どうすれば参加してもらいやすいのかという微妙な感覚は、企画の立案者が実際にソーシャルメディアを使いこなしていないと得がたいものです。普通の企業が外部コンサルなどを使わずにソーシャルメディアに取り組むと、どうしてもここら辺が甘くなりがちです。どれだけ良いものでも、共有されにくい時点でダメなのです。その点、ソーシャルメディアの能力を買われ、フォードにヘッドハントされたスコット・モンティは流石に優れています(彼はもともと声の大きいブロガーです)。


今後続くチャプター2ではチームを組んで行動することが求められるようです。現在申し込み期間です。詳細は明らかにされていませんが、同様に参加者がコンテンツを自発的に生成し、WEB上のムーブメントを演出する方針なのでしょう。注目。


さて、この規模・質のマーケティングが日本で行われるのはいつでしょうか。日本ではこの品質のエージェントが集まらないということも考えられますが、同等のことが行えるだけの下地は十分整っていると感じます。インフラはあるので、あとは大ブランドによる戦略的なキャンペーンが行われるかどうか。

妄想ですが、ビデオカメラのキャンペーンなんて面白いですよね。従来のようにブロガーに配るだけの短期間・単発のキャンペーンではなく、しっかりと予算を組んで、中期的な戦略を立てた上で、ビデオカメラを使ってインフルエンサーにコンテンツをアップしてもらう。競争と社会貢献のエッセンスを取り入れながら、多くの人の参加を獲得する…うーん面白いです。


ペプシがスーパーボウルに広告を出稿するのをやめて、ソーシャルメディアを用いたキャンペーンに予算を振り分けるそうです(英文記事へリンク)。大ブランドによる良く準備されたキャンペーンですから、こちらも良い成果を上げるのではないでしょうか。期待です。

2010年を前にして、アメリカではソーシャルメディアマーケティングが成熟期を迎えようとしています。日本はまだまだトライアル期間で、専任部署による統合的・中長期的なマーケティングが行えるレベルには達していません。ソーシャルメディアマーケティングの有効性は既に立証されています。必要なのは適切なローカライズと、事業主のリテラシー向上です。もっともっと日本は力を入れなくてはなりません。来年は「日本にソーシャルメディアの“暴”風を!」という意気込みで一層頑張りたいと思います。

社会貢献とソーシャルメディア。プロボノで相談乗ります

NPOのソーシャルメディア活用 | Posted by IHayato
Dec 28 2009

前々から思っていたことをアウトプット。

日本の社会貢献・NPO関係・社会起業家の方々は、もっともっとソーシャルメディアを利用するべきです。

ソーシャルメディア、もっと幅広くIT分野と言っても良いでしょう、そうした分野と社会貢献はかなり相性がよいです。例えばKivaFacebookのCausesアプリiPhoneアプリのCauseWorldなど、ITと社会貢献のコラボレーションは数多くあります。海外のNPOはかなり積極的にソーシャルメディアを用いて、たくさんの人々と繋がりながら、効率的に活動しています。そこら辺のお話は以前書いたFORGEのセミナーレポートをご覧いただければ、彼らがどれだけ進んでいるかが良く分かるかと思います。


日本にもChange.orgのBen Rattrayのような才能が必要です。彼は社会を変えるべく、ソーシャルメディアの力をテコに活動しています。英語記事ですが彼のトレンド予測は実に素晴らしいものです。

3 Powerful Social Good Trends in 2010

日本でも4goodgreenzネットスクエアード東京など、社会貢献分野でソーシャルメディアを積極的に利用している団体・個人は存在しています。彼らのような方々がもっと増えて、テクノロジーを利用して、さらに効率的で透明な社会貢献活動を模索して欲しいと願います。


社会貢献という分野では、文字通り社会を変えるためにソーシャルメディアを有効活用できることでしょう。僕は残念ながら社会貢献へ全精力を傾けるほどの情熱は持ち合わせていません。ですが、微力ながらいわゆる「プロボノ」でNPOや社会起業家の方を支援していこうと考えています。社会貢献分野のソーシャルメディア利用事例をともに作り出していきたいのです。プロボノ活動は仕事の片手間で行うため、対応は限られるとは思いますが、ご興味のある方は是非ご連絡ください。nubonbaアットgmail.com、コメント欄、ツイッターいずれでも構いません。

「鳩山ツイッター」に思うこと。単なる「ファンクラブ」となるなかれ

Uncategorized | Posted by IHayato
Dec 26 2009

鳩山首相がツイッターに参加する、という話があります。「国民と政治の距離を縮める」という言葉に期待を抱く一方で、ただの「ファンクラブの形成」に終わってしまうのではないか、という懸念も感じています。


ツイッターはその性格として「迎合プラットフォーム」になりがちだと考えています。衆愚的と言っても良いかも知れません。鳩山さんが参入したところで、フォロワーというファンに安穏と囲まれるだけであり、建設的な議論は展開されないのです。

これも個人的に重要だと考えてるのですが、リアルタイム性というものは、思考停止をもたらします。ツイッターでの反応というものはいわば脊髄反射的で、多くの場合ツイートは入念な思考の末の産物ではありません。

140文字のつぶやきで議論するのは難しいし、たとえ意義のある批判があったとしても、それは基本的にツイッター上ではマイノリティです。そうした意義のある意見は、多くのフォロワーを持つインフルエンサーのものでも無い限り、タイムラインという流れの中では無価値なものとして流されてしまいます。

イメージとしては佐々木俊尚さんが指摘してるような感じでしょうか。

 
「”つぶやき”は世論のインフラたりえるか」佐々木俊尚が読む『Twitter社会論』
ツイッター文化圏は、タイムラインという擬似的な時間の流れを軸に形成されていて、すべてのつぶやきは刹那的だ。まるで霧の深い森の中をゆるやかに歩いている時のように、つぶやきという樹木は姿を見せては後ろへと立ち去り、次から次へと樹木が現れては消えていく。見えなくなった樹木にはだれも気にかけない。つまり、われわれの意識はタイムラインの中を移動するのだ。ツイッター圏域の中ではアーカイブされた発言は看過される。このような刹那的な森林の中では、粘着的な議論も起きにくい。


文字数制限がある、脊髄反射的なメディアであるツイッターでは、建設的な議論を行なうことは難しいです。どれだけ有用な意見を鳩山さんに送ろうとも、それを起点にツイッター上で議論が発展することは期待できないでしょう。

「国民と政治の距離を縮める」という言葉は、「議論の活発化」という性質を含んで然るべきですが、ツイッターが迎合プラットフォームになりがちである、という点を良く考慮しないと単なる「ファンクラブ作り」に終わってしまいます。普通に取り組んでいる限りは、つぶやきの大半は鳩山さんの発言に対する付加価値のないRTや浅薄な賛同で占められ、批判精神に基づく建設的な議論はなされません。

理想的なのは「応援・賛同だけでなく、批判意見を歓迎します」という態度を明示することですが、寄せられる有意義な意見をツイッター上で処理するのも規模的に難しいでしょう。文字数の制限もありますし。となると、ツイッターに関してはやっぱりオバマ流のプロモーションメディアとして使うのが、現実的な解なのでしょう。ソーシャルメディアの本質はそんな表面的なところにはないのですが、一国の首相という規模の話になると、如何せんどうしようもないのかも知れません。ツイッターでできないことだけでなく、「できることの程度」をしっかりと議論した上で、ブログや動画サイトなどを含めた他のソーシャルメディアを複合的に用いる、と言った戦略が求められるでしょう。



ツイッターの可能性は測り知れませんが、鳩山さんがツイッターのみを通して得ることのできる果実は、そう大きいものではないでしょう。だからやるな、と言っている訳ではありません。限定的で特殊なメディアであるツイッターのみではなく、複合的な視点をもって他の手段も併用して欲しいのです。そうして意見を吸い上げ、可能なら私たちと対話して欲しいのです。それが「政治と国民の距離を縮める」という言葉の本質であり、ソーシャルメディアを利用する意義でしょう。

政治とソーシャルメディアの問題は難しいです。無価値な利用に終わらないよう、もっともっと議論がなされるべきです。

ソーシャルメディアでできない10のこと

ソーシャルメディアマーケティング | Posted by IHayato
Dec 25 2009

興味深い記事を見つけたのでご紹介。ソーシャルメディアを企業で利用としている方なら必読です。

10 Things Social Media Can’t Do(B.L. Ochman)


1.マーケティング戦略の全面的な代替

ソーシャルメディアマーケティングは、マーケティング戦略>WEBマーケティング戦略>ソーシャルメディア戦略、という位置づけでなされるべきであり、上位のマーケティング戦略を代替するものではない。

2.トップの理解無しの成功
ソーシャルメディアマーケティングは、すなわち対話のチャネルを積極的に開くことである。トップが施策の必要性を理解し、従業員へ信頼を寄せ対話の権限を委譲しない限り、成果は限定的になってしまう。

3.短期的なプロジェクトとして扱うこと
ソーシャルメディアマーケティングは中長期的であり、トライ&エラーをくり返しながら時間をかけて成功の果実を勝ち取る、といった性質のものである。

4.迅速に成果を出すこと
ソーシャルメディアマーケティングによって得られる成果は、顧客エンゲージメントの改善や、顧客の感情の変化、そして勿論、売上げの向上、といったものである。従来のPRなどと同じように、その効果は短期的に測られるべきではなく、中長期的な効果測定が求められる。

5.社内の人間のみで施策を走らせること(多くの企業にとって)
ソーシャルメディアマーケティングは様々な要素への理解が必要とされる。広告、PR、デジタル分野、理論、先を読む力…。また何よりも、経験がものを言うところも多い。
戦略とツールと経験が必要であり、多くの企業ではそれらを兼ね備えたチームを作ることは難しいだろう。(訳者追記:だから、外部のエージェントなどの知識を援用するのが良いだろう)

6.ごく短期に悪評を消したり、好評を形成すること
ソーシャルメディアはZAPPOS、Googleといったごく一部の人気企業には、短期的な結果を及ぼすかもしれないが、多くの企業にとってはそうはならない。ソーシャルメディアを通して落ちた売上げを元に戻したり、レピュテーションの問題をすぐに解決することはできない。

7.現実的な予算なしの実施
多くのソーシャルメディアマーケティング施策は、やろうと思えば無料でできる。が、質の高いものを行おうとするのなら、コストは当然掛かってくる。例えば無償のブログソフトウェアのWordPressを使う際でも、統一的なデザインや追加的な機能を実現しようとするのなら、いくらかのスキルと経験が必要とされ、それには費用が掛かるだろう。

8.売上げの向上や良い影響を保証すること
ただソーシャルメディアに参加すればよい結果が得られる、という考えは明らかに間違っている。成功するためにはどのようにブログを書けばいいか、参加を促すか、イベントを運営するか、などについての知識と経験が求められる。

9.若いデジタルネイティブ世代に任せること
ソーシャルメディアマーケティングは、キリマンジャロに登るようなもので、適切な案内人無しでは道に迷ってしまうだろう。デジタルネイティブ世代はコミュニケーションには卓越しているかも知れないが、それ以外の領域のノウハウも当然必要とされる。経験を積んだコンサルタント抜きの施策は、努力・時間・費用の無駄という結果に陥るかもしれない。

10.PRの代替として使うこと
いくらあなたのWEBサイトが、ビデオコンテストが、ツイッター戦略が優れていても、PRは必要とされる。マスメディアの露出抜きでは、多くの人たちにリーチすることはできないだろう。

どれも素晴らしい指摘です。ソーシャルメディアは万能ではありません。マーケティング戦略の一部に過ぎません。

これを書いているのがソーシャルメディアマーケティングエージェンシー、というバイアスもありますが、やっぱり外部のコンサルタントを用いることは多くの場合有用だと考えます。経験が勝負の世界ですから、たくさん事例持ってる業者は強いです。僕自身も、今の会社では完全に一人で施策を担当していますが、やっぱり若さゆえ、上位のマーケティング戦略(マーケティング>WEBマーケティング>ソーシャルメディアマーケティング)の知識や経験が不足しています。

もっともっと全体のリテラシーが上がる必要が、全体が経験を積む必要があると考えます。積極的に事例や知識を共有していくことが、ソーシャルメディアを健全に浸透させる上で、今もっとも効果的な選択肢なんでしょう。

2010ソーシャルメディアトレンド「まとめ」編

ソーシャルメディアマーケティング | Posted by IHayato
Dec 24 2009

有力なインフルエンサーたちのソーシャルメディアトレンド予測をまとめた、素晴らしいスライドを発見したのでご紹介。
注目箇所だけまとめます。重複は無視してますので、是非元のスライドもあたってみてください。

インフルエンサーによる140文字以内のトレンド予測

「位置情報、AR、プライバシー保護、ソーシャルゲーム」(Mashable CEO, Pete Cashmore)

「ソーシャルメディアのプライベート化、ソーシャルメディアポリシー、ROIの測定、Emailの衰退」(David Armano)

「Thought Leaderの登場」(Peter Kim)

「リアルタイムレビュー、ソーシャルメディアのビジネスへの浸透」(Marta Kagan)

「売上げに対する費用対効果の追求」(Jeffrey Garu)

「価値を付加しないブランドに対して、消費者はun-friendする」(Adam Broitman)

「マズローの欲求段階説で言うと、所属欲求(Belonging)から認知欲求(Esteem)に移行する」(Daniel Waisberg)

まとめてみたら少なくなりましたが、元スライドはかなり網羅されてます。皆さん「AR」「位置情報」あたりはやっぱり挙げています。



何ですが…個人的にはARを使ったサービスが日本でキャズムを超えるのって、まだまだだと思うんですよね。観光などの分野で使われる一方、基本的には一部の人のおもちゃの枠を出ないでしょう。

というのも、やはりテクノロジーの壁は大きくて、満足のいくARサービスを提供できるモバイル端末は、まだ普及しないと思います。拡張現実というサービス自体は画期的ですが、それを実行できる端末が普及するのにはまだ時間が掛かります。
また、実際に使う場面も思ったより限られているように感じます。観光などを除いて、目新しさ以外を期待してわざわざARを使う場面って、あまり想像できません。しばらくは、そこまで実用的なものではないと思います。

①端末の問題 ②サービス(実用性)の問題、の二つを要因として、「セカンドライフ」とまでは言いませんが、来年はARは「ブーム」に終わり、2011年以降徐々に普及していく…という予測を持っています。僕の浅はかな予想を裏切るような動きがあれば楽しいですが。



一方で、位置情報という点はARより期待大です。端末の制限がARよりゆるいですし、ARより利用シーンも多そうです。これは確実に来るトレンドでしょう。

一番最後、マズローの説を援用しているのも面白いですね。端的に言えば、人に認めてもらいたいがために、もっと人は情報発信をするようになる、といったところでしょうか。



色々なことが言えそうですが、個人的にもう一点付け加えるとしたら、やはりコンテンツ・キュレーター(コンテンツを選別し、まとめる人)」の存在価値が上がる、という点でしょう。

様々な情報が溢れかえり、普通に生きてWEBに触れている人は、情報を処理し切れません。そこでキュレーターと呼ばれるような人たちが、有象無象の情報を選別し、まとめる。人はそれを重宝します。今でも2chまとめサイトなんてまさにそんな感じですよね。


さらに、その上で自分の強い意見を乗せられる人間が「Thought Leader」となるのでしょう。まだ日本語になっていませんが、いわゆる「オピニオン・リーダー」とほぼ同義で、もう少し発展した概念だと認識してます。ソーシャルメディア時代には「Thought Leader」の下に多くの人間が集い、強い磁力を持った集団となり、人を惹きつけ肥大化しながら前進していくのです。オピニオン・リーダーとは、ファンとの繋がり方も性質も違います。

いずれThought Leaderについては僕の思うところを書こうと思います。これもやっぱりソーシャルメディアにおける重要なキーワードになるのではないかと考えています。

適切な予測は適切な戦略をもたらします。あなたの予想はどうですか?それに基づいて、どう行動しますか?

ソーシャルメディアマーケティングの5S

ソーシャルメディアマーケティング | Posted by IHayato
Dec 24 2009

一度振り返って、ソーシャルメディアマーケティングについての基本的な考え方について。お勉強&資料作りも兼ねて。

今日紹介するのは「ソーシャルメディアの5S」。Neal Schafferの所属するWindmill Networkingより。意訳&省略多いので原文も是非。

Social Media Marketing for Business: Understanding the Five S’s

Share
ソーシャルメディアの本質の一つは「共有」だ。人々はブログを書き、ビデオをアップし、ブックマークを共有し、面白い記事についてツイッターでつぶやく。もしあなたの会社がソーシャルメディアマーケティングに力を入れようとしているのなら、あなた自身のことだけを話していてはだめだ。例えばツイッターでは、自分のことを語るのは10~20%程度にするべきだろう。そのほかの部分を、業界のニュースやそれについてのあなたの見解など、コミュニティにとって役立つ情報を提供することに力を注ぐべきだ。この一見関係のないような行いこそが、成否を分ける重要な要素となる。

Support
ソーシャルメディア上では多くのコメントやレビューが存在し、今も増え続けている。その中でもネガティブなコメントはブランドに甚大な被害をもたらす。例えば2万人以上のフォロワーを持つ私が、使用しているホスティングサービスについて苦情をつぶやいたとする。それは多くの潜在顧客へマイナスイメージを与える結果となるだろう。この場合、そのホスティング企業は私にアプローチするべきだろう。サポートというのはクレーマーを熱烈なファンに変貌させるチャンスである。ソーシャルメディア上では、そのやり取りはあらゆる人々に見られることとなり、うまく行けばそれ自体がブランドイメージを向上させる絶大なチャンスとなる。ソーシャルメディアにおいては、カスタマーサポートをコストとしてみなすのではなく、チャンスとして考える必要があるだろう。

Social
ソーシャルメディアは社交場のようなものだ。もしあなたが、誰とも関係を作ろうとしていないのなら、ソーシャルメディアに参加する理由もメリットもない。それどころか、関係を作ろうとせずにソーシャルメディアにただ参加することは、ブランドイメージの低下すらもたらすものである。参加して、コミュニケーションを取る。ソーシャルな態度で望むことは基本だ。

Strategy
ソーシャルメディアに戦略無しで望むとしたら、あなたの取組みは全くの時間の無駄かも知れない。それぞれのソーシャルメディアは違った性格を持っている。あなたの目的と照らし合わせ、どのメディアをどのように使うのが最適なのか、といった思考をし、適切な戦略を立てる。「ツイッターが流行っているから~」といったように、ツールから入るのは、多くの場合時間の無駄だ。また、ソーシャルメディアは常に様態を変えるものであるから、戦略の途中での微調整も必要とされる。柔らかな思考と態度をもって、戦略をリアルタイムに調整していくことに慣れることが、担当者には肝要だ。

Sales
売上げにどれだけ寄与したか?という質問には絶対答えなくてはならない。それなくしては、来年度以降の予算は決められないし、誰もあなたの成功を理解してはくれないだろう。ROIの計測は実際にはかなり難しい問題だが、様々なツールを用いて複合的に分析すれば、ある程度の算定はできるはずだ。

どれも非常に本質的な指摘です。最後の方は意訳ばりばり。ROIに関してはクマムラゴウスケさんのKCIとKPI、という話を参考にすると良いと思います。

こうした理論や指摘を基点に、じゃあどうすればよいか、という話を進めてもらいたいものです。今はまだ「とりあえず流行ってるからツイッターやってみるか~」というケースが多いように思われるので…。

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