最近話題の「トークン」。これ、とってもわかりにくい話なのでまとめてみます。


トークンって何?

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2017年10月末、金融庁がICOに関する注意喚起を出しました。このなかでも「トークン」という表現ががっつり使われてますね。

……「トークン」って、いったい何なんでしょう?金融庁資料では「電子的な証票」という記載がありますが、それだけじゃよくわかりません。

具体的な例をもって、今進んでいる「tokenization(トークン化)」というトレンドについて解説していきます!


「価値のある何か」の価値を可視化し、売買できるようにする。

ざっくりぼくのイメージを語ると、こんな感じです。トークン化とは、以下のような図式で表現できる現象です。

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「価値のある何か」を、トークン化する。

それによって、その価値が可視化され、さらに流動性を持つようになる。そのトークンには値段が付き、市場で売買・譲渡できるようになるということです。

いろいろな解釈がありえますが、これがもっとも本質的な理解なのではないかと思います。

繰り返します。

価値のある何かをトークン化することで、その価値を可視化し、売買できるようになる。

これが、今起こっている「トークン経済」についてのわかりやすい解説です。


株式だってトークンだよ。

トークン化というのは決して新しい話ではなく、実のところ、すでにあらゆるものはトークン化されているとも言えます。

もっともわかりやすいのは株式。

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「任天堂」という企業には、間違いなく高い価値があります。ブランド力もありますし、組織としての収益性も高いですよね。

任天堂という存在をトークン化したものが、任天堂の株式です。

株式を発行することで、任天堂の価値は可視化され、ぼくらはそれを取引することができるようになるわけです。

ついでにいうと、トークン(株式)を発行・売却することで、任天堂はその利益を得ることもできます。

株式というトークンには、さまざまな機能も付与されています

優待が受けられたり、配当がもらえたり、議決権を得ることができたり……。もちろん値上がりしたら売却するっこともできます。


VALUで考える。

株式とほとんど同じイメージで捉えることができるのが、VALUです。

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VALUは企業ではなく、個人をトークン化するプラットフォームです。

イケハヤというブランドをトークン化することで、ぼくはトークンの売却益を得ることができます(1000万円くらい調達できました)。

イケハヤトークンを持っていると、VALU上で限定コンテンツを閲覧することができます。株式でいう「優待」と同じような仕組みですね。

イケハヤトークンはもちろん売却することもできます。タイミングがよければ売却益を得ることもできるでしょう。今ちょっと流動性が落ちているので、そこは難しいところですが……。

ほんとうは「ブログ収益の一部をVALUERに還元する」ということがやりたいんですけど、それをやってしまうと日本の法律に引っかかります。エストニア、リトアニアあたりは現状合法っぽいので、VALUがエストニアに移転したらできるようになるかもですね。


資産をトークナイズする。

「価値のある何か」であれば、なんだってトークン化することができちゃいます。

最近流行っているのが「資産のトークナイズ」。たとえばLATokenというプロジェクトは、土地、物件、株式などをトークン化しようとしています。

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面白いのは、LAToken使うと「トークン化されたApple株」を売買できるんです。

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株自体もトークンの一種ですが、それをさらにトークン化する。何の意味があるかというと、さらなるトークン化によって「流動性が高まる」んですよ。

ぼくらが日本からApple株買おうとすると、けっこう面倒じゃないですか。まず、証券口座開くのがダルい。1単元の価格も高いので、資金的にもハードルが高い。

そこで出てくるのがトークン化。Apple株をトークンにすることで、より手軽に、少額から、世界中の人が購入できるようになるわけですね。

既存の金融資産をトークン化する取り組みは、今非常にホットな領域です。Blackmoon, ATLANTLATokenあたりが注目株ですかね。


何をトークン化する?

価値さえあれば、何でもトークン化できる。だとしたら、みなさんは何をトークン化しますか?

ぼくがひとつやろうとしているのは「書籍の閲覧権」のトークン化

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まず、イケハヤは自分の電子書籍の「閲覧権」を販売します。

そうですね……閲覧権は「500円」にして、「1,000単位」の権利を販売しましょうか。

ぼくの本が読みたい人は、500円を出して権利(トークン)を購入します。

人によっては応援の気持ちを込めて、10単位のトークンを購入するかもしれません。

1,000単位のトークンを売り切ったら、ぼくは50万円の利益を手にします。もはや印税より多い!


で、面白いのはここから。

ぼくの書籍に強いニーズがあり、5,000人の人が読みたがっていれば、1,000単位という発行量は「少なすぎる」はずです。

もしも市場が「トークンの供給が過少」だと判断すれば、自然とトークンの価格は上がっていきます。

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500円で購入したトークンが、1,000円になることもありえるでしょう。一般的な書籍ってそんなものですし。

となると、最初にトークンを買った人は、そのトークンを売却することで、500円の利益を得ることができるわけですね。10単位持っている人が全部売ったら、なんと5,000円の収益です。


イケハヤとしても、新規でトークンを供給することで、追加的な収益を得ることができます。

そうですね……。

500円のトークンが1,000円に値上がりしていたら、ぼくは100単位のトークンを「980円」で追加売却すると思います。これによっぼくは98,000円の利益を得ることができます。

供給が増えることで価格は下がる可能性がありますが、それはまぁ、著者なんで許してくださいw


仲間になってくれる。

トークン化が面白いのは、トークンを購入した人が「仲間」になってくれる可能性が高まることです。

イケハヤの書籍の閲覧権を500円で買った人は、きっと「面白かった!みんなも読むべき!」とツイッターとかで宣伝してくれると思うんですよ。

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それによって需要が拡大し、トークンが値上がりすれば、売却益が得られますから。えぇ、いい話じゃないですか!


トークン化はクラウドファンディングともよく似ています。

のちのち売却できる流動性がある点が大きな違いで、ここがパワフルなわけですね。

投機というの人を駆り立てる強力なエネルギーになるのです!


そんなのできるの?

トークン化については、ザクザクと技術革新が進んでいるフェーズです。

「書籍の閲覧権をトークン化する」程度なら、WAVESやVALUを使えば、もう実現できてしまいますね。未確認ですが、この程度の「利用権トークン」なら法的にも問題ないはず。ゴルフ会員権みたいなものですから。

ただ、トークンは技術的な規格がさまざまなんです。何を使うかを決めるのはかなり難しい……。

ぼくは2018年内に「イケハヤトークン」を作るつもりなのですが、現時点では、以下のような技術・プラットフォームを選択肢に入れています。

  • WAVES
  • NEM(モザイク)
  • イーサリアム(ERC20)
  • VALU
  • Bancor(スマートトークン)

で、まだまだ選択肢は増えそうなんですよね……。UniversaICONWanchainとかも選択肢に入ってきそう。

どの技術を採用するのがベストなのかは、かなり読みにくいのが現状です。試しながら考えていくしかないですね。


トークンの役割をどうデザインするか。

トークンは役割を担わせることが一般的です。何の役割もないトークンだと、そもそも売れないですからね……w

ざっと並べると、トークンにはこうした役割を持たせることができます。

  1. 利用料の支払い(企業独自のポイント)
  2. 利用料の割引(株式における優待)
  3. 収益の分配(株式における配当金)
  4. 議決権
  5. 抽選権

現在のICOでもっとも一般的なのは、「利用料」をトークン建てで支払えるようにする……というモデルでしょうかね。

イメージ的には「市場で売却できる企業独自のポイント」みたいな感じが近いです。

見方を変えれば、「企業サービスを利用するときに、その企業の株式を使って決済できるような感じ」とも表現することもできますね。

現状、企業の株式を使って決済することはできない(任天堂の株でゲームは買えない)ので、その点を見るとトークンは実に機能性が優れています。


上でもちらっと書きましたが、「3.」の配当に関しては、日本の法律では違法になります。配当型トークンはかなり可能性があるんですけどねぇ……。

海外でも概ね「配当型トークンは違法」の流れですが、スイス、エストニア、リトアニアあたりは合法扱いになっているようです。イケハヤも法人をエストニアあたりに作ろうと思ってたりします。

あんまり例はありませんが「トークンホルダー限定の抽選権を付与」みたいな感じも、法律に引っかかるのかも。これも面白いのでやってみたいんですけどねぇ……。日本はもうダメぽ……。


追記:抽選権は景表法の範疇になるようです!抽選絡めるのは、面白そうなことができそう予感。


配当型トークンの規制緩和を。

イケハヤ的オピニオンとしては、配当型トークンのルール整備と規制緩和を、早急に進めるべきだと考えます

というのも、「配当を出したければ株式会社として上場しろ」って、そもそもおかしな話じゃないですか。そもそも上場できないし、するつもりもないし……。

しかし、配当は配りたいんですよ。

イケハヤ読者のみなさまが、イケハヤトークンを持っていたら、うちのブログの収益の一部が配当として分配される……とか良いと思いません?別に怪しい話ではなく、上場企業はやってることですよ?

配当型トークンの発行が合法化されれば、投資家の投資対象は爆発的に広がると考えています。

株式上場しない地方の中小企業、さらにいうとイケてるNPOなんかにも、投資マネーが流れうるんです!ついでにいえば、世界中からお金を集めることもできちゃいます。

金余りのこの世界において、変な規制で意味もなく配当型トークンを禁止するとか、センスないと思っちゃいますね〜。

たとえば「トークン発行額が2,000万円以内、分配額が年間1,000万円以内なら発行可能」みたいなやり方だってできるわけですよ。うちの会社なんかはその程度の規模ですから、もし可能ならぜひやりたい。

というわけで、偉い人たちに届け!中小企業がトークンを発行できるようになったら、日本経済は爆発的に成長すると思いますよ!


トークンの流動性をどう担保する?

最後に目下のテーマとして、「無数に発行されるトークンの流動性をどう担保備するか?」という課題があります。

VALUがそうなってしまっていますが、トークンを発行したところで「売りたい人と買いたい人が常に存在する」わけではないんですよね。

VALUは売りたい人ばかりで、買いたい人が少ない状態が続いています。つまり、流動性が希薄なわけです。

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トークンの分散型取引所「Etherdelta」なんかを見ても、まったく出来高のないトークンがけっこうあります。トークンを作って売り出したはいいけど、買いたいと思ってくれる人がいない……という状態ですね。

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無数のトークンが発行されると、この問題が顕著に見えてくるようになります。

任意のタイミングで売却できないようでは、トークンは資金調達手段/投資先として魅力的とはいえません。


これに関しては、今まさに問題解決に動いている状態です。

もっとも有望なのが「Bancor」。トークンに「準備金」を用意することで、流動性を担保しようという試みです。

0x」というプラットフォームは、ERC20(イーサリアム)トークンの流動性を高めるために、複数のプロジェクトを動かしています。ここらへんぼくも勉強不足なので、もうちょっと掘り込まないと……。


将来的にはトークンの流動性の問題は解決され、ぼくらはほとんど無意識的にさまざまなトークンを交換し、決済などに利用するようになると思われます

2019〜2020年くらいに、ようやくその姿が見えてくる……というイメージですね。トークンエコノミーが本格的に花開くのは、流動性の問題が解決してからになるでしょう。


起業するならこの領域。

トークン周りはほんと新しい話なので、まだまだ必要なサービスが用意されていない状態です。

逆にいうと、ベンチャーとして取り組むなら大チャンスがある領域!この分野で起業を考えている方は、お気軽にご連絡ください。ディスカッションしましょう!


NEM、WAVESあたりを使うとトークンは簡単に作れるので、それもぜひお試しあれ。NEMのモザイク(トークン)はツイッターで送れるんで楽しいですよ〜。

関連記事「リップルよりもNEMが熱い!」と思う理由を語ろうじゃないか。


仮想通貨をこれから買う方は、以下のまとめをどうぞ。

関連記事仮想通貨に1,000万円投資!低リスクな始め方を解説するよ。


さらに理解を深めるためのQ&A。

Q. トークナイズって、ようするに「証券化」ということ?

A. エキサイティングな質問です!

「トークンは証券(security)なのか?」という問いは、トークンの合法性を語る上で外せません。海外でもたびたび議論になっています。

  • Tokens Can Be Securities? Even ICO Advisors Agree with the SEC - CoinDesk
  • Canadian Regulators: 'Many' ICO Tokens Meet Securities Definition - CoinDesk
  • Understanding the difference between coins, utility tokens and tokenized securities
  • もしもトークンが「証券」に値するのなら、基本的にはそれは違法であり、大手の取引所に上場するのも難しくなります。

    ここらへんは揺れ動いてくる可能性が大きいですが、現時点では「ユーザーが自分で"利用する"ためにそのトークンを購入する」場合は、証券に値しないと考えられます。ソーシャルゲームでアイテムを買うためのコインをまとめ買いするようなものですから。

    一方で、たとえばトークンホルダーに「配当」を出していると「証券投資」の性格が強くなるので、そこはかなりグレーになります。すでに発行されている配当型トークンが、各国でどう扱われていくかは注目すべきテーマです。

    英語にはなりますが、Coinbaseがトークンの適法性を探るためのシートを提供してくれています。トークンセールをやりたい人はこれ一読しておくべきですね。

    自分が発行するトークンが証券に該当するか否か、適法かどうかは、かな〜り難しい問いです。

    配当を出さない場合でも、売り方次第で証券に該当したり、その他の法規に触れる可能性も十分にあります。

    逆にいうと、何らかの配当が出ていたとしても、証券に該当しないトークンの設計も可能だと思われます。PoSマイニングの通貨なんて実質的には配当ですしね。


    関連するところでは、増島氏によるICO考察も必読です。「分散型取引所が主流になったらどうするんだろう?」という疑問も湧いてくるので、ここらへんも研究したい。

    Initial Coin Offering - from Japanese legal and practical perspectives


    Q. トークン(token)と仮想通貨(cryptocurrency)は違うの?

    A. 基本的には違う……と言っていいでしょう。

    現在の文脈における「トークン」というのは、「何らかのサービスを利用する際に使える特殊な金券のようなもの」というニュアンスがあります。

    たとえば仮想通貨取引所の「Binance」は「BNB」というトークンを発行しています。BNBトークンはBinanceの利用料を、割引価格で支払うために使うことができるトークンです。

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    この場合のBNBは、感覚的に言っても「通貨」ではないですよね。スタバカードみたいなものであって、BNBでいろいろな買い物をすることはできないわけです。

    一方「仮想通貨(より正しくは暗号通貨)」は、文字通り「通貨」の代替物です。円やドルと同じように、日常的な決済で利用できるわけですね。

    暗号通貨というのはあくまで技術なので、そのうち円も暗号通貨になると思います。実際、諸外国では法定通貨を暗号通貨化する取り組みが始まっています。

    ただまぁ、所有するトークンをそこら辺のコンビニで普通に使えてしまう時代は、割りとすぐ来るような気もします。要するに、保有しているトークンを支払いの瞬間に交換すればいいわけですから。

    そうなってくると「暗号通貨かトークンか?」という問いは、また違う意味を持つようになってくるのでしょうね。


    Q. 価値のないものはトークンにできないの?

    A. 可能です。

    が、そうしたトークンはもちろん、何の価値を持つこともないでしょう……。

    しかしながら、昨今のICOを見ていると、「最初は価値がないけれど、あとから価値を持つようになるかもしれない」ようなトークンも存在していることがわかります。「期待」だけが先行して、トークンが発行・販売・売買されいる状態ですね。

    これは良くも悪くも錬金術的というか、一歩間違えると詐欺です。

    なので、実際にビジネスレベルでトークンを発行する際は、すでに価値のある何かをトークン化する方向で考えるのがベストでしょう。既存サービスの利用料の割引だとか、特別な権利の付与だとか。


    余談ですが、「多くの人が持てば持つほど価値が高まるトークン」を作ると、そのトークンは成功しそうな気がしますね。ネットワーク効果というやつです。

    そうしたトークンを初期はひたすら無料でばらまいて、ネットワーク効果で価値を高めていく……とかは面白そう。


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