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表紙が気になっていた「惡の華」。ぐいぐいと引き込まれ、11巻まで一気読みしてしまいました。


中二病を極限までこじらせた子どもは、大人になってどうなるか

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ボードレールを愛する、文学少年・春日高男(かすが・たかお)。ある日、彼は、放課後の教室に落ちていた大好きな佐伯奈々子(さえき・ななこ)の体操着を、思わず盗ってしまう。それを、嫌われ者の少女・仲村佐和(なかむら・さわ)に見られていたことが発覚!!バラされたくない春日に、彼女が求めた“契約”とは……!?話題沸騰!!奇才・押見修造が描く背徳的純愛ストーリー!

「惡の華」は中二病をぐっちゃぐちゃにこじらせたらどうなるかがよくわかる、異色の青春マンガ。主な登場人物は春日、佐伯、仲村の三人。春日は佐伯に憧れているのですが、ひょんなことから佐伯の体操着をゲットしてしまいます。

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最悪なことに、盗んだところをたまたま仲村に見られており、「契約しろ」と脅されます。

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春日は盗んだ体操着を来たまま佐伯とデートさせられたり、まぁ色々ひどい目に遭うんですが、なぜか佐伯と春日は付き合うことになります。

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しかしながら、仲村は春日をダークサイドに引き込むことに成功します。深夜の教室をふたりでめちゃくちゃにしているシーン。

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クラスメイトや先生にはバレなかったのですが、佐伯にだけは悟られてしまいます。

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バレたら絶交されるかと思いきや…佐伯さんもちょっと狂ってました。ここら辺から全員狂っていきます。

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あーあー…。

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前半のクライマックスは夏祭りでの焼身自殺計画(なんて中二病的!)。ページをめくる手が止まりません。

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本書がすばらしいのは、この異様な前半編(1巻〜6巻)を、後半編(7巻〜11巻)でしっかり消化していること。

あんまり書くとネタバレになるんですが、むしろ面白いのは後半だとぼくは感じます。ある意味、前半は予想できる展開ですから。

特に最終巻の静かなカタルシスが大好きで、すでに4回くらい読んでます。

マンガには珍しく、読むたびに新しい発見がある、文学性の強い作品です

最終話近辺では、押見修造氏の天才を余すところなく感じることができますよ。鳥肌ぞくぞく。


ぼくも中二病をがっつりこじらせた方でして、著者の押見氏同様、シュルレアリスムにハマッてアンドレ・ブルトンとか読んでいました(わからないのに)。

本作の重要なモチーフになっているオディロン・ルドンの「眼の怪物」の絵は、ぼくも一生懸命模写していましたよ。黒歴史だ!

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その意味で、この物語は何ら特別ではなく、誰にとっても共有できるものだと思います。

ぼくは春日同様「ふつうにんげん」になりましたが、道の踏み外し方によっては、そうではない道もあったんだろうなぁ、とひとり感慨に浸りました。

仲村がそうであるように、大なり小なり、「ふつうにんげん」にならないまま自分の道を生きていく方法というのもあるんだと思います。

それはとても生きにくい生き方で、周囲からは「未熟」とか「無責任」とか色々なレッテルを貼られてしまうのでしょうけれど。

仲村のような人が「穏やかな場所」にわざわざ隠遁せずとも、命の危険を冒さない範囲で、自然に生きることができる社会というのが、本来は理想なんだと思います。

「惡の華」は誰もが持っているものですから、大人になってもそれを咲かせつづけてもいいんじゃないかと。あんまり巨大な華は困り者ですけれど。


レビューも熱いです。漫画史に残る名作になりそうですね。

「あのころはどうかしていた」「あのころはよかった」「でも今もそんなに悪くない」

それこそが、ふつうにんげんの生きる場所なのだ。

だからこそこの物語は、かつて春日君であり、仲村さんであり、そして今はそうでない私たちにとって、或いは現在進行形で胸の中に惡の華を咲かせている少年少女たちにとって、最高のおとぎ話たり得たのだと思う。

最後に、この巻の書き方には斬新なスピード感と詩的なものを感じました。斬新な表現の仕方として、漫画にコラージュを用いたりするのは見たことがありましたが、そういうのともまた違う斬新さを感じました。それを可能にさせているのが、いままでの丁寧な表現作業だったのだと思います。

全巻を通して、とても印象に残る大好きな作品でした。

賛否両論強く出る、人を選んでふるいにかける作品ではあるけれど、様々な感想を抱かせる=読み手の内面を如実に引き出す、そういう意味でこの作品は「素晴らしい作品」と言えるんじゃないかな、なんてことを思った。

この物語はボク自身だ。

ボク自身の救いの物語なのかもしれない。

あとがきにもありましたが、

この作品が世の中に出てくれて

読むことができてすごくうれしいです。

何回でも読みたくなるので、絶対に売りません。


一読すれば「最近のマンガはここまで進化しているのか!」と驚くこと請け合いです。7/30現在、30%ポイント還元中なのでお早めにぜひ。

表紙のテイストが変わっていくのもすばらしいです。


7巻の表紙はとくに美しいです。

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ここら辺の一連の表紙は、ルドンへのオマージュなんだと思われます。

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