あんまりこの種のウォッチャーっぽい記事は書かないんですが、これは興味深いのでご紹介。

「鬼から電話」ってアプリを批判してたら、「弁護士からメール」がきたでござる - ぼくのしこうろぐ


アプリ批判を書いたら弁護士からメールが

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鬼から電話」というアプリ、ご存知でしょうか。9歳以上の子どもを対象とした「しつけサポートアプリ」です。以下、アプリ説明ページより。

お子様が「駄々をこねていうことを聞かない」、「早く寝ない」など、いくら言い聞かせても聞かない時はありませんか?

そんな時「鬼に言いつけるよ」、「お化けが来るよ」とおどかしていても、次第に慣れられてしまい、通用しなくなってしまう・・・。

このアプリはそんな困った状況にうってつけ!こわ~い「鬼」や「お化け」が、電話越しにお子様をおどかし、お母様のしつけのサポートをします!

鬼から電話

説明を見ると、そもそも「脅し」で育児をするってどうなの?という感じがしますよね。うちにも1歳半の娘がいますが言うことを聞かない場合は、お化けなどで「脅す」のではなく、論理的に「説得する」ように頑張っています(主に妻が)。そんなわけでこのアプリには批判も非常に多く、ぼく自身も懐疑的な意見を出しています

脅し育児に疑問です。

最近、アプリで「鬼から電話」(そんなニュアンスのアプリですよね?」というのがあり言う事を聞かない子供に「鬼から電話がくるよ!」と脅して言う事を脅しながら聞かせるそうですよね。実際の内容は無料ので「鍋にして食べられる」とか「鬼をいっぱい連れて迎えに行く」と言っていました。(聞かせてもらいました)

友人が何かと自分の子供が言う事を聞かないと「鬼から電話がかかってくるよ!」と言っていて、子供(3歳)は本気で怯えて言う事を聞いていました。

脅し育児に疑問です。 最近、アプリで「鬼から電話」(そんなニュアンスのアプリで... - Yahoo!知恵袋

ここまでは良いんですが、鬼から電話について「児童虐待である」という批判的な意見を書いたブロガー「大彗星ショッカー」さんが、開発元である株式会社メディアアクティブの「代理弁護士」からメールをもらったと報告しています。

メールの全文は掲載されていませんが、以下のようなものだったそうな。

要点をまとめると……

1.当社が著作権もってる画像を、無断で使うな!

2.うちの代表取締役のメールアドレスを勝手に晒すな!!

3.いうこと聞かないと、法的措置も辞さないんだからな!

という内容。

「鬼から電話」ってアプリを批判してたら、「弁護士からメール」がきたでござる - ぼくのしこうろぐ

また、この代理弁護士さんは、彼のブログがホスティングされている「株式会社はてな」に対しても、このようなメールも送ったそうです。

当該記事は、タイトルに「「鬼から電話」という児童虐待アプリについて」とされている。

「児童虐待アプリ」という記述は、「児童虐待」という刑法上の犯罪行為を助長しているアプリケーションサービスであるとの事実を適示するものである。

このようなブログ記事が広まれば、「鬼から電話」という当社サービスのイメージが毀損されることは当然として、そのようなサービスを提供している当社自身の社会的評価も低下させるものであり、当社の名誉を著しく毀損するものである。

よって、本件記事は、当社の法人としての人格権・営業権を侵害するものであることは明らかである。

「鬼から電話」を批判してたら「弁護士からメール」がきたでござる パート2 - ぼくのしこうろぐ

「はてな」を通して伝えられたこの主張に対して、大彗星ショッカーさんは「レーティング以下の年齢の子どもに対して、アプリの利用を促しており、実際に9歳未満の子どもに使われている。これは児童虐待と言えると考える」と反論を伝えます(「はてな」に対して)。

『鬼から電話』というアプリは、現在でこそ『全年齢対象』にレーティングが変更されたようですが、私の記事執筆当時は『9歳以上推奨』『まれ/軽度 ホラー/恐怖に関するテーマのため』でした。

にも関わらず、実際にこのアプリを使用している人々の多くが、『3歳前後の幼児』に使用しておりました。

「鬼から電話」を批判してたら「弁護士からメール」がきたでござる パート2 - ぼくのしこうろぐ

間に入るかたちとなった「はてな」ですが、この反論を受け、はてなとして何らかの措置をすることは見送ります。

ご返信の内容を確認いたしました。

弊社としても、当該の記事が明確に権利侵害情報に相当するとの判断はいたしかねますので、ご意見を申し立て者に伝え、情報送信防止措置については不可といたします。

尚、申し立て者よりさらに何らかの返信がありました場合には、あらためてご連絡させていただくことがございますが、ご了承ください。

どうぞよろしくお願いいたします。

7/2時点で、話はここまでで終わっています。メディアアクティブ株式会社がどのような対応をするか/何もしないかに注目ですね。今後の経緯は、本人のブログで公開されていくと思うので気になる方はぜひ。

「鬼から電話」のメディアアクティブ社からSLAPP(威圧訴訟)をちらつかされてる事件のまとめ - ぼくのしこうろぐ


余談ですが、7/2現在、Android版のレーティングは「全ユーザー対象」で、iOS版は「9+」になっていますね(恐らくiOSは審査が厳しいのでしょう)。「iPhoneだと9歳未満に使うのはNGで、AndroidはOK」というのは、ユーザー的にはややこしい話です。こうした場合、ユーザーの混乱を避けるためにも、「9+」で統一した方がいい気がしますね。


去年、うちにも来ていた

なんでこの騒動を取り上げているかというと、実はひとつには、ぼくも株式会社メディアアクティブからメールをもらっていたりするんです。「スマホアプリ「鬼から電話」と「脅し育児」の是非」という記事を2013年2月15日にアップしたところ、当日にメールが届きました。

担当者からのメール文面にはご丁寧にも「尚、このメール内容は転載は許可しておりません。」という注意書きがあるので全文転載はしませんが、要するに、

  1. 名指しで批判している点に「正直がっかり(原文ママ)」した
  2. プロバイダー責任法に抵触するのではないか
  3. 削除または書き直しは可能か?

というメッセージでした。ぼくからは「プロ責法に抵触するとは考えていません。文句があるならメールではなく、ぼくのブログのコメント欄に書く、またはご自身のブログで書くといいですよ。反論をメールでいただければ、それを掲載することもできます。」的なメッセージを返して、そこで概ねやり取りは終了しました。

大彗星ショッカーさんも指摘されていますが、他のブロガーも開発元・弁護士からメールが届いているみたいですね。

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ブロガーに対する「脅し」はいいのか

ブロガーに対して開発会社がこうした「脅し」をするというのは、善いのか悪いのかという話があると思うんですよね。

この種のメールが来たら、まぁ普通は、ドキッとして記事を消してしまうのでしょう。上のツイートで見ている通り、「揉めたくないから記事を消した」という方もいらっしゃるようですし。サラリーマンやっていたりすると、なおのこと「たかがアプリのひとつで揉めたくない」と強く思うでしょうね。

海外では「SLAPP訴訟」という言葉もありますが、この種の「訴訟チラつかせ」は今後増えていきそうな気がします。こういったトラブルが起こった際に頼れる専門機関、自助グループみたいなものがあればよいのですが…。訴訟を起こすにせよ受けるにせよ、時間とお金が掛かりますからねぇ。ぼくは法律の専門家ではないですが、この種の「訴訟チラつかせ」で困っているブロガーの方がいらっしゃったら、できる範囲で相談に乗りますよ(nubonba@gmail.com)。


個人的には、アプリやサービスについてネガティブなレビューが出た際には、明らかに法に触れるものを除き、公式サイトなどで堂々と反論し、自らの見解を示すのが本筋だと考えております。変に法的手段をチラつかせて練り歩くよりも、よっぽどそちらの方が健全かつ効果的、効率的といえるでしょう。

特に、「鬼からアプリ」に関してはレーティング年齢と実際の利用年齢に大きな差が起きている問題について、ぜひ見解を聞いてみたいですね。これ、他のアプリでも同様の事態は起こっていそうですし。


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