まだ東京で消耗してるの?


ミチオ・カク「2100年の科学ライフ」:未来予測本の隠れた名著!

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NHK出版はほんとにいい仕事しますねぇ。これ隠れた名著です。未来予測系の本が好きなら必読。読書メモを残しておきます。


2100年、世界はどうなる?

・ジュール・ヴェルヌは、どうしてこんな驚くほどの正確さで100年後の未来を予言できたのだろう?伝記作家たちは、ヴェルヌ自身は科学者ではなかったが、つねに科学者を見つけては未来の見通しについて質問を浴びせていた、と指摘している。

・驚いたことに彼(ダ・ヴィンチ)の発明品の多くは、つくれば実際に飛んでいたはずのものだった。

・2100年までにわれわれは、かつて恐れ敬っていた神々のようになるべく運命づけられている。しかしわれわれの用いる道具は、魔法の杖や薬ではなく、コンピュータ、ナノテクノロジー、人工知能、バイオテクノロジー、また何よりこれまでのテクノロジーの土台である量子論といった科学となる。

・コンピュータは、静かにわれわれの思考を読み取り、望むことを実行できるようになる。人は、思考するだけで物を動かせるようになる。またバイオテクノロジーによって、完璧な体ができ、寿命が延びる。さらに、これまで地球上を歩いたことのない生物も作り出せる。ナノテクノロジーによって、物を別の物に変えたり、ほとんど何もないように見えるところから何かが創れるようになる。火の戦車ではなくスマートな乗り物に乗って、ほとんど燃料なしに舞い上がり、空中にたやすく浮かんでいられるだろう。エンジンについては、星々が持つ無尽蔵のエネルギーを利用できるようになる。そして人類は、いよいよ近隣の星々の探査に宇宙船を送り込もうとしているはずだ。

・はるかに高度なタイプは、コンタクトレンズのプラスチックにチップと液晶ディスプレイを埋め込み、インターネットを直接映し出させるものだ。シアトルにあるワシントン大学のババク・A・パルヴィーズらは、このインターネットコンタクトレンズの基礎を築きつつあり、現在そのプロトタイプを設計しているが、いずれこれはわれわれのインターネットへのアクセスの仕方を変えることになるかもしれない。

・パルヴィーズは、あらゆる映画や歌、ウェブサイト、情報のかけらをインターネットからコンタクトレンズにダウンロードできるようになる日が来ると思い描いている。家庭用の娯楽用機器一式を完備して、仰向けに寝たまま長編映画を見るようになると。さらに、レンズを介してオフィスのコンピュータに接続し、目の前に現れるファイルを操作することもできる。海辺てくつろぎながら、まばたきでオフィスとテレビ会議ができるようにもなる。

・テレビ会議は、テレプレゼンスに取って代わられるだろう。何らかの人間について、完璧なイメージや音声が眼鏡やコンタクトレンズに再現されるのだ。

・このフレキシブル・スクリーン・テクノロジーは、われわれのポータブル・コンピュータとの関わり合いにも革命をもたらす可能性がある。人はわざわざ重いラップトップ・コンピュータを持ち歩く必要がなくなる。ラップトップはOLEDのシートにすぎなくなり、折り畳んで財布に入れられるようになるかもしれない。携帯電話にはフレキシブル・スクリーンが収められ、巻物のように引き出せるようになるだろうか。すると、携帯電話の小さなキーボードにちまちま打ち込むのではなく、好きなだけ広くフレキシブル・スクリーンを引き出せばよくなる。

・医師の診察もまるっきり変わるだろう。日常的な検診では、あなたの話しかける「医師」は、きっと自宅の壁面スクリーンに現れ、一般的な病気の最大95%を正しく診断できる自動制御型ソフトウェアプログラムになる。

・将来、あなたの健康状態は、日に何度か気付かないうちに容易に監視されるようになる。トイレ、浴室の鏡、衣服にDNAチップが仕込まれていて、あなたの体内でほんの数百個のがん細胞のコロニーが成長しているかどうかをこっそり明らかにするのだ。

・われわれは、大人になりたくないネヴァーランドの子どもたちのように、加齢のプロセスを減速させ、場合によっては逆転させることもできるようになるのだ。

・真に問題となるのは、ソフトウェアだ。ソフトウェアの作成は、従来と変わらぬ方法でしかできない。人間が、先述のような想像を実現するコードを一行一行書かなければならないのだ。ハードルを量産し、搭載するチップの数を増して性能を向上させることは出来るが、脳は量産できない。

・ホログラムテレビの開発を阻む真の技術的問題は、情報記憶の問題だ。正真正銘の3D画像には、莫大な量の情報が含まれている。(中略)簡単に計算すると、3Dのホログラム動画を作り出すのに必要な情報量は、今日のインターネットの能力をはるかに超えていることがわかる。

・「全く新しい対象の画像が大量にあるなかから、どの画像を見たのかを突き止められるのです。……近いうちに、脳の活動を測定するだけで、人が目で見た物の写真を再現できるかもしれません。(ケンドリック・ケイ)」

・将来、MRI-MOUSEはさらに小型化され、携帯電話サイズのもので脳のMRIスキャンができるようになるかもしれない。ならば、脳をスキャンして人の思考を読み取るのもそれほど難しくはなくなるだろう。いずれはMRIスキャナーが硬貨ぐらい薄くなり、ほとんど目立たなくなるのではないか。

・「この先20年のうちに、ロボット・テクノロジーとシリコンとスチールが人体に取り込まれ、われわれにできることを向上させたり世界を理解したりする文化的転換を迎えることになろう(ロドニー・ブルックス)」

・このこと(ロボットハンドの遠隔操作)は、日本の移民問題の軽減にも役立つかもしれない。労働者がいろいろな国にいても、脳センサーを身につければ何千キロメートルも離れた場所のロボットを制御できるから。すると、インターネットはホワイトカラーの思考を送り届けるだけでなく、ブルーカラーの思考も送り届けて体の動きに変換することになる。したがってロボットは、医療費の急増や労働力の不足に取り組むどの国においても、欠かせないものとなるだろう。

・アタラの研究室が目指す今後の目標のひとつは、できたら5年以内に、ヒトの肝臓を培養することだ。肝臓はそれほど複雑ではなく、わずか数種類の組織でできている。

・プリンストン大学の研究者である銭早(ジョーゼフ・チェン)らは、NR2Bという遺伝子をひとつ余分にもつ遺伝子改変マウスの系統を生み出した。NR2B遺伝子は、マウスの前脳で、神経伝達にかかわるNMDA受容体の活性を高める。(中略)スマートマウスは、さまざまなテストで通常のマウスの成績を上回った。

・そのほかに、「マイティマウス遺伝子」も特定されている。この遺伝子は筋肉量を増加させるため、マウスの見た目を筋骨隆々にする。

・研究者は、通常より長生きする個体を何世代も繁殖させられることを明らかにしている。具体的にいえば、酵母菌や線虫やショウジョウバエを、実験室で繁殖させて通常より長生きさせることができる。

・大昔、ニワトリの足には水かきがついていた。今でも水かきの遺伝子はなくなっておらず、単にオフになっているだけだ。この遺伝子をまたオンにすれば、理論上、水かきのついた足をもつニワトリが生み出せる。

・恐竜の遺伝子の一部が、実はオフになったまま鳥類のゲノムに何千万年も残っているとすれば、長く休眠している遺伝子を再び活性化させ、恐竜の形質を鳥類で発現させられそうだ。

・ゲノムのモジュール性を利用してまったく新しい雑種動物をつくるだけでなく、遺伝学をヒトへ応用し、バイオテクノロジーで歴史上の人物をよみがえらせることも可能かもしれない。

・ひとつの悪夢のシナリオは、空気感染するエイズの登場である。(中略)テロ集団や思想的な方よりの強い国家がエイズを兵器化できるようになるかもしれない。

・1992年、ニューヨーク州立大学バッファロー校のジェローム・シェンタークが、スマート・ピルを発明した。(中略)これは、ピルサイズの小さな装置で、飲み込んだ後電子的に追跡できる。薬をしかるべき部位に届けるように支持することもできる。テレビカメラを搭載し、胃や腸を通りながら内部を撮影するスマート・ピルもつくられている。

・将来は、外科手術がすべて分子マシンでおこなわれるようになることが考えられる。分子マシンが磁石に導かれて血中を移動し、病気になった臓器に狙いを定めて、薬剤を放出したり手術をしたりするのだ。これにより、皮膚を切断することは完全になくなってしまうかもしれない。

・核融合発電所は、本来的にもっと安全である。「核融合によるメルトダウン」というのは矛盾した言葉なのだ。たとえば、核融合炉の地場を停止すれば、高音のプラズマがチャンバの内壁に当たり、核融合のプロセスはただちに止まる。

・発電所でつくられる電気の最大で30%が、送電中に失われる。常温超伝導体の電線ならこれを一変させられるし、それによって電気のコストと環境汚染とを大幅に抑えることができる。

・将来、純粋なカーボンナノチューブの長い糸ができるとしても、まだ現実的な問題がある。たとえば、ケーブルは大半の人工衛星の軌道よりはるかに外まで伸びることになるため、衛星は何度も地球を周回するうちに、やがてその軌道が宇宙エレベーターと交わり、衝突を起こす。

・前に見たとおり、人工知能には少なくともふたつ、基本的な障害がある。パターン認識と常識だ。だから未来にも残っている仕事は、主に、ロボットにはできない仕事—この二つの能力を必要とする仕事—となる。

・意外かもしれないが、ブルーカラーの仕事にも、この先コンピュータ革命を生き延び、むしろ盛んになるものがたくさんある。勝者となるのは、パターン認識を必要とする、反復的ではない作業をおこなう労働者だ。ゴミ収集員警察官、建築作業員、庭師、配管工は、将来も仕事があるだろう。

・芸術に携わる人には、この先も仕事があるだろう。インターネットは独創的な芸術をどん欲に求めているからだ。

・弁護士など、人間関係を扱う人も、この先仕事があるだろう。

・ソフトウェアは昔ながらのやり方で構想を練らなければならず、人間がじっと座ったまま鉛筆と紙を使って作業する必要がある。

・知能資本主義における仕事は、ソフトウェアのプログラマーや科学者のものだけではない。創造性、芸術的才能、変革、リーダーシップ、分析力—つまりは常識—を必要とする幅広い活動に存在する。

「シンギュラリティは近い」とセットで読みたい作品ですね。未来予測系の本はこの2冊を読んでおけば十分でしょう。


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