ブランドコンテンツ「イケハヤが訊く!」、今回はプロジェクト管理、ガントチャート作成ツールの「Brabio!(ブラビオ!)」代表の田中儀明さんにお話を伺いました。アラフォー起業家が手がける実務サポートツール、じわじわと熱いプロダクトです。お楽しみくださいませ。

代表取締役 田中儀明
1997年 ソリッドレイ研究所入社
バーチャルリアリティー製品のプログラムに従事
2002年 サイボウズ入社
主要プロダクト サイボウズOffice6, Office7, Office8 (中小企業向けグループウェア)、サイボウズガルーン2 の開発及び開発統括を歴任
2009年 Brabio! 設立


ガントチャートをExcelより遥かにラクに作れる

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イケダ:本日はよろしくお願いします。これ、二人で作られているとは思えないプロダクトの完成度だと思うんですが、そもそも「Brabio!」とはどういうサービスなのかお聞かせください。

田中:プロジェクト管理というよりはガントチャートのツールだと思っていいと思います。ぼく自身、前職のサイボウズでマネジメントをやっていました。そこでは「ZArrow」や「MS Project」なんてサービスを使っていたんですが、それだけだとどうしてもクローズドな感じなんですよね。

もっと他のメンバーを巻き込めるものはできないのか、と思って作りはじめたのが「Brabio!」です。基本的には線を引けば、その中に担当者とのコミュニケーションの場ができて、それだけでセットアップは終わりますよ、というコンセプトです。

イケダ:線を引くだけ、っていうのは非常にわかりやすいですね。そもそも「プロジェクト管理」ってニッチな分野だと思うんですが、何か問題意識があったのでしょうか?

田中:創業者2人で若干の視点の違いがありますが、私の大元の発想としては「プレイングマネージャを救いたい」というのが根底にあるんです。

「プロジェクト管理」は言葉ではよく使われますが、日本でプロジェクトの管理って、すごく未熟というか、変かもしれませんが「気合い」とか「根性」という精神論があって、人の力量に依存している部分があるんですよね。そこがすごく嫌だったんです。

イケダ:そういう精神論は未だに根強いですもんねぇ…。

田中:はい。ある程度大規模になったらマネージメント専属もありえると思いますが、ほとんどの中小企業などは基本的に優秀なプレーヤーがマネジメントをやっています。かといってマネージメントについて何か伝える人がいるかというとそうではなくて、「お前は優秀だから自分でできるだろう」という考えがどこかにあるんですよね。

プレーヤーとして優秀だからといって、マネージメントを要領よくできるかというとそうでもありません。その点では日本は損をしていると思っています。プレイングマネージャがもっと活躍できる状況ができれば、面白いものをスピード感をもって出すことができるはずなんです。

最終的には、どんな仕事でもトップから降りてきますが、基本的にプロジェクトを動かすときにはボトムアップ的な動き方になります。複数人のチームが自分たちで考えていく、その方向性を決めるためにマネージメントが必要になる、Brabio!を通して、日本のマネジメントをそういった方向に持っていきたいです。

イケダ:Brabio!は、どれくらいの人数のチームでよく使われているんでしょうか?

田中:有償版では20人くらいで使ってもらっているケースが多いですね。もちろん無償版に関してはユーザー数の制限があって、5人以下で使われていますね。

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料金ページはこちら

イケダ:なるほど、ということはぼくみたいな小さなチームで仕事をしている人にも使えるものなんですね。既存の類似サービスとBrario!との違いってどこにあるんでしょう?

田中:Brabio!の特徴でいうと、機能があまり多くないんです。

イケダ:それはすばらしい!

田中:線表を引くだけなら、名前をつけるときにキーボードを少し叩かないといけませんが、それ以外の部分ではキーボードを使わずにできます。Excelで線表を書く人がいますが正直、それよりはるかに使いやすいですよ。

イケダ:あぁ、ぼくの職場も前職、Excelでやってましたよ!あれほんっとに使いにくいんですよね…刺さりました。

田中:それから、この分野のサービスは国産のものが少ないんですよ。うちよりも高機能だったりかっこいいやつは世の中にはありますが、残念ながら国産はありません。

やはり国内で使う人にとっては、国産のサービスの方が安心感があると思いますね。

イケダ:現在もサポートなんかもお二人でやられているのでしょうか?

田中:サポートもここの事務所で、私たちがメール・電話などで対応しています。


今の日本のマネジメントは「とりあえずExcel」

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イケダ:そもそもの疑問ですが、なんでプロマネの方ってExcel使うんでしょうね?あれホントいじりにくくて、プロマネ以外は誰もいじれないようなフォーマットでした(笑)Brabioがあればもっと楽だっただろうに…。

田中:おそらくは、「教えてくれる人がいない」というのが大きいと思います。突然マネジメントを任されたとして、やっぱり目の前にあるのはExcelですからね。

今の現場には「こういうツールもあるよ」と教えてくれる人がなかなかいないんです。マネジメントを任されたら途端に線を引いたり、見積もりをつくったりすることになります。教える人がいないので「とりあえずエクセル」ということになるんでしょうね。

イケダ:なるほど…。あとはExcelならみんな閲覧できるし、クライアントとも共有しやすいですしね。ただ、生産性は落としてますよね。

田中:はい、Excelでは線をずらすのが大変なんですよね(笑)非生産的です。可視化が重要なのはわかりますが、「その作業に大変な思いをするの?」という疑問はありますね。ちなみにBrabio!にはExcelに出力する機能も用意されています。

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イケダ:ホント、Excelの線表には苦労した記憶があります…。ぼくはウェブ関係の仕事でプロジェクト管理を経験したのですが、Brabio!はどういった業種の方に使われているのでしょうか?

田中:自分たちがもともとウェブ系なので、ウェブ制作のような仕事には使えると思っていました。始まりはそこだったんですが、リリースしてみると、学生のユーザーが意外に多くて、自分たちが思ってみないような使われ方を結構されていて驚いています。研究室で使ってくださったり、とか。

イケダ:学生ですか!ぼくは学生時代に吹奏楽をやってたんですが、確かに演奏会に向けたスケジュール管理とかに使えそうですね。

田中:最近で言うと、建築の方も多いですね。逆に要望として多いのは製造系ですね。ぼくらが今やっているようなガントチャートというよりは、「工程表」のような使い方なんですよね。具体的には、後ろと前が重ならないようなものを並べていくような作業です。製造の人たちが専用のツールを作るとすごく高くなるので、そういうのが欲しいよね、という要望です。


机一台で始めたアラフォー起業

イケダ:リリースしたのはいつ頃なんですか?

田中:今年の11月でリリースしてもうすぐ丸4年になります。地道にやってきていますね。町田(COO)もぼくもサイボウズにいたんですが、町田とぼくが立て続けにサイボウズを辞めて、一緒にやろうという話になって始めました。そのときには、Brabio!のようなプロジェクト管理のサービスは全く考えていなかったんですよ。

もともとぼくと町田は遊び友達で、仕事の交わりに関してはほとんどありませんでした。ですが、ふたりとも喫煙者だったので、喫煙所で会って話してそこで意気投合したんですよね。あの場所で一緒にタバコ吸っていなかったら一緒にやっていなかったと思います。(笑)

イケダ:なんと!喫煙所のコミュニケーションから生まれたんですね。すごい話です。タバコ部屋もバカにならない。

田中:あとはダーツをやって遊んでいたんですが、そこでもウマがあったんです。そこで「一緒にできたらいいね」という話をして、「じゃあやろうか」ということで。

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(Brabio!のきっかけとなったダーツ)

イケダ:なるほど。相性が良かったんですね。ところで、お二人はずっとサイボウズにいたんですか?

田中:ぼくも町田も社会に出るのがすごく遅かったんですよ。ぼくは26歳の頃だったかな…。当時社会に出るときに、ちょうど最初の「トイストーリー」が公開になったんですよ。それにすごく感動して、「俺もCGをつくりたい!」と思って様々なCGスタジオを巡って、結局バーチャルリアリティを専門にしている会社に入りました。町田は、今のバッファローで営業をやって、二人ともその次がサイボウズになります。

イケダ:CGスタジオですか!すごい領域ですね。ところでお二人は年齢も近いんですか?

田中:町田がひとつ上の44歳で、ぼくが43歳です。

イケダ:アラフォー起業ですね!(笑)

田中:当時は「いまさらやる?」みたいな感じではありましたけど…(笑) ふたりでそれぞれ150万ずつ出して、会社を作りました。

当時は事務所もないので、町田の家にぼくが行って開発をしていました。でも、「ちょっとこれもなんだよね」となって町田の家の近くの事務所を間借りをして、机一台で開発していました。

イケダ:ザ・ベンチャーですねぇ。超クール。

田中:お客さんと話すのもそこで、そのうちに「さすがに他人のところでやりつづけるのもなんだね」、ということなって明大前の六畳一間の物件を借りて(笑)

イケダ:六畳一間!

田中:明大前なので学生が多いみたいで、同じ階に住んでいる外国人カップルの話し声が聞こえたりなど、決していい環境ではなかったですね。

イケダ:そんなエキストリームな環境で生まれたんですね。そのあとにこちら(西新宿)にきたと。

田中:で、ここに越してきていますね。

イケダ:なかなかハードな環境で働いていたみたいですが、働く環境としてそれまでのサイボウズと比べて大きな変化はありましたか?

田中:ぼくが入った頃は、まだちゃんとしたオフィスではなかったんですよ。汚いパーミッションで目隠ししているだけで。在籍している間に一部上場して立派なオフィスになりましたが、そこにこだわるわけではなかったので、行儀をよくしなくていい分だけ今の方が自由で働きやすいです。

イケダ:このオフィス、居心地すごく良さそうです(笑)

田中:今は仕事しながらタバコも吸えますしね。壁も最初は真っ白だったんですが…笑(黄色くなった壁を見上げながら)。なので誰か来る時は「狭いですよー、汚いですよー」、と事前に言っておいたりします(笑)


ネットでできる起業はIPO(株式公開)なんてしなくていい

イケダ:150万円ずつ出し合ったという話ですが、会社の意向として資金調達をしようとは思っていないのでしょうか?

田中:それは今のところないですね。

イケダ:今は情勢もかなり上向きなので、業界的には珍しい考え方ですね。

田中:年を取って独立したというのもあると思いますが、他人にあれこれ言われたくないというのが根底にはありますね。IPO(株式公開)というのを先に考えているわけでもないので、当面は自分たちがやりたいことをやりたいようにできればいいかな、と。

お金が入ったとしても、結局は人材に使うことになると思います。ただそれは、数千万円のお金で解決できるのかというと、疑問もあります。モノとして何かに変える必要があればお金は必要かもしれませんが…。ぼくらは元々そこを削っていますしね。

イケダ:さすが、冷静です。

田中:ぼくも町田もサイボウズにいたときに、「サイボウズはなんで一部に行って株式を公開したんだろうね」というのはけっこう疑問だったんです。

イケダ:ぶっちゃけ話ですねぇ。ぼくも前職が上場企業の子会社だったので、なんとなくわかります。

田中:たしかにM&A(合併・買収)に走った時期もあったので、そこで資金が必要だったのはあると思いますが…それにしても、公開して得るメリットってなんだろうというのは疑問ですね。

イケダ:なるほど、ということは会社としてどんどん大きく!というよりは、ユーザーのニーズにしっかり応えていく、という感じでやっていくわけですね。

田中:ぼく自身はビジネスになるかどうかというのは事前に考えますが、基本的には「結果論」だと思っています。基本は純粋に世の中のためになっていれば、何らかのフィードバックが巡り巡って自分に還ってくるだろうという考え方です。

フィードバックの大きさも、自分が提供する価値の大きさだと思います。そこに関していまはお金が必要だと思ってはいません。IPOに関しても、公開して資金を調達した先の目的がいまないので、考えていないということですね。

イケダ:アラフォースタートアップっぽい冷静な考えですね。

田中:基本的にネットでできる起業なんてIPOなんてしなくていいんじゃないかな、とも思うんですよね。実物をやり取りしている場合は必要だと思いますが、そんなに資金を調達してどうするんだろうなぁ、と。キレイなオフィスのために資金を調達するつもりは全くありません。

イケダ:これから入ってくる人も含めて、「バリバリ成長しよう!」というよりは着実にいいものを作っていく、と。

田中:IPOとかが先にあればモチベーションにつながるとも思いますので、完全否定はしませんが、資金調達が必要であれば考えることもあるでしょう。ただ、基本的には自分が利益を得ることを目的に株式を買っている人たちのために、何かを還元したり時間を掛けるくらいなら、実際に現場で働いている人に還元した方が互いに幸せだと思いますね。

イケダ:すごく落ち着いてる感じの印象を受けるんですが、会社独自の文化や価値観みたいなのってありますか?

田中:自分たちでできることは自分たちでやろうね、という感じですね。それくらいです。あとはすごくつまらないことですが、二人ともチャリンコで通勤しています(笑)

最近少しお金ができてきたので、あんまり深くは考えずにモノを買えるようになりましたが、それまでは何を買うにしても「これ必要?」みたいなことを2人で議論していましたね。

二人だけなので、逆に、当たり前ですがトップダウンではありません(笑)みんなが並んだ状態で、誰かが前に出ようとしたらそれに付いていくかどうか、引き止めるか、背中を押すかどうか、という進み方をしています。そこは一般的な会社とは違うでしょうね。今は二人なので上下関係もないですし、株式も半々でやっていますし。この状態は悪くないかなぁ、という感じですね。

イケダ:残業とかもあまり決まってはいなさそうですが、ワークスタイルはどのようになっているんですか?

田中:サポートを受けなくてはいけないので、基本的には9時から夜7時はなるべく電話を取れる状態にしておいています。あとは至って普通ですね。家に帰ると子どもがいるので、私は集中するために出勤していますが、町田はオフィスにいないことも多いです。拘束はしていなくて、やりたいことが進んでいればいいかな、という感じです。

ただ、基本的にはリアルなコミュニケーションを大事にしたいと思っているので、あまり顔を突き合わせないやり取りを良しとは思っていませんね。


チーム以外にも、個人の予定管理にも

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イケダ:Brabio!を使うポテンシャルはあるのに、そこに気づかずにExcelを使ってる人はまだまだたくさんいると思います。具体的に、どういうことに困っている人がBrabio!を使ってほしいと思っていますか?

田中:純粋に「線表を引いて管理したい」という人には使ってもらいたいですね。恐らく線表を引きたいという人は現在Excelや紙を使っていると思いますので。

イケダ:「この日までにこれをやってください」みたいな単純な指示でも簡単に使えるよというわけですね。ある意味高度なカレンダーなわけですね。

田中:そうですね。マネージャじゃなくても、自分自身で何か物事の予定を管理するなどのニーズもあると思います。基本は線を引けば始まりと終わりの直前にメールが来ますし、管理者という感じではないですが、自分のためのリマインドに使っているという人もいますね。

イケダ:ぱっと見「がっつり管理している人」向けのようなイメージもありますけどもっとフランクに、それこそ結婚式の計画をみんなで立てたりなど、ほんとに幅広く使えますよね。

田中:難しく考えさせてしまうのも本末転倒なんですよね。プロジェクトをどうやって管理すればいいのか、という方法論は色々ありますが、いきなりそれをぶつけてもそんなことをできるわけないじゃない、という話になってしまいます。

ぼくらもすべてができるツールを開発をしているわけではありません。ぼくらが提供するものと、困っていることが一部でもマッチングしていけばいいかな、というスタンスですね。

イケダ:二人でここまで運営されているというのは珍しい気がしますが、今後は採用を行っていくのでしょうか?

田中:ようやく今年、人を増やそうかという話になっています。どうやってエンジニアを探そうかね、という話をしていました。ということで現在、募集中です。イケダさんのブログに期待しています(笑)

ぼく一人が開発で、サポート・営業が町田という状況なので、開発に関して常にぼくがボトルネックになってしまっているんですよね。結局開発が遅れて煽り食っているのはユーザーさんなので、その状況を変えようと思っています。ですので、「まずは一人、エンジニアを入れたいね」という話をしています。

イケダ:新しく入ってくる人にどういったことを求めているんでしょうか。

田中:小さいベンチャーなので、ある程度のリスクを取ってもらわざるを得ないので、それを踏まえて来てくれる人が欲しいですね。そこまでこだわりはないですが、年齢があまり上だとぼくの能力上コントロールしにくいので、20代半ばから後半の方がいいかなぁ、というくらいですね。

イケダ注:後日お話を伺ったところ、Brabio!の社長は「二年交代制」だそうで。「とにかくお客さんのことを考えていれば、社長とか部長とか関係ないわけだったりします」と町田さん談。スタッフをエンパワーする効果もあるでしょうし、実に素敵なカルチャーです。



脱!Excelスケジュール管理

というわけで、素敵なチームが作られている便利ツール「Brabio!」でした。Excelでスケジュール管理している人には確実に刺さると思われます。5人までは無料で使えるので、仕事で使えそうな方はぜひお試しあれ。

メンバーも募集しているとのことなので、気になるエンジニアの方はぜひコミットしてみては。素敵なカルチャーの企業ですよ。


プロジェクト管理,ガントチャート,スケジュール表がサクサク作れる。チャート作成がカンタンに共有!しかもフリー タスク管理にも