賛否両論?イケダハヤトが物申す

サイバーエージェントには「編集力」が足りない

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サイバーエージェント(CA)という会社は面白いなぁ、と思っています。

CAには編集力がない

LINE社と比較するとクリアに見えるんですが、サイバーエージェントって、編集力がないんですよね。ぼくがブログでdisってしまっている「B.L.G.」なんかは、編集がほとんど機能していません。というか、この媒体にはそもそも「編集者」が不在のように見えます。

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一方のLINE社は、「東京編集キュレーターズ」を主催していることからも分かる通り、「編集」にこだわりを持っているように見えます。NAVERまとめなんかはまさに「編集の民主化」によって、大規模なサイトによって成長しました。LINEの執行役員の田端さん自身も、「R25」の立ち上げメンバーだったりします。ただ、BLOGOSはいまいち編集機能が弱い気もしますが…。

サイバーエージェントはコミュニティ運営には長けていますが、人間の手でコンテンツを「編集」していく、という視点が非常に希薄であるように感じます。これはウェブメディアを運営してく上で、根本的なボトルネックになるでしょう。

編集力って何?

さて、ここでいう「編集力」とは何でしょうか。めっちゃふわっとした言葉なので、あくまでぼくなりの定義ではありますが、

「その組織に固有の価値観を持って、コンテンツの元となる『素材』を集め、編み、『新しい価値』を世の中に提供していく能力」

とでも定義してみます。

ここで大切なのは「新しい価値」を提供していくことです。要するに二番煎じではだめなのです。B.L.G.をあえて題材にしますが、このメディアには「新しさ」を感じません。

プラットフォーム的にはcakesとほぼ同じビジネスモデルですし、ライターの顔ぶれも予想の範囲内です。どうせやるなら、「おっ!これは新しいぞ!」と思わせる人選、コンテンツ編集を行ってほしいです。それなくしては、メディアとして成功することもないでしょうし。

また、編集というのは単純にライターを集めることではない、というのも抑えておきたいポイントです。面白いライターを集めた上で、そのライターの持っている魅力を引き出す「ボールを投げる」ことも重要な仕事です。これはウェブメディアの編集において、ほとんど実践されていないことです。

人を集めるだけなら、そんなに難しくないんですよ。サイバーエージェントが声をかければ、まぁ大抵のライターは参加するでしょう。本当に難しいのは、ライター個々人の特性を見抜いて「こんな原稿書いたらどうですか?」とサジェストすることなのです。こうしたサジェストは書籍の編集においてはよく見られるプロセスですが、不思議なほど、ウェブメディアの世界では編集者から「ボール」が飛んできません(一時期、「Yahoo!ニュース個人」の編集部がボールをくれたのですが、最近はすっかり届きません)。

サイバーエージェントのB.L.Gは、単に「食材」だけ並べただけで、それを料理する編集者の手が入っていないように見えます。そして、食材の顔ぶれも予想の範囲内ですし、食材間の「意外な食べ合わせ(化学反応)」も起きていないように見えます。

イメージでいえば、サイバーエージェントの社内で、常に「すごいライター見つけたよ!この人に、こんなテーマで書いてもらったら面白いんじゃね!」というワクワクな会話が繰り広げられている必要があると思われます。その状態は「編集」がある程度機能しているといえるはずです。

さて、そういった観点で面白いのは「現代ビジネス」です。ここはまさに、新しい食材をテーブルに載せ、新しい価値を世の中に提供しようと努力しています。さすが瀬尾編集長率いるチームです。以下の記事なんかは、徳氏、佐藤氏の手腕が輝いている感じですね。編集的な観点でいえば、東洋経済オンラインより面白いとぼくは感じています。

編集という職能はかなりふわっとしているので、わかる人にしか重要性がわからないのが難しいです。たぶんこの記事でも、編集の重要性はぜんぜん伝わらない気がします。すばらしい編集者がつくだけで、コンテンツは一変するのですが、なかなかどうして、アーティストっぽい仕事なので価値が伝わりにくいんですよね…。

これからはコンテンツがわかる編集者に権限委譲をできる組織が伸びてくると思います。海外ではChief Content Officerなんて職種も登場していますし、この流れは日本にも来るでしょう。

参考図書はこちら。

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