一流と言われるような方々とお会いすると、彼らの「打席に立つ回数」の多さに驚かされます。


成功は氷山の一角

先日久石譲の「感動をつくれますか?」を読んだのですが、彼はジブリ以外にもさまざまな映画音楽を制作していると聞いて、「えっ、そんなにいっぱい作品つくってるのか!」と驚きました。

確かにディスコグラフィーを見ると、オリジナルアルバムだけでも20作近く制作しているんですね。まったく知りませんでした。

  • INFORMATION(1982年10月25日)※ワンダーシティ・オーケストラ名義
  • α-BET-CITY(1985年6月25日)
  • Piano Stories(1988年7月21日)
  • Illusion(1988年12月21日)
  • PRETENDER(1989年9月21日)
  • I am(1991年2月22日)
  • My Lost City(1992年2月12日)
  • 地上の楽園(1994年7月27日)
  • MELODY Blvd.(1995年1月25日)
  • Piano Stories II(1996年10月25日)
  • WORKS I(1997年10月15日)
  • NOSTALGIA PIANO STORIES III(1998年10月14日)
  • Shoot The Violist(2000年5月17日)※久石譲アンサンブル名義
  • ENCORE(2002年3月6日)
  • ETUDE -a Wish to the Moon-(2003年3月12日)
  • FREEDOM PIANO STORIES 4(2005年1月26日)
  • WORKS III(2005年7月27日)
  • ASIAN X.T.C.(2006年10月4日)
  • Another Piano Stories〜The End of the World〜(2009年2月18日)
  • Minima_Rhythm(2009年8月12日)
  • Melodyphony〜Best of Joe Hisaishi〜(2010年10月27日)

映画に関しても、ヒット映画からそうでないものまで、大量の作品に関わっています。映画だけでこれですよ。しかも他にもテレビ、アニメ、CMも手がけています。


何が言いたいかというと、こんなにたくさんの作品をつくっているのに、久石譲といえばやっぱり「ジブリ」なわけです。ジブリ以外の久石譲作品を知っている方は、そう多くないのではないでしょうか。

ジブリ関連の作品は、量で見たら、おそらく彼の作品群の1%にも満たないでしょう。でも、ぼくらが知っているのは、その1%なわけです。

ぼくはここに、創作の本質がある気がしています。言い換えると、あの久石譲ですら、99%の作品はあまり知られていないのです。中にはほとんど聴かれることがない作品もあるでしょう。あの久石譲ですら!


同じような話だと、ピカソも膨大な作品を残しています。

生涯におよそ1万3500点の油絵と素描、10万点の版画、3万4000点の挿絵、300点の彫刻と陶器を制作し、最も多作な美術家であると『ギネスブック』に記されている。

パブロ・ピカソ - Wikipedia

でも、やっぱりピカソといえば「ゲルニカ」なわけです。キュビスムの人、という印象ですよね。マニアックな人だと「青の時代」とかが出てくるかもしれませんが、版画とか彫刻は見たことがない方も多いでしょう(ぼくもピカソの版画作品は思い出せません)。


後世の残るのは、創作物の0.01%程度

これはぼく自身の哲学でもあるんですが、自分が生み出したもののなかで、永世的に鑑賞されつづけるものというのは、その人が生み出した創作物のなかで、せいぜい0.01%程度なんじゃないかと思っています。

一生のうち0.01%にたどり着けるかは、運の要素も関係してきます(無駄な仮定ですが、たとえば久石譲が宮崎駿と出会ったなかったら、久石譲の名前がここまで知られることもなかったでしょう)。

ぼくのブログはまだまだストックでいうと4,500本くらいです。このくらいだと、腐朽のコンテンツなんてのは、まぁできるわけがないんですね。ぼく程度の才能の人間は、10万回打席に立って、ようやく一本出るか出ないか、という水準だと思います。これは謙遜しているとかではなく、ごく普通にそう思います。10万回でもダメかもしれませんね。


一流の人は打席に立ち続ける

そういう前提があるので、何かの分野で一流になっている人というのは、ほとんど必ず、打席に立ちまくっています。経営者なんかも同じで、成功の裏にはたくさんの失敗があったりします。

一流の人にとっては、全力でマウンドに立つことは「前提」です。そして、それがあまりうまくいかない可能性があることも、「前提」です。うまくいくように全力を尽くしますが、世の中はそんなに甘くない。ダメな時はダメ。でも、だからこそ、全力でバットを振り続ける。

そうして、本当にすばらしい作品は、奇跡のように生まれてきます。一度奇跡を起こすことができれば、「コツ」を掴むことができ、再現可能性は高まるため、さらに創作のレベルは高まります。


何が言いたいかわからなくなってきましたが、100本打っただけで諦めてしまったり、疲れてしまったり、失敗して凹んでしまう時点で、一流になんてなれっこないと思うんですよね。もうとにかく、失敗を前提にしつつ、全力でバットを振るう日々を過ごさないといけない。

あぁ、久石譲さんの話でした。久石譲ですらこの作品数。ぼくらが何かを成し遂げるためには、もっともっと、打席に立たなければいけません。頑張らないとなぁ…という気にさせてくれるすばらしい本なので、ぜひKindleでポチッとしちゃってください。