37シグナルズの「小さなチーム、大きな仕事」の続編ともいえる作品が出版されています。しれっと面白い観点の話が書いてあったのでご共有。


家族は孤独の防波堤

強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」」は日本的にいうところの「在宅ワーク」「テレワーク」を扱った書籍です。ノマドワークといってもいいでしょう。

そうした「オフィス以外で働く」ことの大きな問題は「孤独」。独りで働くのって、実は辛いんですよね。この点に関して、著者はたいへん共感できる指摘を残しています。

家族と一緒にいられれば、同僚と会わなくても孤独ではない。だから家族のいる人は、リモートワークに向いている。リアルな誰かとふれあうことは、やはり必要だからだ。ときには、仕事中に話しかけられて気が散ることもあるだろう。でも同僚の雑談につきあうよりは、大事な家族の話に耳を傾けるほうが、ずっと有意義じゃないか?

そうなのです!ぼくは全然友達がいないんですが、それは妻がいるからなんです。妻と付き合い始める18歳までは、すごい友達が欲しかったんですよね。孤独は好きなんですけど、やっぱり「親友」と呼べる仲間が欲しくて。

でも、そういった欲求は、今の妻と付き合いだしてから、瞬時に消え去ったことを憶えています。彼女と仲良くしているだけで、「誰かと親密になりたい」という欲求が消化されてしまったのでしょう。のろけているようですが、その感じは今も全然変わりません。強がりではなく、親友とかは別に不要です。


家族と孤独については、中島義道氏がこんなことを書いています。

孤独に徹するためには結婚はしないほうがいい、子どもはいないほうがいい、と思われるかもしれない。しかし、かならずしもそうではない。家族を防波堤にしながら勝手気ままなことをする道もまたあるのだから。

冷たい世間の荒波から逃れて家族という温かい空間のなかでぬくぬくと暮らすというのではなく、すべてのなまなましい人間関係を家族のうちに限定して、ヒタヒタ寄せる外界の荒波の浸食作用を防ぐこともできるのだから

夫婦の死闘、親子の死闘だけに限定することによって、それ以上の他人との死闘を徹底的に避けることができるのだから。

(中略)私の敬愛する塩野七生女史は、どこかでこんなふうなことを言っている。「結婚のいちばんの利点は、もう一度結婚しないでいいことである」。

ぼくも妻とはしょっちゅうケンカもしますし、子育てにも苦労するとは思いますが、それは「孤独」を守る上で必要なことでもあると、ある意味で割り切っています。で、こういうネガティブな書き方をすると妻に怒られるんですが…あくまでそういった側面もある、ということであります。

ぼくは両親との関係もそんなによくないので、妻がいるからこそ、今こうして、淡々と孤独に創作活動に打ち込めているんだよなぁ、と常々感じます。やっぱり朝起きて隣に気の置けない人がいるというのは、精神的な支えになります。マジでありがとうございます、妻。


というわけで、これからの時代の働き方について考える上で必携の一冊。前作「小さなチーム、大きな仕事」につづき、すばらしい本ですよ。