恒例の勝手に選ぶシリーズ。カレンダーを振り返りながら、個人的に感銘を受けたスタートアップをまとめていきます。


株式会社鳥人間

なんといっても、最初に取り上げたいのは「株式会社鳥人間」です。ここはほんっとにイノベーティブ。IVSのLaunchPadでは惜しくも準優勝でしたが、ぼくの気持ちは彼らに捧げます。プレゼンは感動して泣きました。

何かすごいかって、ここ、色々すごいんですが、

・エンジニア夫婦で経営している
・普通のマンションのなかに「工場」がある
・3Dプリンタ、Arduinoなどを駆使して、安価な「遺伝子増幅器」を制作・販売
・ほかにも色々と面白いプロダクトも制作

なんて感じで、すばらしく変態的です。スタートアップ・エコシステムのなかでの突然変異っぽい感じが堪りません。色物のように見えますが、すでに製品は国際的な販売を開始しているというので、事業性にも期待が持てます。

鳥人間は時代の流れを象徴していると思っていまして、こういう少人数のハードウェア系スタートアップは今後ますます増えていくはずです。バイオテクノロジー、宇宙テクノロジーなんてところにも焦点を当てているのも、すばらしく先進的。

有料メルマガで鳥人間の工場(なんかすごい響き…)をがっつり取材予定なので、乞うご期待です。


OVA(検索エンジンを活用した自殺防止)

これから立ち上がる事業&組織なんですが、超注目です。彼らは「テクノロジーを用いた自殺予防」に取り組んでいます。

様々な事業アイデアがあるようですが、すでに成果を出していて驚かされるのは、検索エンジンを使った自殺予防「夜回り2.0」という事業。

 現在のところ、JIROさんはGoogle AdSense(Googleの提供している検索連動型およびコンテンツ連動型広告の広告配信サービス)を利用し、自殺関連語の検索をした人に対して相談を受ける旨の広告を出して(自腹で)、その上で相談をメールを介して受け、現実の援助資源(例えば、精神科受診)につなげるという活動をしています。

インターネットを使った自殺予防:行動履歴データを使ったハイリスク・アプローチ - 自殺サイト:自殺 臨床心理学 (和光大学末木新研究室ブログ)

トライアル事業のパフォーマンスが驚異的で、なんとCPCは5円、相談者の獲得コスト(CPA)は150円という、信じられない数字をたたき出しています。

この費用対効果については、今後も強調していきたいと思います。

一体リアルで、ジサツハイリスク者を見つけ、相談を促すのに一人当たり、一体どの程度のお金がかかるでしょう。そもそもそういった事がどの程度可能か、ということです。

彼は実際、このトライアル事業で何人もの人たちの自殺を防いできました。獲得単価150円で!これは本当にすばらしい。もう大絶賛ですよ。

来年はこちらの事業をうまくNPO化して軌道に乗せつつ、ソーシャルビジネス的なアプローチの事業の展開も考えているそうで。個人的にもっとも期待しているスタートアップです。


ShurSLinto Dictionary

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毎年勝手にセレクトしているシュアール、今年も当然ピックアップです。もはや本紙の読者には説明は不要でしょう。Forbesにも選ばれているすばらしいベンチャーです。

2013年は新プロダクトとして「SLinto Dictionary」をリリースしたのが大きな一歩といえるでしょう。相変わらず日本というよりは海外でご活躍で、今年もIntelのコンペでアワードを取っていたりするようです。

縁起の悪い話ですが、大木さんが生きてさえいれば、彼らは間違いなく!日本発・世界的なベンチャーに成長していくと確信しております。来年も引きつづきウォッチしていきます。10年後、「シュアールはオレが育てた」というドヤ顔をするために、本ブログは存在しているのです。


gooddo

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セプテーニの新規事業会社が本気で仕掛けている、社会貢献プラットフォーム。リリースして1年経っていませんが、すでに140のNPOが参加し、国内最大級のプラットフォームに成長しています。

NPO支援というとビジネス臭がしませんが、ここはしっかり黒字化めがけてビジネス開発をしています。話を聞くと、ひじょうによく作り込まれていて、目から鱗が落ちます。詳しくは有料メルマガとかで記事化する予定ですので、お楽しみに。

この分野は本気のプレーヤーがいないので、gooddoはブルーオーシャンを全力でこぎ進んでいる感じです。クラウドファンディング的な展開も考えているでしょうから、普通に多額の金銭が還流するサイトになっていくと思われます。ぼくが投資家なら投資しますね、ここ。


ユニバーサル・サウンド・デザイン

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ハイパーいけてるソーシャルベンチャー。難聴者向けのスピーカーを開発・販売している会社です。詳しくはビッグイシュー・オンラインに掲載したインタビューをご覧くださいませ。

こういう言語の壁を超えたリアル商品は、世界市場にすぐに挑戦できるのがすばらしいですね。世界的にも類例がないプロダクトだそうなので、うまく売り込んでいけばかなりの事業規模になると思われます。


オーラルピース

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半分ステルスなのでほとんど知られていませんが、このベンチャーも革新的です。飲んでも安全な口腔洗浄材を開発・販売する起業です。

商品がイノベーティブなだけでなく、販売方法もすばらしい。障害者雇用を増やすことを目的にして、バリューチェーンを組み上げています。最近は東急ハンズでの販売も始まっているようなので、ぜひ手に取ってみてください。こちらも有料メルマガで詳しく取材予定。


ぼくの関心が社会起業家よりなので、かなり独特のセレクションになっているかと思います。普通のアプリ、ウェブサービスもすばらしいものがたくさんあるんですが、ワクワク度でいうと、やっぱりソーシャルベンチャーがいいんですよねぇ。

来年の取材テーマとしては「テクノロジーによる社会課題の解決」「メイカームーブメント」「民主化されたバイオテクノロジー」「宇宙ビジネス」あたりをターゲットにしています。あまり取り上げられないところを扱っていきますので乞うご期待です。