ここ最近関心があるオルタナティブ(alternative:代替の)教育についてまとめてみます。


「無認可」の小中学校が熱い

知らない人はびっくりするかもしれませんが、最近は「無認可」の小中学校(無認可である以上、「小中学校」という表現は不正確な気もしますが)がじわじわと増えてきています。

そのひとつは「東京コミュニティスクール」。NPO法人が運営する学校で、1クラス6名の徹底した少人数教育を実施しています。現時点では「小学校」ではないため、通わせ方は少々特殊になります。

Q:小学校の卒業資格はどうなりますか?

A:TCSは学校教育法第1条に定める小学校ではないため、子どもたちは地元の公立小学校に学籍を置いたままTCSへ通っています。現状は、学期ごとに保護者がTCSの出席及び学習の記録を学校長に提出するとともに子供の学びの状況などについて報告をし、在籍校で公的な出席記録及び卒業の認定などが行なわれるのが通常のパターンです。それ以外の場合でも、提携校であるラーンネット・グローバルスクール(神戸)の過去の実績を含め、小学校の卒業が認められていない例は一つもありません。

東京コミュニティスクール-探究型学習が教育の特徴-全日制オルタナティブスクール(小学校1年生~6年生)


先日イベントに参加した「東京サドベリースクール」も無認可の学校のようです。

Q.卒業証明書は出ますか。また卒業後は、どのような人になっているのでしょうか?

 A.スクールが用意した卒業証明書はありますが、一般的に△△中学校卒業、というものではありません。高等学校を受験する場合は「中学校卒業程度認定試験」を受ける必要があります。

よくあるご質問 | 一般財団法人 東京サドベリースクール


子どもをあえて「中華学校」に入れる日本人も

ぼくの知人がリアルにやっているのですが、子どもをあえて「中華学校」に入れる親も増えているようです。中華学校はご存知のとおり中国人の子ども向けの学校ですが、日本で育った日本人が、あえて入学する判断を下しているのです。

入学の理由はお察しの通り、語学です。中華学校に通えば、中国語はペラペラになりますから。英語学習もかなり進んでいるため、卒業する頃にはトリリンガル(三ヶ国語話者)になることも可能だそうですよ。

中華学校はインターナショナルスクールに比べて、学費も比較的安いのもメリット。同様にインド人学校に入れる親もじわじわ増えているとか。外国人向けの学校は概ね「無認可」なので、こちらも卒業資格については注意が必要です。


認可済のオルタナティブな学校も

すべての学校が無認可というわけではなく、たとえば相模原の「シュタイナー学園」のように、認可をもらっているオルタナティブスクールもあります。

2012年1月、高等部設置が神奈川県知事によって正式に認可されました。12年間一貫の認可された学校という、東京シュタイナーシューレが誕生して以来の希望が、ここに実現しました。

シュタイナー学園の歩み | 学校法人シュタイナー学園

認可を持っているとはいえ、シュタイナー教育は一般的な学校に比べるとかなり独自性が強く、ひたすら4週間同じ科目をやりつづける「エポック授業」、芸術性を重視した教育が特徴となっています。提唱者のルドルフ・シュタイナーの思想性を色濃く反映している、ある意味で神秘的、宗教的といっても過言ではない教育スタイルです。ぼくはシュタイナー教育の考え方は、すごく好きですね。


新しいプレーヤーも続々

新しいプレーヤーも続々と増えていく予感です。R-SICに参加した際、キャスタリアとウイングルという二社のベンチャーが、オルタナティブ教育への参入を唱えていました。

キャスタリアが始めようとしているのは通信制のプログラミング特化高校。こちらで詳しく記事にしております(プログラミングを学べる通信制高校「コードアカデミー高等学校 α ver.」が激しく気になる)。

ウイングルは学校に通えない子どもたちのためのフリースクールを開設したい、と考えているそうです。以下、長谷川さんのスピーチより。

私たちは、2016年に「理想の小学校」建設プロジェクトをやりたいと考えています。自己肯定感ズタボロになっている子どもが多すぎます。私たちは、そもそも学校に行かなくていい、という提案をしたいと考えています。

普通のフリースクールではなく、新しい教育のアプローチを模索します。まずは反転学習の考え方などを採用し、テクノロジーで基礎学習を効率化します。そして生まれた時間で、創造的な学習をしていきます。生徒が一人ひとり、「得意」や「好き」をとことん学べる涵養をつくります。

これはいわゆる「フリースクール」でやる予定です。法的には学校ではありません。なので、通っていても「不登校」ということになってしまいます。私たちは「不登校続出」を、社会問題にするつもりでやっていきます。というわけで、東京都1000坪の土地、理想の小学校建設の仲間求めています。


家入さん率いるlivertyの「青空学区」も新しいフリースクールの動きといえるかもしれませんね。民間レベルでも続々取り組みが出てきそうな予感です。MOOCsの仕組みもありますし、低コスト化はますます進んでいくでしょう。


日本の公教育は時代遅れだ

こうした教育に注目が高まっている背景として、通底しているのは「日本の公教育は時代遅れだ」という問題意識でしょう。一般的な学校で行われる教育は、いかにも型にはまっており、創造性が重要なこれからの社会に合っているとは思えません。

ぼく自身も、子どもには普通の公教育はなるべくなら受けさせたくないなぁ、という気分になっています。大企業のサラリーマンとか公務員になりたいならいいんですけどね…。

これからは、もっと自由に、好きなことをとことん究める生き方がいいんじゃないかな、と思います。最低限の読み書きさえできれば、生きていけるでしょうし。まぁこれは親としての思いなので、実際には、娘の判断次第ではあります。


こうした新しい教育の課題は、それが比較的高コストになってしまっている点にあるといえるでしょう。正直、オルタナティブ教育は「ぜいたく」な選択肢です。今後の方向性としては、こうした教育の効果を実践によって検証し、誰もが利用できるようコストを下げていくことにあるのでしょう。うちの娘が大きくなる頃までには、時代が進んでいるといいのですが…。


できることなら公教育をがっつりリノベーションできればいいのでしょうけれど、こういうものはそう簡単に変化しません。当面は、ゲリラ的に民間から新しい取り組みが続発し、それによって大きなものがすこしずつ変わっていく、という流れになるのでしょう。ぼくは今のところ、ゲリラの方に移りたいと思います。


関連本はこちら。オルタナティブ教育の世界を覗いてみましょう。

おうちでできるシュタイナーの子育て:「その子らしさ」を育てる0~7歳の暮らしとあそび

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オルタナティブ教育―国際比較に見る21世紀の学校づくり

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