本日もライブ体制で更新していきます。ソーシャルイノベーションをテーマにした丸一日のカンファレンス「R-SIC(アール・シック)」です。


セッション①【官民交えての地域イノベーション】
モデレーター:YouthCreate原田さん
登壇者:シチズンシップ共育企画の川中さん、ETICの宮城さん、つむぎやの友廣さん

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主催のリディラバの安倍さんからご挨拶。「本日は長丁場ですが、よろしくお願いします。本日の内容は基本的にツイッターはフェイスブックで共有していただいて構いません。積極的な質問も歓迎です。」


川中さん:おはようございます。1991年に活動を始めたが、時代が変わっているのを感じています。なぜ官民を交えるのか?という話をしたい。

シチズンシップ共育企画では、市民としての意識と行動力を育む学びの場をつくるための活動を行っています。長期ボランティア、奈良市では子どもが条例をつくるワークショップ、京都市への政策提言も。

本題に近いところでは、市民と行政の力を重ねあわせる恊働まちづくり推進事業も行っている。市民と職員が考えるワークショップ、「円卓会議」を開催。NPO、行政、社協、学校…地域で縦割りが起きている。ここを繋げる活動。

問題提起。官民交えてのイノベーションについて。我々はまだアダプテーションに近いのでは。イノベーションはOS開発のようなもの。アダプテーションはアプリ開発。システムそのものを変える提案していく必要があるが、まだまだ不十分だと思っている。

アダプテーションは、市民社会の理念に根ざさない劣化コピーのリスクがある。コピー、改善されるときに質が下がることがある。現行システムの「市民=お客様」のままになる可能性もある。受け手を増やして終わり。市民社会を耕すことにならない。

イノベーションを起こすというのはシステムを作り替える。プロトタイプを提案していくことが大切だが、具体的にどうしていいかはまだよく見えていない。本日はよろしくお願いいたします。


つづいて「つむぎや」の友廣さん:おはようございます。つむぎや代表の友廣です。今原田さんからご紹介いただきましたが、ぼくはざっくり言うと、地域のみ利用資源を活用した地元住民が主体の事業づくり、をしています。

具体的には、石巻の牡鹿半島に主に関わっている。ふたつの浜で事業をつくっている。漁協の女性部の方と2011/4に知り合い、そのなかで漁網の補修糸でミサンガづくりの事業をはじめた。女性7人で手仕事づくり。

1本1000円で販売。半分はつくった人の給料、残りはチームでの貯金に。もっとやりたいことが出てくるかもしれないから貯めていこう。これはよく売れた。何か自分たちもできるかもしれない、と思ってくれはじめた。

雑魚を使ったお店をやってみたい、という夢を彼女たちは持っていた。ミサンガのお金を元手にして、「ぽっぽら食堂」をオープン。今はお弁当屋になっている。牡鹿の先っぽだが、工事関係者や地元の役場の人が買ってくださっている。1日100食くらい販売。月100万程度の売上。

最近は地元の法人として活動している。別の浜では、牡蠣むきを女性の仕事としていた。水産加工場、養殖施設、家が流された。半数が仮設住宅、単身の高齢者が孤立していった。

牡蠣むきの時期になると女性たちは集まって仕事をして、終わったらのんびりお茶を飲む、そういう文化があった。牡鹿にはシカが生息している。この角をつかって何かできないかと考えた。年間1,000頭くらい駆除されるので、角を使ってアクセサリ「OCICA」を制作・販売。 これを事業として成り立たせていくために、全国50店舗で販売。アメリカ・スペインでも販売中。


ETIC宮城さん:おはようございます。私は地域のテーマが好きなので、このセッションに参加しました。ETICの仕事は1993年に学生時代にスタートしました。今年で20年。 起業家精神ということをテーマにしてきました。起業家のネットワークづくりから事業は始まっています。当時、学生が起業するという文化も土壌もなかった。

あの時代はバンドブームだった。政治を変える、メディアを変えるという夢を語っていたが、就活が始まると偏差値的な価値観に戻っていく。もったいないな、と。一生懸命勉強して、あえてまた窮屈な人生を選ぶのは、なんかおかしいのではないか、と思った。

そういうことを考えていたとき、起業家精神ということばに出会った。私がやりたいと思ったというよりは、このことばに出会って燃える人たちに知らせないと、と考えて勝手に使命感を感じて始めました。

90年代はスタートアップ企業へのインターンシップを送り込む事業をしていました。00年代からは社会起業家支援に舵を切りました。上場ベンチャーも増え、支援の土壌も変わってきた。社会の課題を解決することに挑戦する人たちを応援したい、と考えるようになった。

これまで300人くらいの起業家を応援してきました。今日紹介したいのは地域のお話。私は起業家の応援をしながら、「地域」もテーマとしてきました。ETICの事業をスケールアウトする取り組みをしている。

今、約50くらいの地域にノウハウを提供して、仲間が広がっている。地域コーディネーターという言い方をしている。地域のなかで社会起業家的に活動していく人たち。彼らを応援しています。

起業家精神ということばはどんな立場でも意味を持つ。企業の中にいても、行政のなかでも、研究者であろうが学生だろうが、起業家精神は持ちえるし、持つべきだと思う。自らの人生を自分の責任と行動で進めていく、という精神。これは誰もが持ちえる。

軸としては、どのようにして多くの人が起業家精神を持ち、地域を善くする人を増やすか、ということを考えている。

震災復興にも力を注いでいます。5年間で300人のリーダーを送り込む事業。平均年齢30歳くらいの社会人たちを、青年海外協力隊のようなかたちで1年単位で送り込んでいます。92のプロジェクトに200名近い若者を送り込んできた。

最終的には現地で自分たちで組織をつくって、被災地から起業家精神が育まれる環境をつくってもらいたい。自分で自分の地域をよくしていこう。行政のお金からの依存からどう脱却するか、ということに挑戦している。


つづいてSFCの松井教授:私は京都の宿屋のせがれ。兄貴と弟がいる。高校を卒業して東大、通産省に入った。親からのリクエストは世のために仕事をしなさい。商売はお兄ちゃんに任せなさい、と言われて育ってきた。

公のこと、民のことがある。私は1995年当時、首相官邸に勤務していた。阪神大震災。そのときショックを受けたのは、公の私たちが力があるわけでもない。ちょうどその頃、情報革命が始まり、民の人たちが公をやっているじゃないか、と気づいた。

橋本行革、龍太郎総理のもとでやった。96年。公共性の空間は官の独占物ではない、という話をした。実は見てみると、公共の領域に民の方々が入っている。これをもっと促進すべきではないか、と気づいたのが90年代後半。

その後地元に帰ってきて、京都で参議院議員をやった。中央集権型の統治機構を変えたいとコミットした。12年我慢して政治の道に入った。自分の息子が京都市立の小学校にお世話になった。地域の人々が関わるコミュニティスクールを目の当たりにし、世の中の仕組みを変えるべきだと感じた。

「新しい公共」を鳩山内閣で提案しました。公のことというのは、行政・政治家がやる、それは古い考え方。NPO=新しい公共、というわけではない。これは、政府・行政だけではなく、企業もそこに、市民もそこに、という話。

政府だけが社会的課題の解決を独占するという時代は、これまでにもなかったと考えている。公共的な事柄に市民が関わることを取り戻していかないと、他責的になっていく。あなたが悪い、政治が悪い。どうやって当事者意識を持ってもらうか、ということに取り組んできた。

寄付税制というのはできた。納めた税金を国ではなく、自分が応援するプロジェクトに直接寄付する。そういう選択肢を与えた。これはOSのひとつだと思うが、これだけで解決するわけではない。環境整備はまだまだできていない。

もっともっと行政とNPOの人々が人事交流した方がいいと思っている。実例を増やしていき、そのためのルール、ガイドラインをつくっていく。寄付税制はこのままでもいいのか、という話もしていく必要がある。

どういう政権であったとしても、公共というのを行政で担える時代は終わっていることを認識しないといけない。今はSFCの学生に、こういう構造を理解したビジネスパーソンとして社会に出て行ってもらおう、と考えて教育に取り組んでいる。


続いてパネルディスカッション。原田さんから、友廣さんに:OCICAの活動などをやっているが、行政との連携についてどう感じている?

友廣さん:
ぼくは今は徹底して現場にいたいな、と思っている。まだシステム的な話に一般解を出せるわけではない。行政と市民がどのように協調的な「一歩」を踏み出すかが鍵だと思う。

石巻ではあえて行政と距離を取って活動していた。何の実績もない若造が行政と組むのは難しいかな、と勝手に思っていた。最近は情報共有の機会が増えてきた感じですね。これからどういう繋がり方ができるか、今探っている。


宮城さん:
新しい公共を提案していただいたことは、大きなインパクトだったと思い返していた。震災復興の現場は象徴的で、見ていると完全に現場では民間が先行している。ソリューションをつくっているのは彼ら。

2011年は行政との連携を持つことがそもそも難しかった。行政は民間の後を追うかたちで連携を深めていった。これは象徴的だと思う。私たちのところにも各省庁から「社会起業家と連携したい」という話が頻繁に来る。

色々な省庁が社会起業家たちとのコラボレーションを進めている。当たり前という水準ではないですが、着々と進化している。潜在的な意味での意識は変わっているが、お互いの力不足で、具体的なかたちになるまでのつながりにはなっていない。


川中さん:
私たちの場合は、自分たちから行政に話を持っていったことはない。情報発信をしていたら、あっちから話が来た。向こうに合わせていては意味がない。失敗を覚悟して現場で色々やって、100に1つ、うまくいったものを行政と連携していくのではないか、と思っている。

ただ、昔は見つけてもらいにくかったし、探してもらえなかった。こっちが持っていけば話を聞いてくれるようになった。神戸の場合は震災がきっかけで変わりましたね。

宮城さん:
話しだすと大きな歴史的流れがある。私は団塊ジュニアでホリエモンと同学年。物質的には恵まれてきた世代。この世代が社会に出始めてきたタイミングが、阪神大震災とリンクしていたのではないかと思う。東北の震災は、それが顕在する機会提供にもなっているのでは。

川中さん:NPO法の制定もインパクトがある。行政がNPOについて学ばざるをえなくなった。


松井さん:
自治体の人たちは国の役人なんかよりよっぽど、地域に根ざしていますね。コミュニティスクールなど、良い事例はでてきている。大事なことは、単に京都だけのゲリラ的な取り組みではなく、制度として整え横展開したこと。

明治以来の制度が崩壊した。そこで何らかの代替物が必要だ、というニーズは今も強くある。情報革命が広がって、組織のなかの個人が「染み出して」いる気がするんです。行政の人もFacebookで市民と繋がっていますよね。


川中さん:難しいのは、パイロットモデルだけが広がっていって形骸化していくこと。人材育成をしても完璧ではない。ノウハウだけでは不十分だと思う。現地の人の「想い」「本気」をどう刺激すればいいのか。

宮城さん:
本気を生み出すのは、本気しかないと思っている。それを生み出したい人の本気、がまず必要。今の時代こそ、本気の価値が問われていると思う。若者が地域に入ることで、地域の大人たちは本気になる。彼らは天然でムキになっている。

若者が入ると大人たちが連帯し、刺激を受ける。被災地なんかを見ていても、まさにこれが起爆剤になっている。


友廣さん:
ぼくらも若者として、そういう立場だったんだと思う。タダメシを食べさせてもらいながら、彼らが本音を自然と共有してくれた。そうした想いに気づいて、動き出していった感じ。

松井さん:
行政職員が本気になるためにも、同じような話だと思う。七人の侍でも、若侍は戦力になっていないじゃないですか。でも、彼がいることで、一生懸命になる。若者に対して恥ずかしくない生き方をしよう、と。

あまちゃんもごちそうさんもそうでしょ?行政官はプロだけど、アマチュアで頑張っている人を見ると、変わっていく。

もともと公というのは集落の自主的な活動だった。災害でたとえば橋が落ちた、道が崩れた。そういうときにみんなでなんとかするか、ということをやっていた。近代化とともに役割分担が進んでいった。役所になり、企業になり。お金を出してみんなでやろう、と。

縦割りの省益追求ではなくて、総合的に判断しなければいけない。資源が少ない中で、どこに分配するかを考えないといけない。社会全体の統治のあり方が変わっているなかで、どのような絵を描くかが中央の役割だと思う。


質問①:川中さんへ。市民が当事者意識を持つために大切なことは?質問②:友廣さんへ。行政に対してどんなことを求めますか?

川中さん:①まずは大人が背中を見せること。そういう環境で暮らすこと。大人のシチズンシップ教育は大切。②子ども時代に手応えのある経験をすること。③自分ならどうしたい?という問いかけを提供すること。

友廣さん:
行政とのつながりはそれほど強くないが、疎外感はそれほどない。ETICなどと連携しながら行政とコミュニケーションを取ることができているからではないか。行政と直接、というのはコミュニケーションコストも高い気がしている。


質問①:
川中さんへ。環境教育はどうあるべきか?質問②:宮城さんへ。コミュニティは必要がないからなくなってきたのではないか?

川中さん:難しい問いですね…。①アクティビティをパーツで売りすぎたのではないか。プログラム全体のデザインが曖昧だった。そこのねじを巻き直すべき。②制度化もしつつ、全部制度に飲み込ませない設計が必要だと思っています。

宮城さん:コミュニティをつむぐことに携わりたい若者が増えてきている。今は転換点なのではないか、と考えて支援している。 今までは国を批判していればよかった。が、向こうからどうしましょうか?と聞かれるようになってきている。ここにいる人たちが動きだすことは大切だと考えます。


教育事業のアプローチの多様化:IT教育からキャリア教育まで

セッション2が始まりました。次は「教育」がテーマ。


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津田( @tsuda )さん:
みなさんこんにちは。ぼくもこの分野はたいへん関心があります。今村さんが12時の新幹線に乗らないといけないのでテンポアップでいきます(笑)

今村さん:
おはようございます、今村でございます。みなさんは週刊少年ジャンプを毎週購読なさっているでしょうか?こう見えてもぼくは小学生の頃、成績がよかったんです。しかも初孫でした。同世代がジャンプを読んでいる間、マニアックなガンガンを読んでいました。

だがしかし、24歳の頃にジャンプの面白さに気づいて、毎週買っています。なぜこんな話をしているか。ジャンプを読んでいるということは「暗殺教室」に注目していますよね?

「暗殺教室」がなぜすごいか。とにかくヤバいヤツが地球に来るところから始まります。それを中学校の生徒たちがなんとかしないといけない。先生が着任して、ストーリーが始まります。

これから話す人たちの共通点は、何かといえば、教育を学校に丸投げしないことだと思う。地球をぶっ壊す先生すら学校に参加する時代です。カタリバは、学校に地域の力、行政の力などを集めて教育を変えていくNPOです。


松田さん:
みなさんこんにちは。TFJの松田です。90分くらいで話すことを3分でまとめていきます。真面目な話をすると、私は本気で日本を、教育をよくしようと思っています。そのために、全力で取り組み、当事者意識をもっています。

教師として学校現場に入り、教育委員会に入り……常に、教育のために何ができるかを考えてきました。最終的に行き着いたのは「人」なんですね。これに尽きるんだと思って活動をしています。

日本はさまざまな教育問題があります。格差、IT、自尊心。こうした課題に対して、TFJは「人」という角度で取り組んでいきたい。私たちは、すべてのこどもたちが質の高い教育を受けられる社会を目指しています。

具体的には「Learning for All」。生活保護受給世帯の子ども、被災した子どもなどに放課後に学習機会を提供する事業。

もう一つは「Next Teacher Program」。教育トレーニングを提供し、学級崩壊しているような学校に派遣していく。社会を巻き込みながら教育をよくしていこう、という考えでさまざまな取り組みを行っていきます。


水野さん:
こんにちは、水野です。Life is Techでは中高生向けのIT教育を行っています。大学生が中高生を教える、5日くらいのキャンプをやります。「ディズニーランドよりも行きたい!」と思わせるような場をつくっている。

やはり民からやるのが一番いいのではないか、と思い3年前につくった。パソコンとかITが好きな子どもたちに機会を提供しています。今年の夏は1,000人、累計で3,000人くらいがキャンプに参加しています。

最近では「スターズ」という起業支援、アプリ支援、AO支援などをやっています。継続的に開発を学べるオンラインスクール、リアルも含めると100人くらい。20万人の子どもたちを、ITの世界に夢中にさせたい。つくれるってかっこいい!という世界。


景山さん(山脇さんはノロでダウン中だそうです…):こんにちは、影山です。キャスタリアでUI/UXをつくっている人間です。弊社は日本国内というより、海外でお話をしています。UNESCO、SXSW、Mobile Asia Expoなど。

私たちは教育で社会課題の解決をすることをミッションに掲げている。2012年に「石巻プロジェクト」を実施。KDDIなどと協力してタブレットを配布し、教育を提供。

もう一つはプログラミング必修の通信制の高校。http://code.ac.jp/ あとはモバイルラーニングの「goocus pro」。スマホを使うと行動を変えることができると考えています。


津田さん:OECDの調査で日本の学力が向上している、という発表があった。が、昔のテストをやらせたらゆとり世代の方が得点が高かった。ゆとりが教育にもたらした悪影響って実はあまりエビデンスがない。政治と教育は語りやすい。

松田さん:OECDの調査では読解力などの成果がよかった。ただ、あのテストの限界も垣間みれた気がする。今後の10、15年後を切り開いていくために必要なこと、論理的思考力、アウトプット能力など、ソフトスキルをどう担保するかが重要だと思う。


津田さん:それぞれが教育に関してどんな問題意識を持っているのかをお聞きしたい。

今村さん:
暗殺教室の話から始めたのは本当に思ったことで、みんながいかに学校に関わっていくかがポイントだと思う。ゆとりの影響で一番大きいのは、学校教育における学習時間が減ったこと。学校にいるはずの時間にいないでもよくなった。

学校にいない時間に充実した時間を過ごせるリソースを持っている子どもと、そうでないい子どもの格差が広がったのではないか。

スマホについても、学ぼうとする人はどんどん学ぶが、さぼろうとすればどんどんさぼれる。ぼくもNAVERまとめとかハム速とか見てしまう。こういった点をどうするかが問題意識ですね。


景山さん:一番変えられそうなのはシステムなのかな、と思っている。今の教育システムは大航海時代くらいに生まれたもの。

水野さん:ひとつは出口。大学受験と新卒採用。20世紀型の仕組みを変えなければいけない。中身に関しては、先生の役割が変わる。知識を教える人から、知恵を教える人。格差は広がっていくので、どうコンテンツを作り替えていくかが鍵。


津田さん:最近はペーパーテストよりも面接重視の動きが来ている。水野さんはどう考えている?

水野さん:変化することそれ自体は支持します。どう変わるかはわからないけれど。ITという点に関しては、プロ野球のような世界がつくれる。スーパー高校生がGoogleに行く、とか。こういう出口をつくってしまいたいと思っている。

津田さん:水野さんのお話を伺って思うのは、プロサッカーに至る道かな、と。Jリーグの場合、高校サッカー選手権とクラブユースのふたつがある。クラブユース的なものがあってもいいんじゃないか、というご意見ですね。

水野さん:新卒一括採用に関して思うのは、面接ではわからない。インターンの仕組みはアメリカでは普通じゃないですか。インターン的なパターンが増えていかないといけない。そもそも活躍できる人材なら企業は欲しい。そういう点の教育を支えることが重要ではないか。


津田さん:なぜTeach for Americaの仕組みを日本に持ってきたんですか?

松田さん:
すばらしいモデルだと思った。もっとも優秀な人たちが、もっとも修羅場に入っていく。そういう体験を通してリーダーとして成長していく。ハーバードの18%の学生がTFAに入りたい、と言っている。 TFAが教育を変えていく人たちの「登竜門」になっている。この仕組みに感銘を受けて、日本でやりたいと思った。

自分が現場にいて思ったのが、でもしか先生が増えていて、優秀な人が民間に流れている。一人の教員で200人見る。その先生は40年間残るので、8000人にインパクト。これは国の根幹ではないか、と危機感を覚えた。

課題としては、当事者性の欠如。何か問題だというのはわかっている。教育委員会の人と話したことがある人はどのくらいいるのか。なのに、閉鎖的だと思い込んでいる。そのなかで苦しむのは子どもたち。子どもたちを鏡として見ないといけない。


津田さん:ここまでの話はすばらしいですが、まとまりがいいのでもっとロックンロールな話をしたいですね(笑)従来型のシステムとの対立点、解消策などについて伺っていきたい。

今村さん:
暗殺教室が面白いのは、非正規の先生がいるんですよ。ロシア軍人スパイを英語の先生やっていたりする。教育市場はまったく儲からないと思います。

教育市場はまったく儲からないと思います。カタリバは13年やってますが、ど正面からの競合に出会わない。儲からないから参入してこない。労働市場として見た時に、教育は正社員市場なんですよ。9割以上が正社員、公務員人件費。 ぼくらのような外野人材に対する予算のバッファがない。アメリカはもっと流動性が高い。

津田さん:カタリバの理想は「暗殺教室」のようにする、と(笑)カタリバの従業員はどのくらいいるんですか?話から察するに、給料はお高くない感じだと思いますが、モチベーションは何なのでしょうね。

今村さん:アクションが多様化しているのを感じますね。副代表に採用したのが、ゴールドマン、プルデンシャルの社長もやった方。もうお金じゃないんだ、と。何百億も動かしてきたが、それでは満たされないと思うようになったそうです。新卒に関しても、大手コンサル、商社に行ったであろう人が、自分の想いや時間を投資したいと考えてうちに入ろうとしてきている。


松田さん:ほとんど壁。99%は修羅場。どんだけ教員免許制度を変えていくか、そこの壁を壊したいですね。アメリカでは民間の無免許の人も教壇に立てる。免許制度改革はやっていかないといけないと思っている。

水野さん:やれることはたくさんあるので楽しいな、という感じです。競合ってないなぁ、と思う。全員が子どものために、子どもの可能性を最大化するために行動できる。文科省も先生も親御さんも子どものことを考えている。

景山さん:幼稚園にタブレットを持ち込んだ事業をやった。最初の抵抗感はあるが、いざ入れると喜んでもらえる。上部には「自分がコントロールできないデバイスを教育に入れたくない」という考えがあるが、受け入れる仕組みが必要だと思う。


津田さん:code.ac.jpは相当ラジカルだと思う。通信制のオンライン高校。実現をしていこうとすると、課題や反応はどうなのか?

景山さん:そうですね、とある団体には受けがよくて、とある団体には圧倒的に批判される。申請中なので具体的に言えないが…(笑)プログラミングを教えたいけれど学校に通わせたい、という親御さんからは反応がいいです。


津田さん:もうひとつ聞きたいのはオンライン学習をして、リアルで学ぶ、という授業形態の話について。反転学習、MOOCsなど。

今村さん:高等教育については有効な局面が大きいと思う。ただ、遅れている子のサポートにはならないと思っています。先に進みたい人に関しては力になるだろう、と。

松田さん:反転学習は、授業がわからなくて苦痛になる子どもを減らす可能性がある。何が教えられるかわかる状態なら、モチベーションが上がった状態で教室に入ることができる。子ども、親の教育への関与を高めるだけでなく、教師のワークロードを減らすこともできる。


津田さん:学校はどのようになっていくべきか。どんなことを期待しますか?

景山さん:ひとつは場の提供だと思う。ぼくは大学に行かなかった。楽しくなくて、試験だけ受けていた。学校で知り合った友だちと、何かをやって、その延長で今の仕事をしている。場に踏み出す勇気がない人のために、学校というのは有効な場になるのではないか。

松田さん:
学校って「ミニ社会」だと思うんですよ。社会は色々きついこともある。それにちゃんと準備させるということが、学校の役割だと思う。社会のリアリティをちゃんと伝え、そのリアリティのなかでどうコミュニティを形成するのか。

今までの教育は、活発型でも協力型でもない子どもを、活発・協力型に変えていこう、というものだった。今後の教育は、活発型でも協力型でもない人「と」一緒にどうやっていくか、ということを考えなければいけないのだろう。


津田さん:これからの教育の格差問題についてどう考えるか。自己肯定感も少ないなか、教育機会の格差は大きくなっていくのではないか。みなさんのようなサービスが増えれば増えるほど、格差が生まれるのでは。

今村さん:
格差が広がるからこそ、ぼくらが学校教育に参加する。日本の学校教育は、歴史的に見ても世界に誇ることができると思う。最近子どもが生まれたんですよ。子どもはぼくのところに生まれたくて生まれたわけじゃないんですよね。これが格差か!と思ったんですよ。

ぼくのようなところに生まれた子どもでも、ある程度、できる・やれると思えるようになるための仕組みが日本の教育だった。しかし、このバランスが損なわれているのなら、儲からない市場のなかで、ビジネスをつくりながら学校教育でコミットしなければいけない。


松田さん:格差の問題を変えることができるのが教育だと思っています。学校の先生たちは親以上に子どもたちと接している。子どもの24時間をトータルデザインするリーダーシップがそろそろ発揮される必要がある。それなくしては、負の連鎖が大きくなっていく。

水野さん:ITが好きな子がとても多い。が、親からは「パソコンばかりやって」と言われてしまう。まずはその子たちの可能性を最大化させるために活動している。「スター」をつくれば、親御さんが子どもを応援する環境ができる。

景山さん:格差はふたつあるのではないか。機会の格差、成長の格差。わたしは後者の話をしたい。今の状況を考えると、勉強の「離脱率」が高すぎると思う。ゲームでは導入部を簡単につくり、成功体験をつくり、徐々に難しくしていく。


Q:子どもたちの視点でみたときに、なぜ勉強をするべきなのか?ということが語られていない。子どもが勉強したいと思うためにはどうすればいいのか、という点について。

松田さん:
すごいグッドな質問だと思います。できることとしては、勉強嫌いって何があるかというと、子どもと先生の信頼関係から始まる。この人の言うことなら聞いてやってもいいかな、授業も面白いし…と。この数字は、現状OECDの平均の半分。もうひとつは「このままいくとやべーじゃん」ということを、バランスよく伝えていくことではないか。


Q:過疎地や被災地の子どもたちの支援について。まだまだ知名度が低いのではないか。プロモーションについてはどう考えていますか?

今村さん:行政と寄付で女川で学校をやっています。反転学習はボトムアップにならないと申し上げたが、反転学習の活用だと考えています。信頼関係がある誰かとの場がまずあった上で、オンライン学習があれば何かできるのではないか。今まさに模索中です。


津田さん:最後に、ロックンロールなセッションということで、サクセスやビッグマネーという観点でひとことお願いします。どういうロックな未来をつくりたい?ここはライブ会場です。

景山さん:世の中には教育を雨のように降り注がないといけないエリアがある。アフリカです。ぼくたちはこのエリアに事業を始めました。ここにぼくらは未来を感じています、これからもよろしくお願いします。

水野さん:ぼくは教育に競合はないと思っている。みんなが子どものために実践をしていくことが大切ではないかと。みんなで21世紀の教育をよくしていきましょう。

松田さん:教育ってロマンたっぷりなんですよね。子どもの人生を変えることができる。もしその子どもが出会ってなければ、大学も就職もなかったかもしれない。生活保護、犯罪者にならないかもしれない。この社会コストの削減になるという意味では、実はビッグマネー。今後大きくなっていく。You Doしちゃいなよ!

今村さん:この場にお越しいただいたみなさんがカッコイイと思います。教育の仕事をする人たちが学ばないといけません。お手を拝借、一本で締めさせていただきたいと思います。


分科会:(13:10〜14:30)

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円状に椅子を並べて「NPOはいつ死ぬべきか」「なぜソーシャルセクターでは事業統合が行われないのか」というテーマについて語り合いました。


CROSS POINT:(14:45〜16:05)

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さてさて、ここからは「天下一武道会」形式とのこと。ぼくはおこがましくも審査員として参加いたします。8人、8分間のプレゼンをバシバシやっていく形式です。なんと京都市長も参加!

垣内さん:
みなさんこんにちは。垣内です。障害者というテーマについては様々な問題がある。私は、「無関心」か「過剰」か、という問題があると思っています。この二極化が進んでいます。中間のさりげない配慮ができる人が必要だと考えています。

私の病気は明治の先祖から受け継がれてきたものです。先祖たちは生まれてから死ぬまで学ぶことも、移動することもできずに亡くなったと聞いている。しかし、私は今日移動してくることができた。外出できる時代になった。

こういう時代は新しい。6割が接し方や方法がわからない、答えている。私たちはハードとソフト、両方から変えていかないといけない。ハードが変えられなければ、ハートを変えればいい。

高齢者は人口の24%、障害者は人口の6%、3歳未満は2%。3人に1人が移動に、サービスの利用に不自由を感じている。

この課題を解決するために、私たちはユニバーサルマナー検定という資格事業を始めている。特別な知識や高度な技術は不要。これはマナーの領域である、と。

たとえば冠婚葬祭。車椅子の方が移動できないと機会損失になる。たとえば飲食店は、95%は車椅子では利用できない。裏を返せば、車椅子ユーザーはロイヤルカスタマーになる。私たちは、そうした提案を行っています。

社会性と経済性の両方をもって続けていかないといけません。企業、行政、教育機関と、ユニバーサルマナーを日本の文化にしていきたい。高齢化が進む日本だからこそできることがある。


角間さん:
こんにちは角間です。重たいことばが出ています。風俗の世界は便利。しんどいことがありました、風俗にいきました。…そこでおしまいにしていませんか?自問していただきたいんです。風俗に関わることの何がしんどいのか。そこには無関心がある。

夜の世界、という便利なことばがある。風と水に分けられる。ぼくたちは風俗を管理型・違法型・個人型にわけていて、管理型の人たちを対象としている。30万人の人たちが働いている。全体の半分以上が派遣型。見え辛くなっている。

40歳の壁がある。風俗に関わる仕事は、どうやっても40歳で終わる。デリヘルで働く人たちの平均月収は30万円くらい。思っていたより少ない、というのが多いのでは。お金が欲しいわけではない。それを30日中10日働く。

ぼくたちは20日で彼女たちにアプローチする。最大の資産は時間。華やかな世界に行きていて、残りの20日間はホスト・買い物・パチンコに費やしていることが多い。それがイケているから。

ぼくたちは困った時に、彼女たちが来てくれるような場所をつくっている。ぼくたちは彼女を100%女の子だと思っている。空間デザイン、プロダクトデザイン、ワークショップに巻き込む、など。NPOは彼女たちにとって退屈。楽しいアクティビティのための時間を取っていく。 彼女たちは困ったらパチンコにいってしまう。関係性をつくると、悩みが届く。ぼくたちは風俗嬢支援しているが、女の子たちを支援しているだけです。ありがとうございました。


上原さん:
東京都内で主に活動しております。保護者の声を紹介します。①「我が子の居場所がない。預け先がなく仕事を辞めました」。「小一の壁」問題で困っている人たちがたくさんいる。低学年でも推定40万人。

②「大事な小学生時代に、豊かな体験ができる場所がない」。自然体験に参加する児童は年々減っている。③「金銭的な理由で、豊かな時間を過ごさせてあげられない」。日本は世界で6番目に貧困率が高いと言われている。

70%の保護者が放課後の過ごし方に満足していない。放課後をどうやって過ごすか、というのは考えられていない。不満は①居場所、②体験、③経済。これが主な問題だと考えられる。

それを解決するためにアフタースクールをやっている。放課後の教室で多様な体験ができる、安心安全な居場所をつくっている。地元のパティシエがケーキづくりを教える。ファッションショーをやりましょう。引退した棟梁が家づくりを教える。サッカー選手がサッカーを教える、などなど。

企業も放課後にやってくる。サントリーホールが演奏会。FC東京がサッカーを教えにくる。そんなことをやっています。アフタースクールは誰でも使えます。経済格差に関係はありません。全国へ広がり始めており、神戸、弘前、桐生、山形などでさまざまなプレーヤーが実践している。

放課後は盲点。アフタースクールがあると、安心安全な居場所ができる。アフタースクールは子どもたち、保護者、日本を変える仕組みだと思っています。


篠塚さん:
うちは介護が必要になったお年寄りが旅を楽しめる社会をつくる事業を、95年から始めています。元々は事業でやっていたが、協会をつくりノウハウを全国に広めています。

誇れる先進国をつくりたいと考えました。トラベルヘルパーによって、要介護高齢者が墓参り、ふるさとへいつでも行けるように。障害のある子どもが体験学習に参加できる機会を。地域資源(温泉、自社、森林…)を生かした健康生活をもっと身近に。

介護の技術と旅行の業務知識を持つ「トラベルヘルパー」を育てています。ここ2〜3年はトラベルヘルパー養成講座を、様々なパートナーと連携して実施しています。若い人だけでなく、中高年が受けている。特に、地元を愛するお母さんが受けてくれている。

旅はリハビリになる。旅を目的にして、介護度が下がっていく。小さな旅行を150回繰り返した老人。介護に旅行を入れたら生きがいが産まれた。元気になっていく。そういうことをやっています。


向田さん:
よろしくおねがいします。まず、ある女の子の声を聞いていただきたいと思います。(再生中)ネパール語で話す女の子の声です。推定年齢が14歳です。彼女は自分の名前を覚えていません。

ある日突然、ネパールの農村地域から5万円くらいでインドの売春宿に売られ、監禁され強制労働されていました。その間に記憶を失い、過去や名前も忘れ、ことばを失った。彼女が暮らすネパールは人口3000万人の小さな国。インドと中国に挟まれています。

年間5,000〜15,000人の女の子がムンバイ、デリーに売られていると言われています。帰国する女の子の60%がHIVに感染しています。

暗い話に聞こえると思いますが、写真の女性たちは笑顔です。映っているのは化粧をした女性です。最初の女の子は「化粧して奇麗になったわ、また化粧のワークショップやってね!」と話していた声です。ネパールで女性の自尊心を高めるため、コスメワークショップをしています。

15歳のときに、高津亮平さんの話を聞いた。3秒に1人、人が死んでいる、ということを教えてくれた。「講演会が終わった後、何人死んでいるのでしょうか」。それに刺激を受け、ネパールに1ヶ月滞在した。

就活はやらなかった。アジアでフィールドワークをして現地の女性をインタビューしたところ、女性たちは「オシャレしたい!」ということを話していた。彼女たちにとっては憧れだった。そこで化粧品メーカーのシーズンオフ品をもらい、現地でワークショップをやった。

人身売買の被害にあった女性たちを対象にしています。一番初めに紹介した女性は、話すことができなかったが、ワークショップをはじめてからことばを取り戻していった。

ネパールは失業率40%。この国で色々やったが、職業訓練だけでは仕事にならなかった。今年、現地に仕事をつくるために化粧品ブランド「ラリトプール」をつくった。

『世界一貧しい』と言われる国に、夢みたいな瞬間をつくりたいと考えています。女性たちに精神的なケアと、仕事を提供していきます。


永岡さん:
ちょうど先週、首都圏スペシャルに出演した際に、田原さんが「81世代にとても期待している」と仰っていました。その前後の世代には社会を変える力がある、と。今日はその世代の方が多く来ていて、負けられないなと元気を貰えました。

社会的養護の子どもたち・若者たちの就労支援事業をやっています。ここは福祉として長らく放置されてきた課題です。児童養護施設にいる子どもたちは、18歳で親に頼らず自立をしなければいけません。彼らの多くがワーキングプアになってしまっている。

児童養護施設に入る子どもは3万人。基本的に18歳になったら自立を余儀なくされる。8割は進学を諦め、正社員で就職する。しかし、長続きをしないで離職してしまい、ワーキングプアになる、という構造がある。

施設出身の若者たちは、就職準備がほとんどなされていない。適性、やりたいことよりも、住み込みなど条件優位で就職する。孤独感、プレッシャーも。こうした足かせに押しつぶされて、仕事を投げ出してしまう。

なんとか解決したいと思いました。もったいない、と。元々リクルートで採用支援をやっていました。そのなかで、中小企業が若手確保に困っていることに気づいた。能力・学歴以前にやる気が大事だよね、という採用シフトが始まっている。が、やる気がある若者が見つからない、と嘆いている。

ここをマッチングできないかと考え、事業を始めました。とはいえマッチングだけでは不十分なので、キャリア教育、就職後のフォローなども行う。株式会社フェアスタートとNPO法人フェアスタートサポートのふたつの体制でやっています。

企業は児童養護施設について理解していない場合がある。障害者の子どもたちがいる場所だと思っている人たちも。ブランドマネジメントの観点から、株式会社の体制を取っています。

31名をマッチング、47施設を支援しています。社会的課題を知ってもらうために、メディアにも出演する努力をしています。自分の努力次第で、いくらでも道を拓ける社会を創っていきたいと思っています。


成澤さん:
みなさんこんにちは、成澤と申します。3000名のうち1000人が就労困難者であるISFネットの幹部をやりながら、FDAをやっています。年間100〜150本程度やっています。ライターとストローの共通点は知っていますか?カタカナ4文字、というのはなしでお願いします(笑)

このふたつをつくったのは障害者なんですよ。マッチは片手がない人は使えない。ストローは首が不自由が人がつくった。電話の子機、エレベーターの鏡、ウォシュレット。就労困難な方々のアイデアが、実は当たり前にある。

もうひとつ。精神障害の方々が働いていた場合の損失は?うつ病の方が働けていたら、約3兆円といわれています。北海道の税収と同じくらいです。

ここからぼくの仕事の話をします。FDAというところは、障害者・引きこもり・ボーダーライン・性同一性障害・生活保護・犯罪者などなど、あらゆる社会的に居場所が難しい方の職業訓練をしています。

会社のなかにトレーニング施設を設けています。約30名ほどトレーニングを受けている人がいます。スタッフは約10名、支援しているスタッフは全員就労困難者です。当事者が当事者を支援している。約50名くらいの課題をもった人をトレーニングしているが、誰もドロップアウトしていません。

来年京都に一カ所構えようと思っています。海外にも展開予定です。収益についても。営業の力が強いです。社会貢献しながらコストカットしようぜ、と話しています。


門馬さん:
石巻が地元です。写真を見てもらっていますが、子どもたちの放課後の居場所支援に入るのかな、と思います。ご存知のとおり、石巻は大きな被害を受けました。祖父母の家も被害を受けた。

そんなこともあって、何かできないかを考えていた。避難所でボランティアをしたところ「語弊があるかもしれないけど、震災がきて救われた!って思ってるんだよ」と中学生の男の子が漏らしていた。

なぜそんなことを言ったのか。その子の背景には、父がリストラでアルコール中毒、母はDV被害でうつ病、姉は家出、自分は不登校。避難所にいる環境は彼にとってよかった。ボランティアが声を掛けてくれる。自分の声を人に届けることができた。

これを聞いた時に、ニュースや新聞で貧困の問題を知っていたが、はじめてそれを目の当たりにしたと感じた。震災が来ないと救われない子どもたちが、この社会にいる。そういうことを知った。

そういう子どもたちをどうすればいいか、考えつづけていた。非常勤賭して高校で教えていた。そこでも、「荒れている生徒」と「怯えている生徒」がをどうするか。スクールウォーズのような学校でした。どちらかを切るための会議が行われていた。学校だけでは無理だ、と思った。

そこで、地域のセーフティネットをつくる活動をしている。現時点では、放課後教室や学内カフェを行い、不登校・中退予備軍向けの事業をしています。学内にも入って事業をやっていく予定です。

理念に基づく事業の立ち上げとそのスケールアウトに関する葛藤:社会的事業と個人のキャリア(16:20〜18:00)


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続いて最後のセッション。「理念に基づく事業の立ち上げとそのスケールアウトに関する葛藤:社会的事業と個人のキャリア」。モデレーターはIVPの小林さん。湯浅さん、ユーグレナ出雲さん、マドレボニータ吉岡さん、ウィングル長谷川さんが登壇。

小林さん:
100億円くらいのインターネットビジネスに投資するファンドをやっています。前職時代、GREEに社員3人くらいのときに投資をした。日本と中国に投資しています。ぼくの話はこれくらいにして、トップバッターはユーグレナの出雲さんにお願いします。

出雲さん:
こんにちは、出雲でございます。小林さんにぜひ申し上げたいことがあった。ミドリムシを育てる事業をやっています。バイオベンチャーは仲間の集まりがない。ITはそれがある。岩瀬さんに「ぼくもIVPに誘ってよ」といったら「君ITじゃないしね…」と言われた。来年は誘ってください。

小林さん:ご招待いたします!

出雲さん:
こちらはミドリムシです。ミドリムシは動物と植物の両方の栄養素があります。今日もミドリムシの良さを伝えにきました。ミドリムシを絞ってヨーグルト、ハンバーグを売ってます。ミドリムシというと、青虫をイメージされてしまう。半分くらいの人が青虫をミドリムシだと思ってます。

ミドリムシには栄養があるので、培養が難しい。技術的な課題だったが克服し、培養に成功した。巨大なプールで安価にミドリムシを育てている。今日はミドリムシと青虫は違うよ、ミドリムシしか友だちがいないので仲間にしてください、と伝えたい。


こんにちは、湯浅といいます。私は貧困問題をずっとやってきました。色んな団体をつくってきたが、名刺つくるのが面倒なので「社会活動家」で統一して使っています。

この数年やっていたことは、生活困窮者自立支援法が国会にかかっている。民主党政権時代に内閣府参与としてモデル事業をつくったものの、法制化です。自治体が義務として生活困窮者の相談に乗る、ということが実施されます。

政権交代で方向性が大きく変わったが、これを生き延びさせるのが大変だった。それで色々な人に働きかけて、ようやく法制化まで進んだ。それがひとつの大きな課題でもある。

今日はいい話がたくさんきけた。これが全部実現すれば、社会的包摂は完成するんじゃないか。これをどう広げていくかが、私のもう一つのテーマ。公共事業と企業誘致は厳しくなっている。内側から発展していくことが大切になってくる。六次産業化、観光、再生エネルギー。

いま・ここにある人、モノ、自然の再発見だと思う。今まで価値が見いだされていなかったものに光を当てる。しかし、「人」に視点が当たることが少ないと思っている。人の再発見、人の再活性化が行われる必要があるだろう、と言っています。この後の話も、そうした観点から新しい日本社会の姿についてディスカッションしていきたい。


吉岡さん:
マドレボニータって言える人が少ないんですよ。よろしくお願いします。東大まで出てなんでこんなことやってるの?と言われる。私は簡単に言うとフィットネスのインストラクターなんです。東大出てても、乳飲み子抱えていると就職先がない。当時98年。

出産して子どもを育てていかなければいけない。なのに、スーパーのレジ打ちとかクリーニングの受付くらいしかなかった。

マドレボニータはスペイン語で美しい母。ひとつ上の先輩が堀江さんだった。当時はまだ起業が一般的ではなかったが、彼を見ていたので起業という道がぼんやり見えていた。

母となったからには、美しい人間になっていきたい。清濁合わせ飲める人間に。出産後の女性の心と身体のヘルスケアプログラムを開発・研究・実践しています。出産するとおめでたいイメージがある。新生児死亡率も低い。

が、「産後うつ」は年間10万人。10人に1人が産後、うつ病になる。独自にアンケートを取ると、一歩手前、症状を自覚しているレベルは100人中80人。産後、何かしら精神を患っている人が多い。

出産「後」に色々な問題がある。母親だけを責めても解決しない。そもそもシステムに問題があるのではないか?調べてみると、乳児へのケアは手厚いが、母親へのケアは「皆無」だった。

まずは身体がつらい、心も不安定。自分が楽になりたいと思い、産後のボディケア&フィットネス教室を始めた。120分×4回のコース。マドレに来る人はみんな元気ですね、と言われるが、終えたから笑顔に、元気になっている。

現在11都道府県で24人の認定インストラクター、9人の事務局スタッフがいます。クラウドでやっています。年間受講者数は5,000人。ボランティアは年間250人が関わっています。

2006年当時認定制度を導入し、スケールアウトを始めた。集まってくる人はいるが、本気で認定試験を受けてくれる人はそう多くない。わかったからいいです、と認定を受けずに勝手にやる人が多い。それが増えると市場に問題が出てくる。

課題として、クオリティの問題もある。悪評判、クレームに向き合うことも。スケールアウトしていくと、クオリティや熱量に格差が出てきてしまう。熱量の下がったインストラクターの自発性をどう高めていくか、これを意識しています。

なぜマドレボニータのインストラクターになるのか。その付加価値とは何か。これがスケールアウトをする上で考えなければいけないことだった。利点を洗い出して、「チーム制」や「スキルアップ動画提出課題」などの仕組みを導入。


長谷川さん:
ウイングルの長谷川と申します。ぼく以外全員東大というセッションだったりします(笑)東大出身じゃなくてもスケールアウトはできる、というテーマで働いていこうと思います。 24歳の頃、ウイングルの社長になりました。ETICに出会って突然「世界を変える!」と言い始めた。親はETICを宗教団体だと思っていた(笑)

投資事業でいえば、パーソナルモビリティの「WHILL」に投資している。ジェット車椅子。速く移動できるスタイリッシュなモビリティ。みんなも乗りたいものをつくれば、障害者という枠組みもなくなっていくだろう。

スタートは就労支援です。障害者就労は15%。工賃は毎月1.3万円程度。企業の側に働きやすい制度や環境をつくっている。2012年度は700名就職。社会の側に多様な人が働ける環境があれば、障害はなくしていけると考えている。

統合失調症の方がとても多い。大学生、高校生の頃に発症した場合が多い。要因はストレス。背後にはいじめ。勉強ができなくて…。彼にとって、何が障害だったのか?この場合は教育が問題。

そこで、オーダーメイドの幼児教室、学習塾を開始した。6.5%が発達障害で、社会に受け皿がない。首都圏33教室、生徒数3,500人。学校のなかに介入して働きかけることもしている。

発達障害は成長が遅延している、と言われる。本当の障害は皆同じペース、同じ方法で伸ばしていく教育システム。子ども一人ひとりは脳の作りも勉強ペースも違う。個性を矯正するのではなく伸ばしていく。

そこで幼児から対象の21世紀モノづくり教室を始める。プログラミング、ロボット、デジタルファブリケーション、グラフィックデザイン。

もうひとつ。2016年に理想の小学校建設プロジェクトをやる。自己肯定感ズタボロになっている子どもが多い。そもそも学校に行かなくていい、という提案をしたい。テクノロジーで基礎学習を効率化する。産まれた時間で創造的な学習をする。そして得意や好きをとことん学べる。

これはフリースクールでやる予定です。法的には学校ではない。「不登校続出」という社会問題にするつもりでやっていきます。東京都1000坪の土地、理想の小学校建設の仲間求めています。


小林さん:ここからパネルディスカッションに入ります。では早速なんですけれども、実際に事業を立ち上げていく上で、どういうことが課題になりましたか?

出雲さん:ミドリムシの研究はお金が掛かるんですが、まったくお金が集まりませんでした。2005年に創業して3年間はまったく鳴かず飛ばず。役員報酬10万円だったが…貧困層ですよね。

湯浅さん:間違いないです(会場笑)

2008年の5月に伊藤忠商事が採用してくれた。研究費も出してくれた。これが変わった。伊藤忠商事が売るミドリムシと私が売るミドリムシは同じだったが、伊藤忠商事のミドリムシはばか売れした。

毎日ダメだと思っていた。なんで売れないんだろう。500社当たった。やめると言い出すタイミングがなくて…(笑) 伊藤忠商事との出会いもたまたま。タウンページとインターネットでテレアポで売り込みにいった。500件やるといっても、本当にやる人はいないんですよ。勉強になりました、といってやらないんですよ!


長谷川さん:
実はぼくは創業者じゃないんです。引き継ぎだった。選挙で創業者が突然いなくなったんです。天丼屋に呼び出され、1ヶ月前に会社を引き継ぐことになった。毎月700万円赤字だった。

創業者に電話をすると「興味がない!」と返された。創業者はそんな面白い人だったが、社員はみんな良い人だった。みんなが協力してくれた。当時従業員80人。

やりたいことはみんな一緒。障害がない社会を作ろう、で一致団結している。雇用だけでなく、根本的な教育が必要だ、という点を理解してくれたので変えるのは簡単だった。


湯浅さん:
元々はホームレス支援をしていました。95年くらい。長谷川さんの状態、うちの息子は怪しい宗教に入っちゃったんじゃないか、と親から心配される日々。受益者負担が成り立たないので寄付を集めることに。

出雲さんの伊藤忠商事にあたるものが、私たちはマスコミだった。マスコミに取り上げられることで信用が高まる。寄付を集めるのは大変なんです。商品ではなく「活動」を買ってもらう。社会性と普遍性をしっかり伝えないと集まっていかない。

私のときは寄付してくれる人に、全員手書きで返事を書いていた。持続するために必要だった。繋がった人を繋ぎながら、マスメディアに取り上げられながら、社会性をまとう。関心を呼び起こしていく。

ブレイクスルーは2006年の夏で自分で貧困問題について言い始めた。相談者のなかに、ホームレス以外の方が来るようになった。これはもうホームレス支援ではない。ちょうど小泉さんが終わったところで、ワーキングプアが話題になっていた。


吉岡さん:
メディアに手紙を愚直に書きました。プレスリリースも知らなくて。ほとんど無視されましたが、東京新聞の女性記者が興味を持ってくださった。そして取材に来てくださって、大きな記事にしてくれた。手紙は5通。

しかし、食えるまでにはいかなかった。コネで出版社でバイトをすることになった。9:30〜17:30で働き、謝りながら保育園に行き、月給十数万を稼ぐ日々。そこから先の未来が見えなかった。

残業もできず、先がなかったのでやめることにした。色々シミュレーションしたが、何をやっているのかわからなくなった。身体に関する仕事がしたかったので、時給750円の時代、スポーツクラブのバイトを始めた。

一日だけ休みをもらって教室を再開することに。新聞の反響は続き、確実にニーズは感じていた。月〜土曜9:00-15:00で働き、水曜だけ教室。月8万円くらい稼げることがわかった。4回コースで1万円、10人なら10万円。経費2万。残り8万。合わせて16万円。

自分の人生を自由にデザインできる。9:30〜17:30では自分の時間がほとんどない。がらーんとした保育園に一人のこった子を迎えにいく。9:00-15:00だと自分の勉強の時間もある。こういう生活がしたいと思った。出版社の仕事にこだわるよりも、スポーツクラブでバイトすることに意義を感じていた。

小林さん:出雲さんに、メディアにはどのような感じで取り上げられた?

出雲さん:うちから何か働きかけるようなことはしてきていません。今も昔も。テレビ以外はとても重視しています。テレビとミドリムシって相性がよくないんですよ。テレビに出ると笑われるんです。「ミドリムシが世界を救う!?」「ミドリムシが世界を救うかも」と報道される。新聞、雑誌、ラジオはちゃんと取り上げてくれる。

長谷川さん:あんまり頑張らないでも記事になることが多い。メディアの関係者が障害の当事者だったりするパターンが多いので、貼り付いて報じてくれる。顧客獲得にはあまり影響はない感覚。採用には影響はあった。


出雲さん:メディアリレーションについて、湯浅さんと吉岡さんに教えてもらいたい。

湯浅さん:アドバイスを貰うようになったのは最近です。それまではどんなに叩かれることが予想されようが、出て行った。「たかじん〜」とか。やられることはわかっていても出る。それはそれで知ってもらえる。すべて出た。

出雲さん:ミドリムシ、メンタル弱いんですが、どうすればいいんですか?

湯浅さん:自分のことをミドリムシって言うんですね笑

出雲さん:私は正確に言うと代理人なんですよ。駐日ミドリムシ全権大使なんです。だから一人称はミドリムシなんです。

湯浅さん:で、なんでしたっけ(笑)

出雲さん:メンタルの鍛え方です。

湯浅さん
:何回も繰り返していくと、すこしずつダメージは小さくなっていく…かな。「世の中のお荷物を支援している、本人がだらしないだけだろ?」と言われつづけてきた。メディアの作りが「おかしい」という前提でコメントを求められる。 慣れることはないけれど、すこしずつ痛くなくなっていますね。ミドリムシ的にはどうでしょうか。

出雲さん:ダメですね。そんなメンタル強くないですよ。

吉岡さん:テレビとか出たら受けると思いますよ。天然でこれなわけでしょ。ちょっと頭おかしい感じがいいですね。

出雲さん:私の分析じゃなくて!吉岡さんのメディアリレーションの戦略をくださいよ(笑)

吉岡さん:
人間関係的なものが大きいと思います。担当してくれた人が愛着を持ってくれたものは、長いとこ影響がありますね。去年「グラン・ジュテ」に出たが、そのディレクターが共感してくれていい編集だった。未だにそれを見て来てくれた人がいる。

ほかの番組に出たこともあるが、反響はあったが興味本位なリアクションで終わってしまった。扱おうとしてくれた人が興味本位だと、反応も浅くなる。それはテレビだけじゃなくて、新聞・雑誌もそうだと思う。

長谷川さん:個人にフォーカスされる場合は出ませんね。あんまりいい方向に行かないので。やはり年齢を取り上げられたり、そういうのがあると叩かれる要因になってしまう。福祉の世界自体が、株式会社に対する抵抗が強かったりする。


会場からQ:長谷川さんに。会社を継ぐことになったとき、引き受ける判断をしたのはなぜか。なぜ頑張れたのか。ぼくは社長にならないか、と言われ断っている。

長谷川さん:
うちは創業者の多様性も認めたいので…(笑)彼は市長選は大差で落選。今はカンボジアでアトピーの治療の研究をしている。寄生虫に鍵があるのではないか、と考え自分で人体実験している。日本だと違法なので。

元々独立しようと考えていた。1年くらい勤めて、会社に愛着もあった。関わるもの全部が結果オーライじゃないとイヤで、社員が好きだった。これが踏ん張れた理由でもあった。

出雲さん:債務の連帯保証については?

長谷川さん:そのときは2億円引き受けましたね。当時24。2億円の債務保証。700万円の赤字。もともと大金を借りて事業をやるつもりだった。2,000万円超えるとどうせ返せないから自己破産でしょ、という割り切りがあった(会場拍手)

湯浅さん:わたし、ホームレスの人がアパートに入る頃の連帯保証人をやっていました。300人くらいの保証をしていました。いざとなったら自己破産するしかないんじゃない、という…。(会場拍手)

吉岡さん:良い子は真似しないでくださいね。


Q:貧困は難しい問題があると思う。ホームレスの方に裏切られることもある、世間からも攻撃される。自分を信じることができたのはなぜ?

湯浅さん:自分が絶対正しいと思ったことはないですね。世の中一般にある「そんなの本人のやる気だろ」みたいなのが違う、というのがわかる。あとは、ちょっとずつ良くなっているのがわかるんですよね。全国に事例も出ているし、大丈夫だろ、という感じでやれていますね。

Q:シングルマザーのベビーシッターをしています。ヤバい、これという状況に対して何とかしたいと思っています。お金のない人には何を進めればいいですか?コミュニケーションがないので3歳でも喋れない。何をすればいいか。

自分は社会的弱者だと思っているので、アドバイスすると卑屈になってしまう。どういう風にことばを掛ければ伝わるのか。最後は10万円の出所について、ミドリムシさんに。

出雲さん:簡単なのでぼくから。資本金ですね。

長谷川さん:行政がサービスを提供しているので、まずそこに繋がる。個人で継続的な支援をしている人たちがいるはずなので、まずはそういうコミュニティにアクセスすること。

吉岡さん:
私も子どもを早く産んだが、シングルマザーのシェアハウスに出入りしていた。そこで保育を手伝っていた。子育ては家庭でやるというよりは、リソースを使ってやる考え方があった。そういうコミュニティに接続しないと…何とか昼間の保育園にいければいいんですが。

何とか行政に介入してもらえばいいでしょうね。ベビーシッターの方から、気になる母子がいるんですけど、と伝えるのはいいんじゃないかと思う。今直面している場合は、行政と連絡を取るのが一番だと思う。後で話しかけてください。

湯浅さん:すごく深い問題。シングルマザーの方に限らず、自分のなかにパワーを感じられない、だから誰かにやってもらいたい、と考えてしまっている。自分の中にパワーを感じられるように働きかけるのが望ましい。

その人ができないことをやらせてはいけない。できることをやらせて、そのときにあなたにはパワーがある、と伝える。私はあなたの役に立った、ということが繰り返されていけば、自分には何もできない、という状態が改善されていく。


長谷川さん:
たくさんの社会からの力を集めてほしいと思う。いい志を持っているから成功する、というわけではない。多様な人の組み合わせが事業を軌道に乗せるために重要。

うちは福祉の分野から始まっているので、めちゃくちゃ嫌われる。多様性を排除されそうになった。的にこだわって、多様な人を採用していくことが大切だと思う。

吉岡さん:私たちは年間予算3,000万円。少ないと思われるが、それで5,000人の人に届けている。最適な規模で届けていく、ということを大切にしています。

湯浅さん:この一年のテーマは異業種交流。今日も長谷川さん以外は初対面。いい場でした、ありがとうございました。

出雲さん:尊敬する京都大学の山中先生は、ほとんどの実験はうまくいかない、と言っている。私も繰り返し実験をしていった。色々な人が共創する場にお招きいただき、ありがとうございました。